平 凡蔵。の 創作劇場

恋愛ストーリーや、コメディタッチのストーリー、色んなストーリーがあります。
どれも、すぐに読めちゃう短編なので、読んで頂けたら、うれしいです。

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散散歩歩。(368)尾道ラーメンと、みゆきさんの影を求めて呉の旅。(10)

広島港からはチンチン電車が街中まで走っている。
とりあえずは紙屋町か八丁堀あたりで降りてみよう。
といっても目的地はないので、ただただ商店街をぶらぶらと歩くことになる。
ただ、これがいいのだ。
もしここにミニボンがいたとしたら、こう言うだろう。
「どこに行こうとしてるの?」
「ぶらぶらしてて、面白い?」
なんてね。
でも、このぶらぶらが、いいのであります。
ここ広島に住んでいる広島人は、やっぱり休みの日には、繁華街に出かけたりするだろう。
そして、お店を冷かしたり、映画を見たり、食事をしたりしてね。
そして、ぶらぶらをする。
つまりは、このぶらぶらは、広島に住んでいる人と同じ行動のぶらぶらなのであります。
それにね、それに、凡に取っては街中をただぶらぶら歩くこと自体が楽しいのです。
面白そうなお店を発見したり、ちょっとガイドブックには載っていないような路地に可愛い野良猫を見つけたり、サ
ラサラロングヘアーの白いニットのワンピースを着た広島美人に出会ったりね。
まあ、実際は出会うというよりも、ただすれ違うという方が正しいのでありますが、ただ美人にすれ違うだけでも、それはそれは嬉しいものなのであります。
さて、とりあえずは昼食でも食べましょうか。
街中をぶらぶらしていて、見つけたお店。
見せの感じから言うと、広島のサラリーマンや、繁華街に出かけた時にちょっと食べていこうかなという雰囲気のお店だと思う。
「ちから本店」さん。

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昨年に広島に来たときは「むさし」さんに入ったが、今回は「ちから」さんにしよう。
麺は柔らかく、表面はつるっとしている。
これは、間違いがない。
ほっとする味だ。
お店を出たら、またまた、ぶらぶら。
気が付くと「丸善」さんに来ていた。
ここ広島の丸善さんは、売り場が広くて何度来てもいいですね。

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ふと本棚を見ると、山口果林さんの書いた「安部公房とわたし」という本があった。

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少し前に新聞の広告欄に載っていたので、どんなことが書いてあるのか気になっていた。
それに、山口果林さんと安部公房さんが、いい仲だったなんて、知らなかった。
もともとゴシップには弱い方だから。
でも、そんな本を読むのには、少しばかり躊躇いがあったので、今までは買わずにいた。
でも、今ちょうど目の前に、その本がある。
はしたないけれども、凡は覗き趣味のピーピング凡である。
恐る恐る本を取り上げてページを開く。
安部公房さんとの同棲生活について、赤裸々につづられていた。
今年の5月に、安部公房さん没後40年の週刊誌の記事についてブログを書いたのですが、娘さんの語る安部公房さんが、素敵な父親だっただけに、そのギャップに衝撃を覚えた。
とはいうものの、どちらの安部公房さんも、安部公房さん自身であるので、どちらも本当なのだろうなと思う。
数ページ立ち読みして、本を閉じた。
本の始めに載っている山口果林さんのカラーのヌード写真が気になったが、ゴホゴホッ、そこ?そこなん?というボケも言いながら、買わずに本棚に戻した。
またもや、街中をぶらぶらしていると、福屋のビルの1階に、叙々苑の看板が立っていた。
見るとランチが1800円とある。

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叙々苑と言うと、東京の芸能人御用達の有名な値段の高いお店だというイメージがあった。
それから言うと、ランチ1800円は、ランチにしては高いけれども、叙々苑という名前のついているランチと思えば安い。
羽田空港の叙々苑の弁当だって、値段は忘れたが、結構な値段だった。
でも、ここはお店だ。
テーブルで焼いて食べて1800円なら、話のネタに入ってみるのもいい。
お店の前に行くと、焼肉屋らしくない内装が入り口からも見える。
案内されたのは、4人掛けのテーブルで仕切りがしてあるスペースだ。
荷物を横の椅子に置くと、ウエイトレスさんが荷物に布をかぶせてくれた。
さすがだ、さすが高級なお店だ。
焼肉ランチは、普通の焼肉ランチと、上焼肉ランチと、特撰焼肉ランチがある。
勿論ここは、普通の焼肉ランチを注文。
運ばれてきた肉は白い皿に盛りつけられていて、その盛り付け方が、如何にも高級店だという感じで、薄い肉が整然と綺麗に並んでいた。

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そして、ウエイトレスさんが言った。
「このお肉は、十分に火を通してお召し上がりください。」
そういえば、入り口のメニューの看板にも、同じことが書かれていた。
上焼肉ランチと特撰焼肉ランチには、その1文は添えられてなかった。

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普通の焼肉ランチのみに、「中心部までよく焼いて」(看板ではこういう表現だった)の文章がある。
これはどういうことなの。
如何にも、このランチだけ安物ですよと客に告げているようなものだ。
いざ、今日こそは叙々苑の焼肉を制覇するぞと、鼻息も荒く、そしてドキドキしながら注文したのに、「あ、このランチは他のランチと違って、安物なんですよ。叙々苑の焼肉っていうのが恥ずかしいぐらい。あ、ごめんなさい。つい口が滑ってしまいましたわ。」
なんてことを言われているようだ。
折角、叙々苑に入ったのに、ああ恥ずかし。
それで焼肉の味はどうかというと、普通の焼肉店の肉と同じだ。
そりゃ、普通のランチだもの。
後で看板を見ると、普通のランチには、「合わせ肉を使用しております。」とも書かれていた。
普通のランチなのに、普通の肉じゃなかったのである。
「合わせ肉」
、、、しょんぼり。
それでも、折角の焼肉ランチなので、ビールを1杯注文した。
前から飲んでみたかった泡の凍ったフローズン生。
確かに泡はシャリシャリとしている。

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これをどう評価するか。
すぐにでも液体を流し込みたい凡には、この泡がじゃまで飲みにくい。
ただ、しばらく置いておいてもビールが温くならないので、そこはいいですね。
高級なのか、安物なのか悩んでしまうランチを、それでも上機嫌で頂いて、お店を出た。
1階にある看板を写真に撮っていたら、福屋の偉いさんなのかが、出てきて「撮影の許可を取っているのか。」という。
折角の記念に撮っているだけでありまして、そんなに怒られることもないと思うのですが。
どうも、これまた、しっくりこない食事の終わりでありました。

コメント

  1. 邂逅 より:

    子供のタブレットを借りて投稿させて頂きます。
    ネット内をお散歩中にお邪魔致しました
    ネット初心者です
    動画の中に山口果林さんの記事があり
    昔からなぜあんなに持て囃されるのかサッパリ解らず
    何故なのか知りたくてウロウロと検索をして
    こちらにお邪魔致しました
    広島は好きな市の1つだったので懐かしいのと
    叙々苑も憧れていたので内容の濃い記事で
    (わたくしにとってはw)
    とても嬉しかったです。
    ネットの愉しさを教えて頂きました。
    お元気で ごきげんよう
    いずれ また(*^-^*)ノ
    邂逅 感謝

  2. 凡蔵。 より:

    ありがとう、邂逅さん。
    若い時の山口果林さんは、綺麗な人だと思うのですが、何も今更暴露本を出さなくてもいいんじゃないかと思うんです。
    というものの。こういうことは当事者しか分らないとは思いますが。
    でも、そんな本を出されたお蔭で、邂逅さんにもコメントをいただいたので、暴露本にも少しは感謝しなくてはね。
    広島は良いところですよね。
    私も好きです。
    叙々苑さんは、一番安いランチでしたけれど、楽しかったです。
    今度は、夜のちゃんとしたメニューを食べてみたいです。
    でも、高いでしょうね。
    この旅は、コメントを頂き、ありがとうございます。
    これからも、よろしくお願いいたします。

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