道を歩いていると、大きな壷がある。
あなたはその壷の中を覗いて見ますか。
そんな心理テストがあったのですが、凡は100%覗いてしまう。
どうも、凡は性格が卑しいようです。
学生時代の専攻は社会学だったのですが、その時の先生が「社会学者はピーピングトムでなきゃだめ。」というような話をされたことがある。
つまり、人の生活の中に入っていって、覗き見るように観察することが必要だということです。
その点においては、凡も社会学者の素質があるのかもしれません。
先日、大阪の地下鉄の御堂筋線に乗っていると、ケータイでメールを打つ30歳代の女性がドアの前に立っていました。
凡はその隣に立っていたのです。
こんな時に、何気なく、何気なくですよ、隣のケータイのメールの文字を読んでしまうのはいけないことでしょうか。
凡は見てしまう。
女性は、多分少し気になる男性がいるらしく、その男性からのメールに返事を打とうとしているようなのです。
「今日はどうしても都合が悪く、、、。」とか。
「前からの予定で、、、。」とか。
書いては消して、書いては消して、もう凡が見ている間にも、7、8回は書いては消してを繰り返している。
よっぽど大切な男性に違いありません。
それも、こんなに真剣に返事を書いているということは、まだ付き合ってはいないでしょう。
これから付き合おうというメールか、初めてのお誘いであることは他人の凡でも想像できます。
それにしても、凡には気になることがありました。
それは、書いては消してを繰り返しているのですが、一番初めに書かれた一文はずっと残してあるのです。
その一文とは、「お誘い頂いて、小躍りするぐらい嬉しいです。」というものです。
凡はその「小躍りするぐらい」というフレーズに思わず口元が緩みました。
それと同時に、何だかこの女性を応援したくなったのであります。
「小躍りするぐらい」なんて、今まで使ったことがありません。
更に、想像が広がっていきます。
小躍りって、、、。
阿波踊り。(エライコッチャ、イライコッチャ、ヨイヨイヨイヨイ)
盆踊り。(エンヤコラセーエ、ドッコイセ)
まさか、フラメンコ。(バラの花をくわえて、オーレ!)
凡はその女性が踊りを踊っているところを想像して、混雑している地下鉄の中で思わず噴出しそうになりました。
それでも、彼女は真剣です。
それにしても、このメールを受け取る男性は幸せですよね。
こんな気持ちで返信されたら、誰だって余計に好きになってしまうだろう。
でも、もし凡と同じ感覚の男性だったら、この「小躍りするぐらい」に笑ってしまうに違いありません。
このメールの続きがすごく気になったのでありますが、残念ながら凡は淀屋橋の駅でおりなきゃいけません。
凡が降りる時には、ついにメールは完成しませんでした。
でも、「小躍り」のフレーズはそのままだった。
彼女に幸あれ。
凡にも小躍りするような、メールが来ないかな。
コメント
こんにちは。
私の今の仕事が「行動観察から推察」というものなので、凡さんの観点と考察を楽しく拝見しました。
「小躍り」の表現、確かに笑ってしまう♪
その彼女、実際は「小躍り」どころじゃなかったかもしれませんね~
心の中は、歌って踊ってのミュージカル♪だったのかも…
相手への配慮か、奥ゆかしさの表れなのか、敢えて「小躍り」に留めているように思えました。
なおさら応援したくなりますね。
しかし、その彼女のセンス、ナイスですね~
ありがとう、emiさん。
何度も書いたり消したりする姿もいじらしいですよね。
emiさんの、奥ゆかしさの表れっていうのを聞いて、更にいじらしくなってきました。
わたしだったら、
「ばんざーい。」って書いてしますかもしれません。
でも、そんな返事をするメールも来ないのですけれども。
きっと大切な方からのお誘いだったんですね。でもどうしても都合がつかなくて、お断りしなくてはいけないけど、行きたかった気持ちは伝えたいし、又誘ってもらいたいし。
乙女心だわぁ♪
「小躍り」は流行り?!
冗談も交えつつの懸命なメール。
女子よ、頑張れ!
ありがとう、oriverさん。
乙女心ですよね。
メールの続きが気になりますよね。
どんなメールになったのか。
きっとあれから、30分ぐらいは悩んでるんじゃないかな。
メールもそうだけど、文章を書くって、悩みだすとホント悩むよね。
相手がどういう風に読んでくれて、受け取ってくれるか不安やし。
今頃、デート成功してるといいですね。