平 凡蔵。の 創作劇場

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散散歩歩。(79)贅沢な旅行。九州新幹線でウイスキー。

「静岡名物ぅー、安倍川餅は如何ですかぁー。」
凡は学生時代の一夏、新幹線の車内販売のアルバイトをしていた。
色々な商品を山積みにしたワゴンを新幹線の狭い通路を曳きながら、飲み物や弁当、お土産などを売るのです。
当時は食堂車もあって、今よりもっと新幹線を愉しむことが出来る時代でしたね。
懐かしいなあ。
今回の「さくら」でも、何か車内販売で買うことにしよう。
朝食の松坂牛のサンドイッチも食べ終わったころ、車内販売のお姉さんが凡の車両に回ってきた。
20代前半と思われる綺麗な女性で、制服も決まって、髪の毛をひっつめてお団子にしている。
サラサラロングヘアーもいいけれど、お団子も綺麗だなあ。
凡が車内販売をしていたころよりも、静かな声で上品に声を掛けて回っている。
お姉さんを呼び止めてワゴンを覗く。
もうお腹が一杯なので、何にしようかなと探すと、ウイスキーのミニチュア瓶が見えた。
これだ。
贅沢な旅行には、ウイスキーが似合う。
何か大人の旅って雰囲気だ。
昔、テレビで、サントリーの角瓶と文庫本を持って旅に出ようという内容のコピーのコマーシャルがあった。
半分は、電車の中で、半分は宿で。
そこには在来線の直角の座席に座って、文庫本を読みながら角瓶を飲む男性がいて、カッコいいなあって思っていました。
凡も旅行に行くときに、文庫本などを鞄に入れて行くことがあるのですが、実際には車窓の風景を見たりするのが好きなので、読むことはほとんどありません。
今回は、そんな大人の香りのするウイスキーを新幹線の車内で愉しもう。
注文をすると、氷とチェイサーを一緒に呉れる。
水割りにして、新大阪駅で買ったタコ焼き味の柿の種で頂いた。

画像

ウイスキー「山崎」の水割りセット。980円。
一口含んで、静かに喉に流し込むと、ウイスキー独特の芳香が鼻孔に流れる。
朝の早い時間には似合わないその香りを、新幹線さくらのゆったりとした座席で、柔らかい揺れとともに味わっていると、今日が休日であることが実感されてきた。
これから11時27分まで、九州新幹線に乗るという目的を、ゆっくりと噛みしめて時間を過ごすことにしよう。
そんな新幹線を満喫している凡でありますが、ミニボンにとっては、それほど興味がないようでありまして。
「子供の頃は、4時間半も電車に乗っていたら、退屈で仕方がなかったけど、今は『寝とこ。』と思うから大人になったなあと思う。」
なんてことをミニボンが言った。
それほど電車に乗るという行為に重きを置いていないのであります。
別に凡と同じテンションで愉しもうとまでは言わないが、「寝とこ。」と思う必要もないのではないだろうか。
電車に乗っても、いろいろ楽しみはあるのでありまして、車窓の風景でも楽しんでみてはどうだろうと思うのでありますが、ミニボンのことでありますから、ミニボンの好きなようにするほかはないのであるという理屈ではあります。
車内販売の綺麗なお姉さんに鼻の下を伸ばしながら注文をするのも、寝るのも、それぞれの新幹線の楽しみ方でありまして、それぞれに楽しみながら「さくら」は、走り続けるのでありました。

コメント

  1. とっちゃん より:

    え~、凡蔵さん新幹線の車内でアルバイトしていたんですか
    それは実に貴重な体験じゃないですか!
    ある意味羨ましいですね~
    山崎の水割りなんて、これまた贅沢ですね
    それにしても食堂車復活してくれませんかね?

  2. 凡蔵。 より:

    ありがとう、とっちゃん。
    今だったら新幹線のバイトを利用して、いろいろ楽しめたと思うのですが、その時は学生だったので、販売だけで必死で余裕がなかったですね。
    それでも、楽しかったです。
    食堂車は、復活してほしいですよね。
    最近は、本当に旅を楽しむということが軽視されてきているように思います。

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