そうだ、ソウルへ行こう！（155）

風邪をまだ引きずっているのか、体が重い。
何をするにも集中出来ないのです。
凡は最近、「シリカ」というミネラルを摂っている。

凡は健康オタクなのだろうか、こういうサプリメントや、不思議な体操などが大好きで新しいものが出たらすぐに試してみたくなります。
そのシリカとはミネラルの１種で、日本語では珪素といいます。
今凡が飲んでいるものは、韓国の偉い学者さんが発明したもので、水晶を特殊な方法で水に溶かしたものらしいのです。
説明によると、還元力が強く、毛細血管まで血液が回るようになって、それに高血圧や糖尿病にも効き、二日酔いには抜群の効き目らしいのです。
そう「何にでも効く。」のであります。
何にでも効く、、、何て素敵な響きなんでしょう。
子供の頃、怪我をしたりすると母親がアロエのネバネバした汁を「アロエは何にでも効く。」といって塗ってくれました。
あと「メンソレ」も我が家では何にでも効く塗り薬でありました。
でも、このシリカはもっと上等です。
何しろ、１本500ｍｌで２万円するのですから。
「2万円。」
2万円、、、何と辛い響きなんでしょう。
2万円あったらアータ、近場の温泉ぐらい行けるではあーりませんか。
お金持ちにしたら、「あ、そう。安いやん。１ケース送っといて。あ、そうやアンタも要るか。ほな２ケース送っといて。」ぐらいの感覚だろう。
でも、貧乏人にとっては、「ほげっ。（言葉にならない。）２万円ちゅーたら、、、１万円札２枚やで。解ってんねん、解ってんねんそれぐらいの計算。しゃーけど、２万円言うたら、ごっついステーキを、え、何枚食べられる。、、、ステーキ食べた事ないからよう解らんけど。ラーメンやったら４０杯ぐらいたべられるで。王将の餃子やったら１００人前や。」といちいち食べものに換算して長い時間その辺をウロウロしながら決めない決められない金額だ。
さすがの凡も金額を考えると即購入という訳にはいきません。
そっとミニボンに訊いてみる。
「シリカ欲しいねんけど。買うたらアカンかな。」
「買うたらええやん。」
「そやけど、２万円やねん。」
「ええやん。」
こういう場合、結構ミニボンは許してくれる。
凡の趣味を知っているからだろう。
こういうときだけは、ミニボンがＯ型であることを良かったと思う。
それでも、このシリカは飲むのはコップに１０滴ぐらいなので、結構長持ちするのです。
そこで今、思う事。
どうしてシリカは、凡の風邪に効かないのだろうか。
しかし、風邪ぐらいで効いてはもったいない、何しろ２万円なのですから。
「もっと困ったとき」に効いて欲しい。
でも、「もっと困ったとき」は来て欲しくない。
だったら、「何にでも効くシリカ」は、それを証明する機会がなくなるというものだ。
何にでも効くか証明できないけど、やむを得ない。
やむを得なければ、即ち仕方がない。
そう思いながら、冷たいビールをキューッと飲んだら急に気分が良くなった。
「あ、これは何にでも効くな。」

香港に行ったときに「保済丸」（PO　CHAI　PILLS）とういものを買った。
これは、胃腸とかの調子が悪い時に飲む仁丹のような味の漢方薬なのですが、ものすごく可愛いんです。
レトロでどこか東洋風なパッケージを開けると、更に小さなスティック状の紙のパッケージに小分けされていて、更に開けると、プラスティックの細い円柱の中に薬が入っています。
現地の人はこれを「何にでも効く。」と言って風邪やちょっと調子が悪い時に飲むそうです。
凡も、何箱も買ってきて愛用していました。
でも、もう在庫がありません。
ソウルも良いけど、次は香港もいいな。