平 凡蔵。の 創作劇場

恋愛ストーリーや、コメディタッチのストーリー、色んなストーリーがあります。
どれも、すぐに読めちゃう短編なので、読んで頂けたら、うれしいです。

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散散歩歩。(85)贅沢な旅行。鹿児島サンロイヤルホテルのバイキング。

夕食は、1階の「トリアン」というカジュアルな雰囲気のレストランでのバイキングです。
予約は5時だと思っていたが、実際は5時30分だった。このあたり、私もアバウト過ぎますですね。
5時30分開場で5時30分に予約を入れているのですが、5時30分きっかりに行くのも少し恥ずかしい。
「この人ら、よっぽどお腹すいているんかな。ほら見てみ。もう体が前のめりやで。うわ、こら思いっきり食べよるで。」なんて思われるのではないかと、店員さんの表情を窺ってしまう。
とはいうものの、5時40分では遅いだろう。
何しろ予約は5時30分なんだから。
それでは遅刻したことになる。
」なので、5時35分に行くことにしよう。
5分の余裕を見せながら、わざとゆっくりとした足取りでレストランの受付に歩いて行く。
見ると、もう既にお客様も入っていて、バイキングを愉しんでいる。
「しもた。もうみんな食べてるやん。まっさらの料理が食べられちゃう。」と思ったが、勿論そんな表情は表にはださない。
レストランは、ガラス張りになっていて、外はまだ明るい。
お風呂に入って、早い時間に夕食を食べるのは、休日ならではの贅沢だ。
凡のみお酒の飲み放題をプラスして、お待ちかねのバイキングのスタートであります。
(飲み放題1500円。バイキング制限時間90分)

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バイキングの料理の内容は、特に高級食材を使ったものではないですが、十分に満足できる内容です。
種類も多くて、シチューやその他の料理も肉などの具がしっかり入っているので、丁寧に作られているのが感じられます。
さつま揚げや、さつまいもなどの郷土料理もありました。
このレストランのガラスの向こう側はビヤガーデンになっていて、時間が早いせいか、まだ人数は少なかったです。
ビールの機械は、このビヤガーデン側に置いてあってセルフサービスで、アサヒ、キリン、サッポロの3種類から好きなものを選べます。
バイキングを愉しんでいると、凡のテーブルの近くに、若いカップルが来ました。
男の子は、茶髪のサーファーっぽい服装で、とはいうもののサーフィンはしないだろうなという感じでダルそうに座った。
女の子は、これまた茶髪でサンダルを引きずりながら、体に力が入っていないのか、ぐにゃりとして椅子に座る。
デートなのだろうか、羨ましい。
とはいうものの、凡とは話が合わないだろうなという彼らです。
彼らもまた料理を取りに席を立ったのですが、戻って来た時に、「そんなんで、ええの?」って声を出しそうになりました。
彼の手には、お皿に大盛りにされたカレーライスがありました。
バイキングの1皿目がカレーライス。しかも、大盛り。
その後、また彼が取ってきたのは、スパゲッティの大盛り。
お酒を飲まないようなので、これでいいのかもしれませんが、せっかくのバイキングなんだから、もっと高そうな料理を取ってきてはどうだろう。
とはいうものの、世間のルールや体裁からズレていると思われる雰囲気のある彼らですが、そんな彼らを見ていると、「ひょっとして、凡って意地汚いのだろうか。」という気持ちになる。
バイキングに来て、高そうな料理を選んで、お腹いっぱいになるまで食べようと必死になっている凡と、自分の好きなカレーライスを素直に取ってきて食べている彼を比べると、どうも凡の方が意地汚くて、欲深くて、煩悩まるだしであるに違いないのです。
家の近所の焼肉の食べ放題に行くことがあるのですが、始めに白ご飯の大盛りを頼む若者が結構いるんです。
そんな時は、いつも今回のような考えが頭の中に浮かんでくるのです。
「凡は意地汚くて、欲深くて、煩悩丸出し。」
凡は何十年も続く飲酒生活の中で、3か月連続して禁酒をしていた時期があります。
そんな時に、焼肉を白ご飯で食べる美味しさを発見しました。
刺身を白ご飯で食べるのも美味しい。
とはいうものの、そういう発見は、今でも真実だとは感じているのですが、バイキングとなるとビールに合う料理を食べてから、最後にご飯となるのであります。
そんな気持ちを抱えながら、焼酎を取りに行った。
さすが鹿児島です。
焼酎は、陶器のサーバーに入っていて、5種類ぐらいあり、これもまた自分で好きなだけ入れることができます。
どれにしようかなと思って、サーバーの前に立っていると、ビヤガーデンにいた中年のオッチャンが焼酎を入れに来ました。
凡は、オッチャンに「どれが美味しいですか。」と聞くと、「ワシも、この端っこから順番に飲んでるんや。」といって、一番最後サーバーの焼酎をグラスに注ごうとするのですが、かなり酔いが回っているのか、グラスから焼酎がチョロチョロと漏れています。
「それじゃ。」と言って戻って行くオッチャンは、酔っ払って体を斜めに傾けながら、斜めに歩いて帰っていきました。
その酔っ払いぶりが少し嬉しかったです。
そして、オッチャンの後ろ姿に、凡を見ました。
そうだ、バイキングなんだから、思いっきり食べて、思いっきり飲んで、それでいいんだ。
それこそ、愚人であり凡人である凡なんだ。
テーブルに戻って、焼酎を飲んで、料理も大いに追加しよう。
鹿児島の夜に「乾杯。」

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バイキング会場(これはホームページから引用)

コメント

  1. koji より:

    バイキングは自分の好きなものを好きなだけ食べれば、全種類食べてもカレーライス大盛りでもok!
    楽しければok!
    全部正解ですよね。
    ちなみにボクは自分が特に好きなものを選んで食べてみて、その中でも一番のお気に入りをお代わりするヤツです(笑)

  2. 凡蔵。 より:

    ありがとう、kojiさん。
    楽しく、美味しく頂けたら、それが一番いいですよね。
    とはいうものの、どうしてもバイキングに行ったら、元を取りたいと思ってしまうのでありまして、、、。
    でも、それがまた楽しので、それでいいのでしょうか。
    それにしても、バイキングって夢のようなシステムですよね。

  3. とっちゃん より:

    凡蔵さん、バイキングは好きな物を好きなだけ食べればOKです!
    その人のペースで食べれば良いのであって、高いのばかり食べて意地汚いとかそんな事は考えてはいけません
    さしづめ自分はローストビーフやステーキ、お刺身、カニは時間が掛かるので少しにしてなんて時間配分&食べる配分を考えながら最後はお寿司で〆るか、あるいは蕎麦で〆るべきかなどなど、アレコレ楽しんでいますよ~
    バイキングは奥が深くて楽しいですよね!

  4. 凡蔵。 より:

    ありがとう、とっちゃん。
    バイキングは、色んなものを、お腹いっぱい食べることがでいるのも楽しいのですが、
    どれを食べようかなとか、いろいろ考えたりしながら、料理の周りを歩くのが楽しいんですよね。

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