平 凡蔵。の 創作劇場

恋愛ストーリーや、コメディタッチのストーリー、色んなストーリーがあります。
どれも、すぐに読めちゃう短編なので、読んで頂けたら、うれしいです。

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そうだ、ソウルへ行こう!(168)台北旅情。チケット獲得なるも涙。

蟻の親子が凡の頭に乗っかって、さっきから凡の汗をチューチュー吸っている。
「お母さん、甘くて美味しいねー。」
「ほんと、甘いわねー。」
「甘ーい。甘ーい。」
「でもね、この頭の中の脳みそは、もっと甘いんだよ。」
「えー。脳みそはもっと甘いの。そんなの甘すぎて嫌だー。」
凡の脳みそは甘かった。
台北に行く予定を16日から18日に変更しました。
なので、16日のチケットをキャンセルして、新しい18日のチケットを取らなきゃいけません。
16日のキャンセル料の4万円は、諦めたのであります。
それで、18日の航空券を取るために、こんどはキャセイに電話をしたのでございます。
幸いにして、18日の便の空席はありました。
良かった。
これで台北に行ける。
でも、次のキャセイの係りの男性の言葉に愕然としました。
「今、案内出来る一番安い価格は、一人86000円です。」
凡は携帯を耳に当てたまま、5秒間気絶した。
そうですよね、冷静に考えれば。
出発近くになると、チケットの値段は上がるのは当たり前です。
凡が最初に取っていたチケットが一人50000円。
差額は一人36000円で、2人分だと72000円です。
キャンセル料と合わせると、112000円アップするのであります。
チーン。
南無弥陀仏。
だめだめ、まだ成仏するのは早い。
まだまだ、現世で楽しみたいのです。
凡は、その金額を聞いて、一旦携帯を切った。
予定していた金額の倍には、さすがに頭がふらふらした。
キャセイに直接電話したのが駄目だったのだろうか。
今から、激安チケットを当たってみよう。
とはいうものの、台北に行くんだったら、やっぱり時間の配分のいい便がいい。
これが、始めから激安チケットを取るんだったら、少しぐらいの便の悪さは我慢できるだろう。
でも、今はもう4万円のキャンセル料を払ってしまっている。
なので、今から、帰路が早朝などの便は選択したくない。
時間配分のいい便で、激安旅行会社に電話したり、カウンターで相談してみる。
でも、便がいいのはキャセイかJALで、価格も変わらない。
さて、貴方だったら、どうしますか。
選択肢は、少ない。
①旅行は諦めて、家でじっとしている。
②台北は諦めて、近場の温泉に行く。
③倍の金額でも、台北に行く。
旅行を諦めるのは、ぜったい嫌だ。
①の自宅でじっとしているは、どうだろう。
4万円を払った上に、その3日間家の中で、何をすればいいのだろう。
トランプ?
気が滅入ってノイローゼになりそうだ。
じゃ、②の近場の温泉に行くか。
これはちょっと気分転換にはなりそうだ。
温泉に浸かって、美味しいものを食べる。
ミニボンなら、そんな金額を出すなら、温泉にするだろう。
なので、金額のことは内緒だ。
普通なら最高の贅沢なんだけれど、どこか頭の隅に台北のことが残っているに違いない。
すぐに頭の中を切り替えて、温泉を楽しめたらどんなに楽しい事だろう。
自分では、その場その場を楽しめるようになりたいなと思うのだけれど、そこがまだまだ、出来ていないところであり、ひょっとしたら、これからも出来ないかもしれない。
そこが、凡であり愚である自分なのであります。
欲が強すぎる。
だったら、いっそのこと③の台北に行くのが、気持ちはすっきりするのじゃないだろうか。
勿論、倍の値段になるということは、どうも精神安定剤が要りそうなぐらい悔しい。
でも、台北に行けるという当初の目的は達成できるのだ。
そうだ、台北に行こう。
今行かなきゃ、次にいつ行けるか分からない。
精神安定剤はアルコールで代用しよう。
凡は再度、携帯からキャセイへ電話を入れた。
「航空券の予約をお願いします。」
これで、台北行きは決まった。

コメント

  1. とっちゃん より:

    凡蔵さん、112000円アップは痛いですね・・・
    痛過ぎますね
    自分だったらショックで寝込みますよ・・・
    でも行くって決めたんですから、112000円は忘れて、目一杯楽しんできて下さいネ~

  2. 凡蔵。 より:

    ありがとう、とっちゃん。
    今はもう、行くことだけを考えます。
    きっと楽しいに違いありません。
    忘れるって大切ですね。
    忘れるって素敵。
    忘れるって、、、
    忘れてないですね。

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