平 凡蔵。の 創作劇場

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散散歩歩。(367)尾道ラーメンと、みゆきさんの影を求めて呉の旅。(9)

呉の中央桟橋ターミナルまで、戻って来た。
さて、これからどうしようかと思っていると、ここから広島までフェリーとスーパージェットが就航している。
昨夜の計画では、みゆきさんが2007年のコンサートツアーで乗っただろうスーパージェットで松山へ移動するつもりだった。
でも、あれは松山から広島へ移動したのだろうか。
その辺の詳しいところは、調べていない。
いないけれども、確かに松山と広島の間をスーパージェットで移動しているのであると思うのです、DVDの映像をみる限りではね。
であるなら、呉と広島の間は、間違いなくみゆきさんは、スーパージェットに乗っている。
松山から広島へ行くのには、2便に1便は、呉に船は立ち寄る。
みゆきさんの乗ったスーパージェットが、どちらの便だったかは知らない。
知らないけれども、潜水艦に遭遇しているところから想像するに、呉に寄っているだろう可能性は、かなり大きい。
と思うと、急に呉から広島へ船で移動してみたくなった。
時刻表を見ると10時55分に出発して、広島に11時17分に到着する便がある。
そうだ、船で広島へいこう。
早速、チケットを購入。

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乗り込んだスーパージェットは、松山からの客が窓際にすでに座っていた。
凡はというと、映像の記憶を辿って船内をぶらぶらしてみる。
そういえば、映像もこんな感じだったか。
船の中央部の座席に座って、こう考えた。
海と言うのは、波の高さの上下はあるけれども、ほぼ海面はいつも同じ高さだ。
そして、船の航路も、大体は同じルートで目的地に向かって進む。
つまりは、この海の上の空間を、みゆきさんは2007年のコンサートツアーの時に移動していたということだ。
この空間を、みゆきさんの肉体が、海面と水平に、空間を切り裂くように移動した。
その記憶は確かにこの空間に刻まれている。
そのみゆきさんの記憶が残った空間が、1本の糸状に広島に向かって続いている。
そして、その切り裂かれた空間を、いままさに凡も移動しているのだ。
みゆきさんの記憶の残った空間を、凡の肉体がいままさに、凡の記憶を残しながら、切り裂いてゆく。
あるいは同じ糸の上を、あるいは、交差しながら。
ホログラフィックな世界観では、今生きているこの世界と、並行して幾つもの世界が同時に存在しているという。
であるなら、これは凡の素人考えだけれども、時間もホログラフィックなものではないだろうか。
つまり、過去も現在も未来も、今同時に存在している。
そう考えると、今まさにみゆきさんと凡の肉体の移動という記憶は、同時に存在しているのであって、みゆきさんと凡は、今まさに巡りあって、重なり合ったと解釈できる。
「みゆきさーん。うっひっひー。」
嬉しいじゃないか。
とはいうものの、他人が見たら、さぞかし気持ち悪い満面の笑顔であったに違いない。
気持ちの悪い凡の笑顔が、呉の海の空間に1本の糸のように記憶されていったのでございます。
そんなことを想像しながら、広島行のスーパージェットに乗っていると、短い船旅も終わり、広島港へ着いた。
さて、広い島に着いたらどうしよう。
目的は、今のところないのであります。
呉のターミナルの売店で売っていたパン。

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呉では有名なパン屋だそうです。
会社名がメロンパンというのも、すごいです。
社名どおりのメロンパンや板チョコの入ったナナパンも人気だそうですが、
凡は、またもや名前に惹かれて、平和パンを買った。
パンの中にカステラ生地とイチゴジャムが挟まっている。

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