平 凡蔵。の 創作劇場

恋愛ストーリーや、コメディタッチのストーリー、色んなストーリーがあります。
どれも、すぐに読めちゃう短編なので、読んで頂けたら、うれしいです。

創作劇場は、ここをクリックしてください。⇒⇒⇒

散散歩歩。(348)日光と東京ツアー。(6)

東照宮を後にして、日光二荒山神社へ向かう。
この二荒山神社は、日光三山をご神体として、この東照宮の横の本社だけでなく、中禅寺湖にある中宮祠、男体山にある奥宮と、日光連山全体に神域が広がる由緒のある神社だそうです。
本社の前に佇み、日光へ来たときから感じていた、この日光の山の清々しさを思う時、何か凡の心身も、日光の山々の清々しさと同化していくようで、気持ちが良かった。
なのだけれど、お参りを済ませて横に隣接する神苑という施設の看板を見た時に、悲しくなった。

画像

これほど立派な神社なのに、何故こんな施設を作ったのだろうか。
経営的な理由なのだろうか。
それとも、観光客が喜ぶだろうという、そんな短絡的な発想なのだろうか。
料金は安いけれど有料の神苑の案内図を見ると、その庭にこれでもかというぐらい、色んなオブジェを配して、人をしてそのオブジェを拝ませようとする仕掛けが施してある。

画像

(本当に、拝めば助けてくれるの?)
観光客のお気楽な旅なら、これもいい。
でも、この神苑を訪れた人の100人の内、1人でも真剣な悩みを抱えた人がいるかもしれないのである。
そんな人が、真剣にそのオブジェに向かって拝む姿を想像したら、見ていられないよ。
凡は、他の施設でも、そういう人を何人か見たことがある。
他人ながら、どうかその願いが叶えられることを願った。
人が拝む対象は、安易に作ってはならない。
さて、そんなことをいう凡なのでありますが、折角来たのだからと、気楽な観光客となって、神苑に入ることにした。
この辺は、凡人で愚人である凡なのでありまして、信念や考えもいい加減なものであります。
色んな拝む用のオブジェがあったが、ぶらぶらと回る。
日光連山遥拝所というところがあったが、これはまあいいか。
ここで三社のお参りが出来るということだろう。
中に入ってお参りをした。

画像

すると横に立て看板がある。
見ると、説明文の1部にマジックで黒く塗りつぶした部分がある。
好奇心の旺盛なというか、覗き趣味の凡は、こういうのが気になるのであります。
これはどうしても黒く塗りつぶさなきゃいけない言葉が書かれているのだろうか。

画像

海外のポルノ雑誌の検閲の黒マジック。
見てはいけない秘密の花園。
何て、こんな話をすると年齢を感じますよね。
凡は見たことはないのですけれどね。
そんでもって、この看板の黒マジック。
これは秘密の花園ではなさそうではある。
黒マジックを透かしてみたり、裏側から見たりすると書かれている言葉が判った。
「左から」
見てはいけない言葉を想像していたので、なあんだとガッカリした。
でも、何で「左から」を消さなきゃいけなかったのかが、また気になる。
順番が違ったのかなということが考えられるけれど、それは作る前から分る筈だしね。
ましてや神社の人が作ったんだから、そこは間違えないだろうと思う。
その辺のところを、知りたかったけれど、そのままやりすごして神苑を出た。
さて、続いては、隣にある大猷院も覗いてみましょうか。
ここは家光の墓所だそうです。
ここも東照宮に負けないぐらいに豪華な造りだ。

画像
画像

凡が訪れた時は、修学旅行の小学生もいなくて、ゆっくりと見て回ることができた。
観光客が少ないので、日光の自然の山々の中に大猷院が、どっしりと重量感を持って、そして東京から遠いこの地に、ひそやかに存在しているその空気を感じることが出来て、来て良かったなあと思った。
ひと通り拝見した後の帰り道、山の上で鹿の子供がこちらを窺っていた。

画像

鹿なんて、奈良公園に行くと、これでもかといるんだけれど、日光の山の中で出会うと、何だか山の手のお嬢様のように可愛く思えるね。
ミニボンもその光景に心奪われたのか、後ろからくる観光客に鹿の子供がいるって話しかけていた。
でも、話しかけられた観光客が、あまり反応していない雰囲気が、凡の後ろにミニボンはいるんだけれど、凡の背中に伝わってきて、ちょっと可哀想だった。
旅行とは、こんな小鹿にでも感動をしてしまう作用があるようであります。
さて、今日は夕食付のホテルなので、そろそろホテルに向かって戻りましょうか。
早くホテルに行かなきゃ、みんなにバイキングを食べられてしまう。
今日泊まるホテルのダイニング。
「わーい。このステーキ美味しいね。」
「本当だね、お母さんもお皿にいっぱい取ってきちゃった。」
そこここのテーブルで、バイキングを楽しむ親子の会話。
そこへ少し遅れてテーブルにつく凡とミニボン。
「早く、ステーキ取りに行こうよ。」
「あれ、もうステーキ無くなってるよ。」
するとスタッフの人が「すいません。今からまた焼きますから。それまで他の料理をお楽しみください。肉じゃがは当ホテルのオススメなんですよ。」
「えーっ。肉じゃがはいいかな。じゃ、ぐるっと他の料理も見てみようよ。」
「このグラタンも美味しそう。」
「でも、残ってないやん。お皿の端っこに少ししか残ってへん。」
するとスタッフが、「すいません。今から作りますから。」
仕方なく、テーブルで新しい料理が運ばれてくるのを待つ凡とミニボン。
「お母ちゃん、どうして隣のおっちゃんとおばちゃん、何も食べてへんの。」
「しっ。声が大きいよ。あの人たちはね。東照宮をただ呑気に見物してて、時間の配分間違ったんやで。お母ちゃんいつも言ってるやろ。何でも計画立ててやらんと、偉い目にあうって。バイキングの時間忘れて、東照宮で浮かれてはったから、ああなったんやで。」
「ふーん。計画立てへんかったら、怖いことなるんや。」
「あんたも、ええ勉強なったやろ。」
「うん。あんな大人なったら、アカンね。」
「ほら見てみ、情けない顔で料理の方ばっかり見てるで。」
なんてことになったら、泣いちゃうかもしれない。
というか、こんな想像話はいらないか。
大猷院からは、バスで東武日光駅に戻って、そこから鬼怒川温泉に向かう。

画像

(二荒山神社では、お守りも沢山売られていた。)

画像

コメント

タイトルとURLをコピーしました