平 凡蔵。の 創作劇場

恋愛ストーリーや、コメディタッチのストーリー、色んなストーリーがあります。
どれも、すぐに読めちゃう短編なので、読んで頂けたら、うれしいです。

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散散歩歩。(94)困ったときの京都。レモンチャーハン。

テレビの番組を見て、紹介されているお店に出かけるというのは、少しばかり恥ずかしい。
何かテレビを見て来たという行為が、どうもミーハー的であり、小市民的である。
「この人、あの番組を見て来はったんや。そう言えば、そこそこ年取ってるのに軽そうやもんなあ。」
なんて、お店の人に見られているんじゃないかということが気になって、飲食店だったら、お尻が痒くなってじっと座っていられない。
とはいうものの、ここは関西だ。
お店の人も、お客様に来て欲しくてテレビに出ている訳であるのだし、寧ろ行ってあげる方が喜ばれるというものかもしれない。
凡とミニボンの休みが一緒になったので、どこかに出かけようということになりました。
すぐに決まった目的は、少し前にテレビの番組で取り上げられていた、京都のラーメン店の「レモンチャーハン」です。
京都の宮川町にあるお店は、番組では舞妓さんもお気に入りと紹介されていて、レモンを絞ったチャーハンは、夏でも美味しく食べられるさっぱりとした味だそうだ。
舞妓さんも食べにくる。
うん、これだ。
舞妓さんだ。
舞妓さんに会いにレモンチャーハンを食べに行こう。
凡の住んでいる門真市から京阪電車で祇園四条駅に向かった。
四条駅からは、花街の家並みを見ながら歩いて行くと、すぐの距離にある。
ラーメン店「ポパイ」さん。
テーブルが2卓とカウンターの小さなお店だ。
奥のカウンターに座って、注文をする。
お目当てのレモンチャーハン2人前。650円×2
ニラ野菜ラーメン700円
鶏のから揚げ600円
カウンターに座ると、中でご主人と多分奥さんが作る様子がよく見える。
まずは、ラーメンが運ばれた。

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ニラと白菜を炒めて、ラーメンの上に乗せてあるのですが、量もたっぷりあって、スープも優しい旨味があり、中々の美味しさです。
そして、玉子が半分に切って乗っかっているのですが、これが普通のゆで卵です。
大阪で言う「にぬき」です。
最近のラーメン店では半熟玉子が人気ですよね。
半熟卵は確かに美味しいですが、昔のラーメンには固ゆでした玉子が半分乗っけられていた。
その点で郷愁を感じます。
昔から作くられてきたラーメンという感じなのであります。
そして特筆すべきは麺だ。
ストレートの麺は凡好みで柔らかい。
ラーメンの麺もお店によって様々ですよね。
凡は、ぷりぷりの麺は、嫌いではないのですが、好んでは食べない。
というか、また食べに行こうとは思わない。
ぷりぷりの麺は、歯ごたえが良すぎて、スープと麺を同時に口中に入れた時に、スープはすぐに口中で広がり、もう役目を終えて嚥下したくなっているのに、麺だけが口中に残り、それを咀嚼しなきゃいけないという状況になってしまう。
スープと麺の口中に留まっている時間差があるのです。
なので、スープと麺が何やらバラバラになってしまうという不安定感を味わうことになる。
しかも、麺がぷりぷりしているので、いくら咀嚼しても、その個体がはっきり口中で認識できるのが困る。
どこまで噛めばいいんだ。
ラーメンの麺なんて、ちょっと噛んで呑み込めばいいもんだろうけど、ぷりぷりだと、いつも、どの辺まで噛んで呑み込めばいいのだろうかなんて悩みながら食べなきゃいけない。
凡にとっては厄介な麺なのであります。
なので、柔らかい麺は子供のころから食べなれているというのもあるのですが、麺とスープの絡みが調度良いのです。
ポパイさんの麺は、その点絶妙だ。
ニラ野菜ラーメンを味わっていると、お目当てのレモンチャーハンが出来上がった。

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見た目は普通のチャーハンだが、お皿の横に半分に切ったレモンが添えられている。
まずはレモンを絞らずにチャーハンを口に入れる。
やや弱い酸味を感じる。
味付けにもレモンを使っているのかもしれないな。
そして、レモンを全部絞って、食べると、さっぱりとした酸味とレモンの爽やかな風味が、想像したよりもチャーハンにマッチしていて美味しい。
特に夏の熱い時期には食欲のそそられる一品だ。
ここでお店の御主人に、チャーハンの味付けにもレモンを使っているのかを聞いてみた。
優しい雰囲気のご主人は、突然来た凡にも丁寧に教えてくださる。
今までは、チャーハンは普通の味付けで、レモンを絞るだけだったそうです。
でも、今年から調理法を変えて、味付けにもレモンの絞り汁を加えているそうです。
レモンチャーハンについても、20年ぐらい前からメニューに載せられていたそうですが、始めた当時は皆から、チャーハンにレモンなんてと言われていたそうですが、少しずつ広まっていったそうです。
そして、テレビ番組を見て来たことを伝えると、ご主人も奥さんも喜んでくださった。
やっぱり、恥ずかしくてもミーハーでも、行きたいと思ったら行けばいいんですね。
そして、最後の出た来た鳥の唐揚げは、小ぶりに仕上げられていていました。
舞妓さんも食べやすいように小ぶりにしているんでしょうね。

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お腹も心も幸せいっぱいになってお勘定をしようとすると、凡は全部単品で注文したのですが、セット価格にしてくださって、2人で2100円でした。
外に出ようとすると、急に雨が激しく降り出しました。
奥さんが傘を1本貸してくださるとおっしゃったのですが、折り畳みの傘を持っていたので、お礼だけいってお店を出た。
このポパイさんでは、ラーメンの麺を褒めたのでありますが、本当に特筆すべきは、お二人の優しい雰囲気だったのであります。
それにしても、舞妓さんは来なかったな。
「舞妓さんやーい。」

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コメント

  1. koji より:

    ラーメンもチャーハンもうまそう♪
    なによりも、ご主人のお人柄がいいというのは嬉しいですね。
    昔からのラーメン屋は、ぶっきらぼうの人が多いイメージがあるものでね。

  2. 凡蔵。 より:

    ありがとう、kojiさん。
    ご主人も奥さんも二人とも親切で、仲が良さそうで、それだけでリラックスして食べることができました。
    たまに、お店の店長なのか偉い人が店員を怒りながらやっているお店がありますが、そっちが気になって楽しく食べていられないですよね。
    やっぱり、優しい雰囲気のお店がいいですよね。

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