平 凡蔵。の 創作劇場

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どれも、すぐに読めちゃう短編なので、読んで頂けたら、うれしいです。

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散散歩歩。(305)アイラブユー・ほたえてくれ!みゆきさーん。(71)

テクノロジーの発達というものは、素敵なものであります。
音楽でもそうだ。
昔は、レコードだった。ソノシートも含めてね。
当時は、ステレオなんて持っている家庭は、凡の周りにはごく1部で、レコードを聴くときは、小さなプラスチックの筐体のプレーヤーで聴いていた。
慎重に針をレコードに乗せると、本体についている小さなスピーカーから、薄っぺらな音楽が聞こえてくる。
それにね、レコードなんて、買うお金がないもんだから、何枚も買える訳じゃないから、持っている2、3枚のレコードを何度も大切に聴き直していた。
それが、カセットテープになって、それでもカセットも当時は1個が、すごく高いもので1個のテープを擦り切れそうになるまで使った。
あの当時は、あれはあれで楽しかったんだよね。
そして、CD、MDなどが出てきて、最近はMP3プレイヤーというものもあって、ものすごく小さいのだけれど、ものすごく沢山の曲を入れることができる機種が出てきている。
先日、ミニボンがこう言った。
「最近、ミュージックプレイヤーが、すごい安くなってんねん。買えへん。」
ミュージックプレイヤーか。
でも、そういえば、最近電車の中でもMP3のプレイヤーで音楽を聴いている人が減っているような気がする。
以前は、小さな小さなマッチ箱よりも小さいプレイヤーを首から掛けて音楽を聴いている人を良く見かけた。
でも、最近は、そういえば見かけない。
その答えは、すぐに解った。
みんなスマートホンで聴いているんです。
なので、ミニボンに「最近は、スマホで聴くからミュージックプレイヤーが売れへんから安くなってるんやろな。」というと、ハッと気が付いたらしく、「、、、、。じゅあ、いらない。」と、最新のミュージックプレイヤーを買おうと思っていた気持ちが、シュンとなえてしまったようであります。
そして、「そうかあ。それ聞いて急にいらんようになった。スマホか、もうついて行かれへんようになってしもたんやろか、あたし。」と続けた背中が、急に寂しさで丸くなったような気がした。
そろそろ凡もスマホに買えるべきでありましょうか。
なので、レコードなんてものは、もう今ではあってもしょうがないものであります。
ステレオを持っている人なら、まだ意味があるのだけれども、持っていない人には、意味のないオブジェでしかない。
狭い本棚を独占してしまう使えないメディア。
人にあげても喜ばれないプレゼント。
売ったとしてもお金にならない過去の遺産。
、、、、それを、買っちゃった。
意味のないものを買ってしまったのです。
久しぶりに大阪の梅田でミニボンと外食をして、その帰りの地下街を歩いていると、中古のレコード市を特設でやっていた。
ほろよい機嫌で、「あ、そうや、そうや、こんな歌手もいたね。」なんて、レコードを1枚1枚見ていると、ミニボンが「こんなんあるよ。」と言った。
みゆきさんの「臨月」。

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「えーっ。みゆきさんがあるんや。」と思って探すと、出てきました7枚のLPレコード。
これは、そのまま帰るには、少々後ろ髪が引かれる思いであります。
当時は知らなかったみゆきさんのライフワークのひと欠片が、今凡の手許にあるのです。
どうしても欲しいってミニボンに言って、買いました。
1枚が1000円弱ぐらい。

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プレイヤーのない凡にとっては、意味のないオブジェであるかもしれない。
でも、みゆきさんが大好きな凡にとっては、意味のない宝物でもある。
どっちにしても意味はない。
それにしても、レコードが意味のない過去の遺産だなんて、誰が言ったんだ。
まあ、いましがた凡が書いたわけなんだけれどもね。
でも、意味のないことが、すなわち素晴らしいことだってある。
少し前の事だけれど、凡が通勤途中に駅まで歩いていた時の事です。
おばあさんが、家の前で水やりをしていたのです。
でも、それを見てショックを受けました。
今までそんなことをしている人は見かけたことが無い。
おばあさんは、道端に生えている雑草に水をやっていたのです。
その光景を見てショックだったのですが、嫌なショックではない。
むしろ清々しい気持ちになったのです。
そういえば、凡も何か腑に落ちないというか、すっきりとしない気持ちがあったのです。
何に対してかというと、たまに駅前の道路の脇に生えている草を市の業者の人が電動の草刈り機でギーンという金属的な音をさせて刈っていることがある。
また、近くの公園でも主婦の人がボランティアなのかしらないけれど、公園の草むしりをしている日がある。
でも、そんな光景を見て、どうも気持ちがスッキリしないのです。
そして、尋ねたくなるのです。
「雑草は、抜かなきゃいけませんか。」と。
勿論、あまりにも大きくなりすぎて交通の妨げになったり、セイタカアワダチソウだったかな、花粉症の原因物質になったりするのなら、切らなきゃいけないだろう。
でも、普通の雑草なら、害がないというより、むしろ益の方が多いと思う。
二酸化炭素を吸収して酸素を排出するっていう大切な役割を立派に果たしているんだから。
雑草という名前もどうかとは思うけれど、名前までは知らないので雑草でいいだろう。
どちらかというとね、「雑」とつくものの方が、けな気で可愛げのあるものなんですよ。
雑種の犬とか、雑穀とかね。
なので、草も雑草の方が、けな気で可愛いのです。
それにしてもね、雑草もピンクの花の1つでも咲かせりゃさ、刈り取られもされぬものをね。
それを思いつかないのが、雑草なんだ。
だから必死で生きている。
けな気なものじゃないか。
凡なんか、応援したくなるよ。
それにね、雑草って言っているけれども、ひょっとしたら、解る人がみたらね、薬草になるのかもしれないのですよ。
知らないだけ。
ペニシリンなんかの抗生物質も、もとはカビとかコケから発見されたんですよ。
それまでは、カビなんて嫌われ者だった。
これも知らなかっただけ。
きっと、おばあさんもね、雑草に水をやるのは、意味があるのかもしれないんだ。
あるいは、生きる物を分け隔てなく愛せる優しい人なのかもしれない。
それなら、意味が無くても、素晴らしい行為だと思う。
だからね。
また、みゆきさんのレコードに戻るけれども、レコードが過去の遺産で意味がないオブジェだとういうのは、その新しい意味や、本当の意味を知らないだけなのであります。
レコードの意味を知らないだけ。
誰なんですか、意味がないって言ったのは。
まあ、それは凡なのでありますけれどもね。
どんな意味があるんでしょう。
とりあえずは、眺めて、うっとりして、癒される。
これだけでも、凡には意味があるというものではありますか。
そして、意味がなくったってね、構わない。
好きな人のレコードだから。

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(ついている歌詞カードの手書きの字が、これまた可愛い。)

コメント

  1. うかれぶた より:

    今でもレコード屋るんるんって
    言ってしまう時があります…
    初買いは、郷ひろみだったんですけど…バイトでやっと買った「赤いてんとう虫のプレーヤー」で聴いて♪
    この前、TVの骨董屋に、それが出てた!もう骨董であります…。
    まだ実家に埋もれてると思うけど、それは今、飾っても使ってもかわゆい猫
    とも思ってしまう。
    よいではないですかるんるん
    骨董\(^o^)/
    でも、みゆきさまのレコード時代は 私まだ踏み込んでなくて、みゆきファンの会社の先輩が、頼みもしないのに、アルバムの録音テープをくれたっけ…
    そのテープは今も持っている。
    今の携帯にしても、オーディオにしても古いのは ぽい棄てだけど、
    あの時代の物って、何故か捨てられない 愛着がある猫
    今朝、ふと気付いた、、
    「あいらんど」って、中島の島の意 だけじゃなく…愛のランド♪にも掛けてるのかと!?
    遅いょ、、と言われそうダッシュ(走り出すさま)うかれた、ぶた なんで… しょうがないブタ

  2. うかれぶた より:

    昨日、電気やで、
    今どきの、進化形式、録音できる ラジオを買ってきました~ダッシュ(走り出すさま)
    前から、他店も 下見してきたけど、
    意外と、予約付きのは、 三社くらいしかないので…
    貌で 決めましたひよこ
    スピーカーから 取り外しもでき、携帯みたいなんでCD-の音楽も、アイポットみたいに 持てる。
    ちなみに、仕事や移動中は、あの スゴくちいちゃい…やつが お気に入りです。
    何しろ ピンのように どこでも とめられて 軽い!!
    ミシンの時も 最高に 邪魔にならず、肩も凝らない。
    スマホは かなり 邪魔にはなるね、こーゆー場合。
    店員に 機能性を聞いてる時、横に パンフを読んだり 選んでる おっさんが いた…
    私は、この人も みゆきさまの オールナイトを録音する為に 買いにきたに違いないダッシュ(走り出すさま)と、直感し!?思わず声をかけそうになった
    生で聴きたいが、仕事の前の時間帯は、ヤバい猫
    寒空の中たらーっ(汗)ベランダで 聴くー(長音記号1) 凡さんには、脱帽でございますが 猫

  3. 凡蔵。 より:

    ありがとう、うかれぶたさん。
    昔は、家の近所の商店街などにレコード屋さんがあったけれど、最近は見かけなくなりましたよね。
    ツタヤとか大きなお店ばかりが駅前とかの便利な場所だけにある。
    ちょっと淋しいです。
    レコードは、声の振動を、そのままレコードの溝に伝えて、それをプレーヤーで、また空気の振動に変えるという点で、より生のみゆきさんの声に近いような気がする。
    部屋の明かりを消して、レコードを聴いてみたいです。
    でも、プレーヤーがないからね。
    今のところ、無意味な宝物。
    でも、いつかは絶対にプレーヤーを買って聴いてみたいと思ってます。
    「あいらんど」は、みゆきさんの表札のところに書いてあったのを思い出しました。
    大阪弁だと、「あ、いらんど。」
    訪問販売は、あ、いらんど。
    、、、そんな訳ないね。
    予約できて、録音できるラジオなんて、これはオールナイトニッポン対策は、完璧じゃないですか。
    私の買ったラジオは、ただ聴くだけのシンプルなものだから、これは真夜中起きてなくちゃいけません。
    でも、みゆきさんとの同時感は、味わえるかな。
    今、みゆきさんが同じ時間に、マイクの前に座っているんだっていう感じ。
    どっちにしても、楽しみですよね。

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