平 凡蔵。の 創作劇場

恋愛ストーリーや、コメディタッチのストーリー、色んなストーリーがあります。
どれも、すぐに読めちゃう短編なので、読んで頂けたら、うれしいです。

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そうだ、ソウルへ行こう!(83)

ロッテホテルの免税店などにあるヨン様の等身大の立て看板と一緒に記念写真を撮った事のある人は何人いるだろう。見かけたら絶対、撮ってしまうよね。
インスタントラーメンも好きだが、インスタント焼きそばも大好きだ。
休みの日のお昼に食べたりすることがあります。
それにしても、あのインスタントの焼きそばを食べると2時間ぐらい胃がもたれるのは凡だけだろうか。
特に粉末のソースよりも液体のソースの方がもたれやすいような気がする。
それでもスーパーに行くとインスタントのラーメンとインスタントのうどんとインスタントの焼きそばを、ついついセットで買ってしまうのはどうしてだろう。たぶんあの濃い味が好きなんだろうな。
凡は濃い味付けが好きなのであります。
インスタントの焼きそばとういと凡にはある悲しい出来事を思い出します。
それはもう25年ぐらい前の出来事ですが、凡の脳裏にはくっきりとその光景が今でも焼きついているのであります。
この悲しい出来事は凡に起こったことではありません。
見ず知らずの人に起こった悲しい出来事なのであります。
その当時、焼きそばといっても今のように平べったい形の容器ではなく、カップヌードルのようなたて形の容器のインスタント焼きそばがあったのです。
それである百貨店の従業員休憩所で凡は椅子に座って何をするでもなく休んでいました。
そこにはジュースなどの他にインスタントラーメンの自動販売機があったのです。その商品の中に焼きそばもありました。
そこへ60歳前ぐらいの男性がやってきて、インスタント焼きそばを買いました。
出てきたカップのビニールを剥がして蓋を開け、ここで普通なら先にお湯を入れて3分ぐらい待ってから、次にお湯を捨て、さらにソースを掛けて混ぜ合わせるという作業をするはずです。
しかし、そのオッチャンは蓋を開けてから先にソースをカップの中に掛けてしまったのです。
凡は思わず「あーーー。」と口から出そうでしたが、さてこれからどうするのだろうと思い、黙って続きを見ることにしました。
意地悪みたいだけど、もうソースを掛けてしまってるんだから教えてあげても仕方がないじゃなですか。
そうすると、オッチャンはそれに気づかず、そこにお湯を入れ始めました。
「やっぱり。」凡はこころの中で呟きました。
やっぱりまだ気がついていないのであります。
もうそうなったら、そのオッチャンから目が離せません。
どこで気がつくのか気になって気になって。
そうするうちに3分が経ったのであります。
オッチャンがさあお湯を捨てようと思ったんでしょう。
そのときにオッチャンの顔が「はっ。」という表情に変わりました。
やっと気がついたのです。
それで、さあそれをどうするか。
オッチャンもどうしていいか分からないのでしょう。
そのカップを右にやったり左にやったり、お湯を捨てようとバケツのところまで持っていって、やっぱり捨てるのを留まったり。
その一部始終を見ていた凡はそのオッチャンが可哀想で可哀想でたまりません。
3分間、焼きそばを食べる喜びでいっぱいになりながら待っていた後の悲劇です。
結局そのオッチャンは「薄いソース味の焼きそばのようなラーメンのような食べ物」を寂しそうに食べて出て行きました。
もしあれが凡だったら泣いていたでしょう。泣かなかったオッチャンは大人だ。
そうだ、ソウルにもインスタントの焼きそばがあるのだろうか。

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