平 凡蔵。の 創作劇場

恋愛ストーリーや、コメディタッチのストーリー、色んなストーリーがあります。
どれも、すぐに読めちゃう短編なので、読んで頂けたら、うれしいです。

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散散歩歩。(265)アイラブユー・ほたえてくれ!みゆきさーん。(34)

JRの広島駅に着いたら、さてどうしようか。
広島文化会館に向かった。
さあ、もうそろそろ帰ることを考えてもいい時間なのですが、でも、今この広島にみゆきさんがいるんです。
そして、今日もコンサートをするんです。
「帰りたくないよー。」
(ジタバタ、ジタバタ。凡は子供かっ。)
無いとは思いつつも、当日券なるものがあるんじゃないかと思って、会場まで向かった。
カーテンコールまでは見ることが出来ないにしても、80パーセントぐらいは見る時間がある。
それから、タクシーを飛ばして最終の新幹線で大阪に帰ればいい。
兎に角は、少しの時間でもみゆきさんに会う事が可能なんです。
そして、その1回の80パーセントは、素晴らしい時間であることは間違いがない。
そう思いついたら、いてもたってもいられなくなったんです。
「帰りたくないよー。」
(ジタバタ、ジタバタ。凡は子供かっ。)
会場に着くと、「Thanks Soled out」と張り出されていた。
何がサンクスだ。

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諦めきれずに、繁華街にあるチケット屋さんに行ってみることにした。
途中に、旧日銀の広島支店が、無料開放されているので、覗いてみる。
レトロな外観から想像できるレトロな内部。

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この時代の建物って美しいですよね。
建物という無機質な機能優先のものにさえ、美しさを表現している。
それに日銀の内部なんて、そうそう見れるものじゃない。
誰もいない建物の中をブラブラと散策した。

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特に、金庫室の分厚くて仕掛けのしてある扉は、すごかったなあ。
その前にいる自分はすっかり怪盗ルパン気取りで、どうやってこの金庫を開けて中のお宝を頂戴するかなんてね。
ドアの鍵の仕組みが見えるようになっているんだけれど、その金庫を開ける方法はまったく思いつかなかった。
これじゃ、1円も盗めないな。
ここは面白かったです。
とはいうものの、こんなところでのんびりとはしていられない。
何をやってるんだ、凡は。
広島へは、みゆきさんに会いに来たんだ。
広島観光に来た訳じゃない。
みゆきさんのチケットを探さなきゃ。
急いでチケット屋に行くと、想像通りチケットは無かった。
最近は、ネットでやり取りする方が確実だから、みんな余ったチケットはネットで売買するのだろう。
昔のようにチケット屋に預けて売ってもらうなんてことは、ほとんどしないだろう。
繁華街をウロウロ探したが、チケット屋は1軒しか見つけることが出来なかった。

返りたくないよー。」
(ジタバタ、ジタバタ。凡は子供かっ。)
失意のうちに、また会場へ向かう。
どうでもいいんだけれど、昨日買いそびれたご当地ブックマーカーを買うためである。
そんなにブックマーカーは要らないのだけれど、これも会場にいく自分なりの言い訳なのかもしれない。

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会場に着くと、昨日のようにお客さんが既に待っていた。
立っているスタッフに、訊いてみる。
「当日券は、ありませんか。」
本当は、絶対に余っている席がある筈だと思ったのですが、無理だった。
それでも諦めきれず、会場の周りをグルグル回ってダフ屋を探したが、みゆきさんのコンサートにダフ屋はいなかった。最近は、ダフ屋も儲からないのだろうね。
かくなる上は、紙に「チケット欲しい」ってかいて、道に立っていようかなと思ったが、見送った。
弱っちい根性なしである。
今、みゆきさんが、この凡のいるほんの100メーターもない場所に存在している。
その点から、凡は今諦めと言う理由で持って、グルッと回れ右をして、凡の住む門真市へ向かってベクトルを引いた。
みゆきさんの点から、遠ざかる矢印。
どうして、どうして点に向かって矢印を引かないんだよう。
凡のバカ野郎!
弱っちい細い矢印でもいい、点線の矢印でもいい、真っ直ぐじゃなくてもいい、点に向かって矢印を引け!
正面から無理なら、裏の手を考えろ。
そう凡のこころを鼓舞したんだけれど、足は広島駅へ向かっていた。
どうしようもない弱さ。
もう、これは駄目だなと観念して、会場近くのお菓子屋さん「バッケン モーッアルト」で、ミニボンへのお菓子を買って、広島駅へ空しく帰ることにした。

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空しいのであるけれども、広島までみゆきさんのコンサートに行っていいよって言ってくれたミニボンへは、本当に感謝であります。
さあ、あとは新幹線に乗って帰るだけであります。
ありがとう、広島。
ありがとう、みゆきさん。
そして、本当にありがとうね、ミニボン。

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