平 凡蔵。の 創作劇場

恋愛ストーリーや、コメディタッチのストーリー、色んなストーリーがあります。
どれも、すぐに読めちゃう短編なので、読んで頂けたら、うれしいです。
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散散歩歩。(351)日光と東京ツアー(9)

部屋に戻る前に、売店に寄り道。
ここでバイキングで頂いた巻湯葉が結構な値段であることを知る。
もっと食べときゃよかったな。
そして、ふと見ると喫茶コーナーのようなところに、「日光の天然氷のかき氷」という看板を発見。
凡は、かき氷が大好きだ。
しかも、「天然氷」とは。
天然の水を氷池で凍らせて、それを氷室でおがくずに包んで保存しおく。
枕草子に出てくるあの氷が今も食べられるんだろうか。
冷蔵庫じゃなくて、氷室を今も使っているなんて。
ロマンだ。
ということで、これは食べなきゃいけません。
凡はかき氷といえば、やっぱりみぞれである。
子供の頃、父親とかき氷を食べるとき、凡はイチゴとかレモンを食べていた。
そんな時、父親はいつもみぞれだった。
小さい子供には、これが理解できなかったんですね。
みぞれなんて、ただ甘いだけだ。
イチゴやレモンは、甘いうえに人工的ではあるけれど、香りも付いていて、みぞれに比べて、子供の計算では値打ちのあるものの筈であった。
「何でみぞれなん。」と、父親に聞いたことがあるが、これが1番美味しいと言っていたな。
高校生になって、もっと美味しい食べ方を知る。
宇治金時や練乳を掛けたり、かき氷も贅沢になったのであります。
でも、10年ぐらい前から、何故かみぞればかり食べている。
どうも、これが中々美味しいんですね。
甘さをストレートに楽しむには、やっぱりみぞれが最高である。
冷たさと甘さ、これはかき氷の醍醐味である。
それにね、真っ白な氷に、透明なみぞれシロップを掛けた姿が、如何にも涼しげで上品だ。
白い木綿のワンピースに麦わらのつばある帽子をかぶった、えくぼの似合う女の子。
キラキラと輝く汗でロングヘアーの幾本かが首筋に纏わりつく。
それでも容赦なく照りつける太陽に目を細めながら、亜麻のハンカチで首筋の汗をぬぐった。
凡は白いワイシャツの袖を捲り上げて、店の床几においてあった安物の団扇で、首のボタンを1つ開けた隙間からバタバタと風を送る。
でも、湿気を帯びた熱風は、尚も凡の汗を噴出させる。
湘南の海を見下ろすテラスで、2人話すこともなくせみの声に耳を澄ませていると、山から少しだけ涼しい風が吹く。
「あっ。」
瞬間、彼女が小さな宝物を見つけたように笑った。
かき氷のみぞれは、白いワンピースや白いワイシャツが、何だか似合うような気がする。
鬼怒川温泉ホテルの夕食のバイキングを食べた後は、ビールを飲みすぎたほてりをかき氷でクールダウンしよう。
ラウンジのカウンターでかき氷を注文した。
「すいませーん。みぞれをください。」
「みぞれ?」お姉さんが聞きなおした。
メニューにみぞれがなかったのである。
「みぞれですか?」もう一度お姉さんが聞いた。
「そう、みぞれが食べたいんです。」
というと、やや考えた風で、そして作ってくれるという。
言ってはみたけれども、みぞれのシロップあるのかなと思いながら席についた。
ややすると、果たしてお姉さんがみぞれを持って来てくれた。
真っ白なかき氷は、日光の天然氷ということもあって、さらに白く見える。

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(あまりにも美味しそうなので、写真撮る前に、だいぶん食べちゃいました。)
そして、1匙口に入れると、ふわふわで、綿菓子のような食感である。
これは、美味しい。
ただ、みぞれのシロップを掛けたという感じではないけれど、むしろより上品な甘みだ。
どういう風に作ってくれたんだろう。
お姉さんの機転に、あ・り・が・と・う。
ラウンジを出る時にお姉さんに、氷がふわふわで美味しかったことを伝えると、天然氷は硬いからふわふわに仕上がると教えてくれた。
楽しい夕食を終えて部屋に戻ったら、布団にごろっと寝転んだ。

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(館内を移動するときに使用するトートバッグ。これは便利でした。必要なものを入れて持ち歩けるんだけれど、部屋の番号の札が付いているので、他の人と間違えることもない。)

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