平 凡蔵。の 創作劇場

恋愛ストーリーや、コメディタッチのストーリー、色んなストーリーがあります。
どれも、すぐに読めちゃう短編なので、読んで頂けたら、うれしいです。

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そうだ、ソウルへ行こう!(31)

凡はあまりマンションの人と話した事がないので、マンションの人のことを知らない。
しかし、マンションの人は凡の事を知っているようである。
よく駅へ行くまでの道で向こうから挨拶をされることがある。
おそらく同じマンションの人なのであろう。
普通に歩いている時ならいいのだが、ゴミ袋を持って駅に向かっているときなどは、会いたくない。
しかし、ゴミ袋より恥ずかしいことがあった。
凡が仕事で遅くなった時のことである。
何故かある歌が頭の中でぐるぐると回って、頭から離れないということはないですか。
凡はその時、前川清の「そして神戸」が、頭について離れなかったのです。
何をするのにも歌が頭の中を回っている。
それで、駅から家へ帰る途中、夜だったし誰もいなかったので、鼻歌を歌いながら帰っていたのです。
始めはホントに鼻歌でした。
しかし、夜で誰もいないので、だんだん鼻歌に熱が入ってきます。
家まであと3分の1ぐらいになるころにはかなり大きい声で歌っていたかもしれません。
しかも、歌っている間にだんだん物まねも入ってきます。
「神戸うぇうぇー、泣いてぇーどぅなるぅのかうぁうぁうぁー」
しかも、顔も物まねになっています。
歌っている凡は気持ちいいのです。
マンションの近くに来た時は、もうほとんど前川清です。
それで、さてマンションに入る道に入った瞬間、マンションから出てきた女の人にばったりとあったのです。
「夢の続きうぃうぃうぃー、見せてくぅれるぅうぃうぃー」
向こうは「こんばんは。」と明るい声で凡に挨拶をして通り過ぎていきました。
突然だった凡は、前川清の顔のまま、頭を下げるしか出来ませんでした。
ああ、これは恥ずかしい。
知らない人だったらまだしも、同じマンションの人なんて。
きっと、その女性の家では、晩御飯を食べる時に、
「あそこのオッチャン道で前川清になってはったで。」
なんてことを話しながら笑っているでろう。
でも、まあいいか。
人の家庭に笑いを提供したんだから。これもプラス思考でいきましょう。
そうだ、ソウルの人はどんな鼻歌を歌うのだろう。

コメント

  1. キョン より:

    「そして神戸」良いじゃないですか~
    唄いたい気持ち分かります。
    がんばれ~~~

  2. 凡蔵 より:

    キョンさん。
    コメント、ありがとうございます!!!
    私の場合、何故か演歌が鼻歌に出てくるんですよ。
    これからも、よろしくお願いします。

  3. キョン より:

    そうか~演歌か~
    キョンは演歌も好きだー
    五木ひろし、細川たかし、そうだ、吉幾三もいいね~
    でも歌も良いけど、凡蔵君の自然体の形がすきだな。
    がんばれ~~

  4. キョンさん。 より:

    あ、その3人も物まねしたくなりそうな歌手ですね。
    私の場合、自然体というよりは、
    流され体というか、仕方がない体でしょうか。
    ありがとう!

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