平 凡蔵。の 創作劇場

恋愛ストーリーや、コメディタッチのストーリー、色んなストーリーがあります。
どれも、すぐに読めちゃう短編なので、読んで頂けたら、うれしいです。

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散散歩歩。(277)アイラブユー・ほたえてくれ!みゆきさーん。(43)

少し火照った頬に冷たい風が心地いい。
こんな気分の時は、両手を広げてミュージカルのダンサーみたいにクルリと回転してみたくなる。
♪ララララーッ♪
ここは間違いもない東京である。
東京に住んでいる人には、気づかないだろうけれど、特別な匂いのする街なのであります。
さて、これからどうしますか。
ホテルに戻るのもいいけれど、もう少し、このいい気分を味わってもいたい。
そんなことを考えながら歩いていると、前面がガラス張りのカフェのようなお店の前で店員に声を掛けられた。
若い人が行くようなお店で、凡には似合わないとは思ったのですが、カウンターもあるし、ちょっとドラマの主人公にもなったみたい気もしたので入ってみることにした。

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イタリアン居酒屋「エスグロッソ東京」
カウンターに座る。
店内は、若いグループや、カップルで賑わっている。
24時間営業と言うのも旅行者には嬉しい。
お兄さんお勧めのワインをグラスで注文。
そして、ガーリックとアンチョビのピザのガーリック抜きを頼んだ。

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凡は、ピザに乗ってるアンチョビが大好きなんです。
あの旨味のある塩味が堪らない。
凡の後に、外国人のカップルが入ってきて、コロナビールを瓶のままラッパ飲みした。
やっぱりカッコイイなあ。
それに比べ凡はどうだ、1人でゆらゆらと優しく揺れるローソクを見つめている。
「わあ、ローソクの光って、こんなに綺麗だったんだ。ロマンチック。」
「そうだね、ぼくたちの愛をひっそりと、そして優しく包んでくれるような光だね。」
「ねえ、凡ちゃんの肩借りていい?怜子ね、今日は甘えたいの。」
「いつまでも、ずっとこうしていたいね。」
、、、、独り芝居は、空しい。
それに、どうも凡には演技の才能がないようである。
運ばれたピザは、美味しかった。
その後には、ギネスを注文。

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ここが、東京の渋谷であることが、凡にとっては非日常なのでありまして、何もしていないのに、ただそこに座っているだけなのに、何かを創造している気分にだった。
この勘違いが、ずっと続いて欲しかった。
このお店を出てから、ホテルに戻る前に行かなきゃいけない場所がある。
コンビニ。
買わなきゃいけないものがあるのです。
カップラーメン。
もう、お腹がいっぱいなのだけれど、これはホテルで食べなきゃいけません。
みゆきさんは、インスタントラーメンが大好きだそうです。
そして、ホテルでも、インスタントラーメンを食べたという噂を聞くのであります。
なので、折角の渋谷東武ホテルなのでありますから、ここでカップラーメンを食べなきゃいけないという訳なのであります。
凡は、ホテルに泊まっても、そこに置いてある湯沸しポットでお湯を沸かしてお茶を飲むことは、あまりしない。
どうも、ちゃんと洗ってあるのか気になるからである。
ホテルの清掃の担当の方も、ちゃんと掃除をしてくれていると思うのでありますが、でもね、部屋を1つ掃除するのって大変だよ。
ベッドメイキングもしなきゃいけないし、バス、トイレの掃除もしなきゃいけないし、床も掃除機を掛けなきゃいけないし、机なども拭かなきゃいけない。
いくらプロだから早いってったって、ホテル全部の部屋を掃除しなきゃいけないから時間的に限界があるだろう。
だから、パッと見て、ここは使ってないようだから、このままでいいだろうなんて箇所が部屋の中にはある筈だ。
そんな箇所の候補が湯沸しポットだと想像するのです。
ならば、自分で洗ったらということもあるけれど、洗うにはホテルのユニットの洗面台は蛇口の空間が狭いし、スポンジや洗剤もない。
なので、いつもコンビニでお茶や水を買って来て、ホテルの部屋で飲む。
でも、今回はどうしても、ホテルの部屋で、ホテルの部屋で沸かしたお湯で、インスタントラーメンを作って食べなきゃいけない。
だって、みゆきさんが、やっただろうことを、凡もやったみたいのである。
とはいうものの、これは想像でやっただろうというだけの話で、本当にやったかどうかは分らない。
もしも、やってなかったら、全く持って無意味な行動となってしまう。
でも、やらなきゃ。

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そして、
ホテルで食べるカップラーメンの味は、いつも食べるカップラーメンの味だった。
それは、そうだろうね。
さて、今日はこのみゆきさんが泊まったホテルで、そしてみゆきさんの居る東京で、眠ることにしましょう。
「おやすみなさーい、みゆきさーん。」

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(酔っぱらって、ハンバーガーも購入。たぶん、1人だとハンバーガーも食べたんじゃないかな。)

コメント

  1. うかれぶた より:

    そういえば、
    あたしも 同じ時に レバー串を夕食に食べていたわーい(嬉しい顔)
    渋谷のカウンター怜子さん?
    は、タイムトラベルしたあたしの 分身じゃないかしら?ぁははは~
    新宿伊勢丹の パン屋さんだった時、
    1日に、10個限定で造ったアンチョビパン。を思い出しました。
    他の種類は、最低何十個単位でしたが、
    それは、一缶10尾 入り。だったから… と、単に それ以上売れる見込みが なかったからか?の
    かわいそうなパンで あったけれど、
    何故か 愛着の一品でしたぴかぴか(新しい)
    デニッシュ生地で、
    アンチョビをクルンと、
    寝袋状態に包みこんで、
    切れ目を入れ、
    艶だし玉子の黄身を塗り、焼く。
    だけのものでしたが、
    10だけに、一つ欠かすことができず、これだけは、試食をしたことがない一品で、
    生涯、気になってたのであります…
    そのうち、廃盤になってしまった 悲しき鰮。
    だったら、自分で 作れって話だょね♪
    うん、作れそうだひよこ~。

  2. 凡蔵。 より:

    ありがとう、うかれぶたさん。
    あれれー。
    うかれぶたさんの、分身が渋谷に出没でありますか。
    それだったら、絶対に声かけてましたよ。
    でも、レバー串って、ちょっとオッサン入ってますね。
    ぼくは、レバーは食べられない。
    あの匂いがねえ。
    どうにも、受け付けないのです。
    そんでもって、アンチョビパンは、おいしそうですよ。
    アンチョビは、パンには抜群の相性ですよね。
    でも、みんな食べないのかな。
    人気ないみたいですね。
    近くのパン屋にあったら、買ってるな。

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