平 凡蔵。の 創作劇場

恋愛ストーリーや、コメディタッチのストーリー、色んなストーリーがあります。
どれも、すぐに読めちゃう短編なので、読んで頂けたら、うれしいです。

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そうだ、ソウルへ行こう!(216)インチョン国際空港でヘロヘロになる。

仁川国際空港について、いよいよソウルともお別れであります。
でも、1つ気になっていたものがある。
二日酔いの薬は沢山買ったけれど、ミニボンが日本で調べていて、買おうかなと思っていたもの。
「牛黄清心元」
テレビドラマにも登場する有名な薬だそうです。
南大門の薬屋で尋ねた時は、60000ウォンということで、調べていた値段より高かったので買うのを止めた薬です。
ミニボンは、化粧品でお金を使ったので、もう要らないと言っていたのですが、そんなに有名な薬なら凡が欲しい。
空港の薬局に寄ってみることにしよう。
薬局でオジサンに「牛黄清心元」という文字を見せると、何やら金色に輝く箱を取り出してきた。
1箱に小さな箱が10箱入っている。
この小さな箱の中には、直径1センチぐらいだろうか、丸くて金色に輝く漢方薬が1個入っているのです。
値段を聞くと、小さな箱が10個入ったものは、200000ウォンだという。
「えっ、20万ウォン。」
凡とミニボンは絶句した。
南大門市場の薬屋で、60000ウォンで諦めた薬が、200000ウォンだなんて。
日本円で、14000円ぐらいだろうか。
これはちょっと高すぎる。
すると、そんなことを考えている凡の前に、オジサンがドーンと10箱置いて、
「10箱買ってください。」という。
いきなり200000ウォンのものを10箱積み上げて買ってくださいとは、よくそんなセリフが出てくるものであります。
10箱といったら、2000000ウォンであります。
日本円で14万円。
そんな大金を、「せっかくソウルへ来たんだから、買っちゃおうかな。」なんて言う人がいるだろうか。
というか、いるからこそこのオジサンは、こんなにも強気で言えるのかもしれない。
あるいは、ネットなどで転売を目的として買う人がいるのかもしれない。
凡とミニボンは、腰が引けて、頭の中が真っ白になって、その場に立っていた。
すると、オジサンは、その牛黄清心元の1つを開けて、金色に輝く丸い薬を、手で2つに割って、凡とミニボンに渡した。
またしても、やられた。
とはいうものの、買わないにしても、どんな味なのか確かめてみたい。
半分に割られた金色の薬を口に放り込んだ。
それをよく噛んで飲むのだそうです。
味は、仁丹を高級にしたような感じだ。
高級とはどんな味なのか知らないが、金色に輝いている薬なのだから、高級だと思ったのかもしれない。
仁丹は、銀色だもんね。
するとオジサンは更に、奥の冷蔵庫からドリンク剤を出して来て、パカンと蓋を開けて凡とミニボンに渡した。
薬の味が濃いから、これを飲めという意味だろう。
どんどんと底なし沼に沈んでいくのを感じながら、説明を聞いていた。
「だけど、ちょっと高すぎる。50000ウォンぐらいでないの。」と日本から持って来たネットの記事の写真を見せる。
すると、オジサンは、
「これは、本物の麝香を使っているね。他のものは、ケミカルや。
あれは効かない。」と、他で売られている薬をバカにしたように言った。
そして、「これはね、起死回生の薬ね。起死回生だから高いね。」と続ける。
オジサンの説明のなかに、この起死回生が何度も何度も出てくるのであります。
そういえば、最近、体力的にも精神的にも、疲れている。
無意味な夢を持ちながら、それでも唇を噛みしめて生活している日々。
「ほとんど自分が死んでいる。」
そんな考えが、起死回生という言葉に救いを求めた。
よし、じゃ1箱だけ買おう。
そう思った瞬間、オジサンが「10個買ってください。10個買ったら1個サービスするね。」と言った。
1個サービスしてもらっても、結局は14万円払わなくちゃいけないのだから、その選択はないのであります。
その後、起死回生という言葉を何回も聞きながら、結局3箱買うことなった。
200000ウォン×3箱で、600000ウォン。(42000円ぐらいだろうか。)

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頭の中が真っ白になって、何も考えることが出来ない。
貧血で足に力が入らず、倒れそうになった。
さっき、オジサンに金色の玉の半分を貰わなかったら、倒れていただろう。
お金ももっていないので、クレジットで購入。
しきりに、現金はないのか、日本円は持っていないのかと聞くのだけれど、それは持っていなかった。
クレジット決済を渋ると言うのは、やっぱりそれ相当の値段の薬だったのだろうか。
薬屋を出ると、自分が精神的にヘロヘロになっているのが分かった。
オジサンの、心理学テクニックの「フット・イン・ザ・ドア・テクニック」という基本的な技に引っ掛かってしまったようであります。
最後の最後に、大変な出費をしてしまって、うな垂れながら出国手続きに向かった。

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(薬屋の前で、記念撮影した。薬を持ってうなだれる)

コメント

  1. たびすけ より:

    うわ~、買っちゃったんですか???
    自分が済州島で買った、漢撃馬の骨を使った怪しいサプリと良い勝負ですよ・・・
    同じく自分も見事な話術で買う羽目になりました・・・
    しかし金の玉は意外とデカいんですね
    1玉W20000と言う事ですか???
    効き目はどうですか???
    もしかして、オットピン以上の???

  2. 散散歩歩。(624)釜山・フェリー&ピーチ旅。(3)

    釜山でのホテルは、西面(ソミョン)にあるエンジェルホテルだ。
    西面の中心に近いところにあるので、とにかく便利だし、繁華街だし、凡にとっては場所的には満点である。

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