平 凡蔵。の 創作劇場

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どれも、すぐに読めちゃう短編なので、読んで頂けたら、うれしいです。

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散散歩歩。(36)ミスタードーナツ1号店。一番好きなのは?

箕面の滝までのハイキングは、思いのほか楽しかった。
阪急の箕面駅まで戻ったのであるが、そのまま帰るのは少し勿体無い。
駅周辺をぶらぶらしよう。
商店街があったので、歩いてみる事にした。
人通りも少なく、やや小ぶりな商店街である。
すぐに端まで歩ききってしまった。
その商店街の端っこにミスタードーナツがあった。
ふと店をみると看板に「0001」の文字を発見。
あれ?ひょっとして、0001ということは、ミスタードーナツの1号店なのだろうか。
店の前にいた男性スタッフにミニボンが聞いてみたところによると、やっぱり1号店だった。
なんでも、以前、ここにダイエーがあって、その中にミスタードーナツの1号店が出来たそうだ。
その後、ダイエーが閉館して2年ほどのブランクがあったが、同じ場所にマンションが建ったので、そこにリニュアルオープンしたとの話だった。
偶然箕面に遊びに来て、偶然ぶらぶら商店街を歩いていて、偶然ミスタードーナツの1号店を発見したことが何となく嬉しかった。
それにしても、何で1号店が箕面だったのだろう。
それも不思議だ。
そして、1番というのは気持ちがいいですね。
それが良いことであれ、悪いことであれ、1番というのはその言葉に、きっぱりとした潔さがある。
凡もどんな事でもいいので1番というものになってみたい。
とはいうものの、この「1番」という言葉は質問の形になると急に厄介な言葉になってしまう。
凡は1番という質問が大の苦手だ。
「一番好きな食べ物はなに?」
なんて聞かれると答えに窮してしまう。
お好み焼きも好きだし、焼肉も好きだ。
寒い日なんかは鍋もいい。
でも、ハイキングに出て食べるおにぎりも大好きだ。
1番なんて決められない。
そんな訳だから「1番て、特に決められへんけど。」とか「一番好きな食べ物か、、、何やろな。」とか「何でも好きやねん。」なんて返事になってしまう。
相手の質問に誠実に答えようとすればするほど、いい加減な返事しかできない。
残酷な質問である。
それでもまあ、食べ物の1番ぐらいだったら、まだいいのです。
「一番好きな作家は誰?」とか、
「一番感激した言葉は何?」なんて質問をされると怖くなってしまう。
自分の一番を他人にオープンにするのが怖いのである。
一番好きな作家や、一番好きな言葉を言った瞬間に、相手に自分というものをあるタイプに型決めされてしまうのが嫌なのであります。
「へえ、そんなんが好きな人なんや。」とか言われて。
確かにそれは好きな作家であり好きな言葉なんだけど、それによって自分を判断して欲しくないのであります。
好きではありますが、自分の象徴ではないのです。
またまたそんな訳でありますから、こんな質問をされた時もいい加減に返事をしてしまって、相手に面白くない印象を与えてしまうである。
不条理な質問である。
とはいうものの、1番は素敵な言葉ですね。
一度で良いから、20歳の目のぱっちり大きな、サラサラ・ロングヘアーの女の子に「貴方が一番好き。」って言われてみたいな。
ミスタードーナツの1号店で、一番甘そうなドーナツを買って阪急箕面駅へ戻った。

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「0001」の文字がカッコイイ。

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ミスタードーナツ1号店

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