平 凡蔵。の 創作劇場

恋愛ストーリーや、コメディタッチのストーリー、色んなストーリーがあります。
どれも、すぐに読めちゃう短編なので、読んで頂けたら、うれしいです。

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散散歩歩。(150)志摩スペイン村の幸せのお菓子。

地中海からの風が熱いアンダルシアの夜の酒場。
赤いドレスを纏った黒髪のジプシーがリズムに身を任せてステップを踏む。
うっすらとにじむ汗が、凡の嗅覚をエキゾチックに刺激する。
腹に響くような張りのある声と、叩き下ろすようなギターの音が、凡の魂を揺さぶり、シェリー酒の杯を重ねるたびに陶酔へと誘う。
凡は両手を拳にして彼女に突き出した。
彼女の踊りを見ていると、凡の体も自然に解放されるのだ。
曲が終わると、彼女は凡に走りより熱く抱きしめた。
そして凡の耳元で甘えるようにささやいた。
「あの、両手を突き出したのは、どういう意味?」
「それは、凡にも解らない。ただ、君の情熱がそうさせたんだ。」
黒髪のジプシーは、拍子抜けしたように大声で笑った。
スペインでは熱い出会いが似合う。
そんなジプシーに逢える期待を胸に、志摩スペイン村に向かう。
スペイン村には、ホテルから無料の送迎バスが走る。
ただ、このバスも本数が非常に少ないので、チェックインと同時に時間を調べておくことをお勧めします。
ここスペイン村も、まわりゃんせで無料のパスポートに引換ができる。
園内に入ると、綺麗なジプシーのお姉さんとの出会いの期待を裏切るかのように、可愛いキャラクターの明るい雰囲気で、遊園地気分を盛り上げてくれる。
とはいうものの、少しお客様が少ない印象だ。

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(遊園地のうきうきとした感じのするエントランスだけど、お客様が少ないような。)

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(スペイン風の噴水。でも、水を噴出している男性が苦しそう。二日酔い?)
パスポートなので、どこの施設も無料ということなので、地図を持って歩き出した。
冒険大迷路や、アルタミラ洞窟の壁画を再現したハピエル城や、船型の乗り物に乗って楽しむアトラクションなどを見て回る。
中でも「ダルのファンタジーワールド360」という施設の360度の3D映像は、今まで見たことが無いもので、これはお勧めです。
アトラクションの中には、ピレネーという吊り下げ型のジェットコースターもあり、見ているだけで足が震える。
これは、乗るのは止めておこう。
グランモンセラーというジェットコースターもあるが、これもミニボンが興奮して脳内出血が再発したら大変だ。
ということで、恐る恐る急流すべりに乗った。
園内を1周したところで、中年凡とミニボンはアトラクションは終了して、スペイン村の横にある「ホテル志摩スペイン村」の施設「ひまわりの湯」に行くことにした。
ここも、まわりゃんせで無料で入ることができる。
受付をすると、真っ白なバスタオルと小さなタオルを貸してくれる。
ここも脱衣所はロッカー形式なので、立ち寄り湯も安心だ。

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(ひまわりの湯の受付。)
ひまわりの湯は、内風呂と露天風呂があり、露天風呂は、アクアヴィラよりも広く、海を見ながらの昼間の温泉は、想像以上に気持ちが良かった。
ひまわりの湯から、スペイン村のバス乗り場までは歩くには少し距離があるのですが、無料の送迎バスが走っている。
これも、スペイン村から温泉に行くところにある出口で、再入場のスタンプを手の甲に押してもらう時にバスの時間をチェックしておくといいだろう。
スペイン村の入り口のバス停に戻ったら、まだ次のバスまでには時間がある。
するとミニボンが堪らず言った。
「もう1回スペイン村に入って、幸せのお菓子買っていい?どうしても気になるねん。」
それは「ボルボロン」というスペインのお菓子で、口に入れるとホロホロと崩れるアーモンドの香りの濃厚なクッキーのようなものです。
口に入れて、こぼれない様に「ボルボロン、ボルボロン、ボルボロン。」と3回唱えることができたら幸せになれるそうです。
凡はこんなストーリーにどうも乗れない。
節分の巻き寿司の丸かぶりもそうだ。
誰かが巻き寿司を売らんがために考えたキャンペーンにすぎないのでありまして、それをしても運が良くなるなんてことは、そのストーリーの起源から考えても絶対にないのであります。
このボルボロンだって、誰かが何らかの理由の為に考えたに違いありません。
お菓子の粉をこぼしたら掃除が大変だからとか、そういう理由なのではと思う。
そんなことをしている自分を想像しただけで恥ずかしくて顔が赤くなる。
と思うのだけれど。
旅行から帰って、一息ついた時にミニボンが「ボルボロン、、、。」と隣で言っているのを聞いた。
やっぱり、やりたかったのか。
とはいうものの、楽しそうに「ボルボロン。」と言っている姿を見ると、悲しくもあり、愛おしくもあり、羨ましくもあった。
さて、そのボルボロンは、食感も面白く、アーモンドの香りとバターの甘味で、これ自体すごく美味しかったです。

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ボルボロンを買って満足したら、丁度バスの時間が来た。
これまた、まわりゃんせでバスは無料だ。
ここでも、まわりゃんせバンザイ。

コメント

  1. とっちゃん より:

    地中海からの風が熱いアンダルシア
    いつかは本当に言ってみたいですよね!
    スペインかぁ~
    本場のパエリア食べたいなぁ~
    入場者は少なかったですか?
    やはり地方のテーマランドは厳しいのでしょうかね???

  2. 凡蔵。 より:

    ありがとう、とっちゃん。
    ここも、ダンスの劇場があったり、スペインの料理なんかも楽しめるようですが、あまり入ってなかったようです。
    やっぱりディズニーとか、かなりメジャーなところしか、お客様は行かないのかもしれないですね。
    リピーターも少なさそうですし。
    でも、頑張って生き残ってほしいですよね。

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