平 凡蔵。の 創作劇場

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そうだ、ソウルへ行こう!(221)迎え酒とウンダーベルグ。

迎え酒。
伝統的な二日酔い対策であるけれども、凡はまだ1度も試したことが無い。
何故なら、朝から仕事に行くのに飲んでいいものかという、ちっぽけな倫理観と、果たして吐き気がする時に飲めるのだろうかという疑問があるからで、実際ウイスキーを飲んで起こった二日酔いの日に、ウイスキーの香りを嗅ぐだけで、また吐き気が増すということを何度も体験している。
しかしながら、この迎え酒を、最終手段として凡の中で取ってありまして、冷蔵庫の隅っこにカルピス味の酎ハイの缶を大事に置いてあるのでございます。
そして、二日酔いの時に飲めるのかという疑問を解決する為のカルピス味なのであります。
迎え酒に関しては、山口瞳さんが「男性自身」の中で、「宿酔をなおすには迎え酒を飲む以外に方法がない。絶対にない。」と書かれていて、二日酔いでいやいや仕事をするよりも、いい気持ちでやったほうが良いのではと仰ってられるので、凡のちっぽけな倫理観も、その理屈でもって解決しようと思うのであります。
さて、それにしても、この迎え酒と言う二日酔い対策なのでありますが、その科学的根拠について、いろいろネットなどで調べてみるのだけれど、大概は、それはアルコールで神経が1時的にマヒするために、二日酔いが治ったと勘違いするだけで、治った訳じゃなく、体に負担が掛かるので止めた方がいいと書かれています。
しかし、凡は、ここに科学的根拠を昔々歯科医の友人から聞いて、それを硬く信じているのです。
二日酔いと言うのは、飲んだアルコールが分解される途中に、アセトアルデヒドという成分に変わる。
そのアセトアルデヒドが、人体に有害で二日酔いの症状を引き起こしているそうです。
「いやーんバカ、アセトアルデヒドのバカ。」
しかしながら、迎え酒をすると、その中のアルコールによって、アセトアルデヒドが、再びアルコールに変換されるそうです。
つまり、アセトアルデヒドが変換され、血中から消えてなくなり、それがアルコールになる。
つまりつまり、凡を苦しめているものが、凡をほんわかさせる物質に変わるのです。
神様は、こんな画期的な方法を、予めご用意してくださっていたのだ。
しかし、この科学的根拠を明確に説明した文章を読んだことが無い。
誰か、偉いお医者さんがいたら、教えてほしいものである。
さあ、こうなったら、いよいよカルピス味の酎ハイを飲むときがやってきたのかと思ったら、あるものを思いついた。
「ウンダーベルグ。」
ドイツのリキュールで、小さな小瓶に入っていて、とっても可愛い外観をしています。

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しかし、中の液体は、胃薬なのというぐらい苦くて飲みにくいものです。
とはいうものの、この苦味と香りが、なんとも胃腸に効きそうです。
ドイツでは、1日に100万本が消費されているそうです。
昔のバーなどには、置いてあることもあり、飲みすぎたなというときの最後の1本は、ウンダーベルグが、お守りです。
ドイツの人は、ビールをたくさん飲みますよね。
いくらお酒に強くても、飲みすぎたら「オエー。」となるに違いありません。
となると、ウンダーベルグ。
本場ドイツの人が飲んでるんだから効くのは当たり前という理屈であります。
可愛い小瓶をグラスに注いで、胃にやさしいように水で割って飲み干した。
「うん、やっぱりこれが一番効くかもしれない。」
横になっていると、顔がホワンと温かくなるのを感じる。
今、凡の血液中のアセトアルデヒドが、アルコールに変換されているのだ。
ありがとう、神様。
とは言ってみたものの、何という名前の神様だろう。
漠然とした神様にお礼を言った。
これで、すっかりよくなるんだよねと思いながら、寝ていたが、やっぱりスッキリとは吐き気が治らない。
ということは、もう1種類試してみなきゃいけないだろう。
ソウルで買った二日酔いの薬の箱の中から、前回行ったときに飲んで効いた薬を取り出した。

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