平 凡蔵。の 創作劇場

恋愛ストーリーや、コメディタッチのストーリー、色んなストーリーがあります。
どれも、すぐに読めちゃう短編なので、読んで頂けたら、うれしいです。

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散散歩歩。(70)どこへ行けばいいのでしょう。

休みの日に予定がないということは、果たして幸せなことかもしれない。
久しぶりにミニボンとお休みが一緒の日になったので、さてどうしようということなのであります。
とはいうものの、これをしたいということがない。
勿論、凡は凡でやりたいことがある。
ミニボンにもあるだろう。
でも、折角の休みなんだから、2人で何かしようとなると、思いつかないのであります。
こんな時は、いつもなら「困ったときの京都」ということで、取りあえず京阪電車に乗り込むことが多い。
でも、今日は違ったところに行きたい気分だ。
「京都に行く?」
「映画に行く?」
「堺に桃大福買いに行く?」
凡とミニボンの、牽制の質問が飛び交う。
したいことをするときは、いつもこんな感じで、中々決まらない。
「神戸に豚まん食べに行く?」
ミニボンが言った。
「うん、いいよ。神戸行きたいの?」
と言うと。
「いや、行きたくない。」
「でも、今、神戸行くって聞いたやん。」
「とんちゃんが行きたいかなって思ったから言っただけ。」
とんちゃんとは、ミニボンが凡を普段呼ぶときの名前だ。
「それやったら、ややこしいこと言わんといて。」
これで、もし神戸に行ったなら、凡もミニボンも、さほど行きたくないところに行ってしまうという結滞なことになってしまう。
勝手に凡の行きたい場所を想像して、その何の根拠もない想像の産物の場所に行く?なんて聞くのは、迷惑な質問である。
そんなことを言われると、本人が行きたいんだって思うじゃないですか。
食事に行くときも、ミニボンはこんなことをよくいうのであります。
「回転寿司食べる・」
「いいよ、寿司食べたいの?」
「いや、食べたくない。とんちゃんが食べたいかなって思って。」
本当にややこしい。
これは、何とかやめてほしい会話なのであります。
とはいうものの、凡の気持ちを察そうというところから発しているのでありますから、仕方がないと諦めるしかないのでしょうか。
さて、困った凡はインターネットで、「私はどこへ行けばいいのでしょうか。」と検索してみる。
病院はどこへ行けば良いか、今信仰している宗教を止めてどこへ行けば良いのか、などなど、どこへ行けばいいのかの悩みを持つ人は多い。
みんなそれぞれ今置かれている状況より、少しでもいいところへ行きたいと願っているんですよね。
そんなことを書いている凡も、どこか分らないけれど、どこか良いところへ行きたいと思っているのであります。
それが、どこか分らないところが、凡であり、愚であるのでありますが、分からないのですから仕方がありません。
ただ、言えることは、着実に死に向かって進んでいるということであります。
日々の生活の不安を考えると、死への日数のカウントダウンを意識してしまいます。
とはいうものの、折角今は取りあえず生きているのでありますから、この生を楽しみ、愛おしみたいと思うのではあります。
検索の中には、中学生の男の子がデートにどこに行けばいいのでしょうか、なんて質問もありました。
「そんなん、どこでもええやん。」
なんて、パソコンに向かって突っ込みを入れてはみたものの、今日の凡は中学生と一緒の心境です。
そんなことをしていると、あるテレビCMを思い出した。
奈良の「長谷寺」が出てくるのですが、雰囲気がよく演出されています。
そうだ、長谷寺へ行こう。
そうと決まれば、すぐに出発だ。
長谷寺に何があるのかは、分からないけれど、目的が出来たことに安心した。
ミニボンに聞いた。
「長谷寺に行く。」
「うん、行く。」

コメント

  1. とっちゃん より:

    凡蔵さん、どこへ行こうか思いつかない時や、何を食べに行こうか思いつかない時は、きっとそれほど出かけたくないのでは(自分自身が)と思い、休養日にするようにしています

  2. 凡蔵。 より:

    ありがとう、とっちゃん。
    そうなんですよね。
    無理に出かけなくていいんですよね。
    でも、何か勿体ないような気がして、どこかへ行きたくなってしまうんです。
    もっと、自分の心の声というか体の声を聴いてみることも必要かな。

  3. とっちゃん より:

    凡蔵さん、どこかへ行かなければもったいないって気持ち、良~く分かりますよ!
    こんなのはどうですか?
    スーパーで、ちょっと良いお刺身なんかを買ってきて、早めの夕飯でミニ凡さんと晩酌など!
    あるいはちょこっと美味しいランチを食べに行き、あとはのんびりとか?

  4. koji より:

    やさしい奥様ですね。
    「あなたが行きたいと思ったから」
    ボクはツマにそんなこと言われたこと、ありませんヨ。

  5. 凡蔵。 より:

    ありがとう、とっちゃん。
    あ、それ良いですね、ランチ。
    ランチだったら、ちょっと豪華にしても、行けそうですね。
    それに、早めに帰宅できるので、ゆっくりできそうです。
    今度、やってみます。

  6. 凡蔵。 より:

    ありがとう、kojiさん。
    でも、何の根拠もなく、行きたいと思うんですから、少し困ったものなんです。
    とはいうものの、気持ちは、ありがたいです。

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