平 凡蔵。の 創作劇場

恋愛ストーリーや、コメディタッチのストーリー、色んなストーリーがあります。
どれも、すぐに読めちゃう短編なので、読んで頂けたら、うれしいです。

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散散歩歩。(366)尾道ラーメンと、みゆきさんの影を求めて呉の旅。(8)

呉は港町なので、せっかくだから呉の港を回る遊覧船などに乗ってみたい。
観光案内所で尋ねると、「艦船めぐり」というのがあるという。
海上自衛隊呉基地を中心に港をまわるそうだ。
出発の時間も、ちょうどいい。
念のため、センパアを薬局で購入。
何しろ、ついさっきまでは二日酔いで胃腸の具合が悪かったのでありますから、ここは用心すべきところであります。
センパアの説明書きを読むと、塩酸メクリジンとスコポラミン臭化水素酸塩水和物が成分で、どちらも、めまい、吐き気をおさえると書かれている。
これは二日酔いの吐き気にも効くんじゃないだろうか。
そんな期待を込めて服用。
誰か、この成分が二日酔いに効くかどうか知っている人はいないだろうか。
是非とも知りたいものであります。
中央桟橋の待合室に行くと、小さなコーナーに艦船めぐりのテーブルが出ていて、時間の少し前に男の人が出てきてチケットを販売しているようだ。
とりあえず1枚購入。

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男性は、やっぱり無口で、どちらかというと無愛想だ。
ここでもまた、呉流なのだろうか。
さて、時間だ。
男性と船に向かう時に見渡すと、誰もいない。
凡1人だ。
「1人だけですか。」と男性に訊くと、「そうだ。」と無愛想に答えた。
どうも、呉流は、こっちが気をつかってしまう。
そして、歩きながら男性がいう。
「今日は、1人だけだから、希望があったら、それを中心にまわってあげる。」という。
潜水艦を中心とか、艦船を中心にとか。
とはいうものの、初めての港なので、どこを見たいか自分でも分らない。
なので、男性に任せた。
この呉人もまた、無愛想だが、仕事はちゃんとやる呉流なのであろうか。
舟に乗ると、この男性がマイクで説明してくれるのだけれど、海自OBらしく、艦船や潜水艦の説明が詳しくて、勉強になる。
それよりも何よりも、すぐ近くでみる艦船の迫力に夢中になって、カメラのシャッターを押した。
舟の窓ガラスに雨の跡がついているのが残念だ。

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自衛隊の存在が憲法に違反しているかとか、今の周辺国との関係がどうだとか、そんなことを抜きにして、やっぱり少年は、少年と言うのは凡の事でありますが、潜水艦とか艦船が好きなようでありまして、本当に楽しい時間でありました。
そして、目の前にある潜水艦を、ひょっとしたら、みゆきさんも見たのかもしれない。
同じ風景を見ているかもしれないことが、嬉しい。

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(みゆきさんが見た潜水艦。たぶん呉だろう。みゆきさんは右側。)
ふと艦船を見上げると、デッキの上から自衛隊員が2名、凡に向けて手を振ってくれた。

カッコイイ。」
もし凡が若い女の子だったら、好きになっちゃうかもしれませんね。
大きな艦船と制服。
とくに制服と言うのは、男女関係なく、人がカッコよく、可愛く見えるものであります。
こんな凡だってね、自衛隊の制服を着てさ、大きな艦船の上から、敬礼をしたらさ、若いサラサラロングヘアーのニットのワンピースの女の子だってね、コロッと凡に惚れちゃうに決まっているんだ。
とはいうものの、凡は高所恐怖症でありまして、あんな大きな艦船のデッキなんて、高すぎて立ってはいられない。
恐怖のあまり艦船のデッキの上で四つん這いになって、「怖いよー。」なんて叫ぶことになるだろう。
「けっ、けっ、敬礼。怖いよー。」
するとサラサラロングヘアーの女の子が凡を見ることになる。
「ちょっと何?あれ。デッキの上で四つん這いになって、鼻水垂らして泣きながら、何か言ってるで。気持ち悪いわー。」
凡もサラサラロングヘアーの女の子が、凡を見てると思うと力が入る。
「お、お、お姉さーん。カッコイイでしょ。凡ってカッコいいでしょー。でも、怖いよー。」
「いーやなに、今度は泣きながら、鼻水垂らしながら笑ったりしてるで。怖いからもう、見やんとこ。自衛隊員って怖い。」
そんな展開になることは自然に考えられる。
やっぱり制服を着ての敬礼は、低い地面の上でなきゃいけない。
陸の上で制服をきた凡なら、大概の女性はイチコロだろう。
30分ほどの艦船めぐりは、意外にもこころ踊る時間でありました。

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(大和を造ったドック)

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