平 凡蔵。の 創作劇場

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散散歩歩。(1411)君も去ってしまうのか。ああ、青春の東京旅。(1)

旅(国内)

夏が、もう終わっちゃう~!

と叫んでみても、こんなに暑いと、終わる気がしないですね。

それでも、暦の上では、もう8月も後半。

そろそろ、青春18きっぷを使わないと、期限が切れてしまいます。

ということで、今月は、あと、2回、連休があるので、そこで残りのきっぷを使う予定であります。

まずは、その1回目で、青春18きっぷの3回目と4回目を使おうかと思う。

今回も、四国の予土線などを検討してみるも、1泊では、無理だと思い知らされる。

必死になれば通過できるのかもしれないが、どうぜなら、そこを昼間に走りたいものね。

ということで、どこに行くかと考えても、前日まで決まらなかった。

というか、当日の朝まで、決まってなかったのであります。

ミニボンにも、どこに行くのと聞かれても、ただ、東に向かおうかなとだけ答えた。

決まってはいかなったが、何となく、みゆきさんの住む華の東京に行きたい気もしたからだ。

ということで、8月24日(木曜日)の朝、まだ決まってはいなかったので、ミニボンに伝えたように、東に向かって移動しようと思う。

ただ、何となくの目的地は、東京だ。

家を出る時に、今回もまた、2万円を、凡にくれた。

凡だけ、遊びに行くと言うのに、ちょっと、気を遣わせちゃったね。

「若くて可愛い女の子に使っちゃうかもしれへんで。」

そう言ったら、「2万円で、付いて来る女の子、、、安いな。」と返ってきた。

そうなのだろうか。

2万円で、女の子は付いてこないのだろうか。

凡なら、100円でも、若い女の子に付いて行っちゃうんだけどなあ。

なんてことを言ってますが、未だかつて、旅に出て、若くて可愛い女の子と、そんな、あーだ、こーだ、あったことは1度も無い。

それが、悲しい現実だ。

とはいうものの、その現実を知らないフリをしていなきゃ、旅に出られない。

、、、って、何が目的の旅なの?

というか、確実に、この2万円は、女の子ではなく、この凡の胃袋に入るだろう。

兎に角、ミニボン、ありがとう。

朝の、6時半ごろ、自宅を出発。

いつものように、京橋駅で入鋏。

そのまま、大阪駅まで移動した。

大阪からは、米原行きの新快速に乗り込んだら、混んではいたが、4人掛けのシートに座ることが出来た。

おっちゃんばかりなのだが、みんな、脚を広げずに座っているので快適と言うか、気分も良い。

そのまま、米原駅に到着。

トイレに行くが、いつも思うのだけれど、米原駅のトイレは少なすぎる。

乗り替えの客もいるし、新幹線だって、乗り入れている。

改札から出て、そのトイレを探しても、そこも小さくて使えなかった。

まあ、凡が言っても、仕方がない。

駅で、プロテインのドリンクと、青春18きっぷの定番のパンと缶コーヒーを購入。

このプロテインというのは、最近、凝っているんですよね。

というのも、2ヶ月ほど前かな、近所に出来た、ららぽーと門真の本屋で、偶然、手に取った本の影響だ。

「すべての不調は自分で治せる」(藤川徳美さん著)方丈社。

日本人は、もともと、たんぱく質が足りていないという内容だった。

それにプラスして、ビタミンを大量に摂取する、所謂、メガビタミンをすすめる本だったのだ。

もともと、薬とかビタミンとか、そんな話が大好きな凡は、これまた、久しぶりに、サプリメントを飲み始めることになってしまったのである。

ということで、たんぱく質を補給。

家にいる時は、ホエイなのだが、出先で持参のプロテインを水で溶かして飲むと言うのも手間がかかるので、ミルクプロテインで代用。

でも、いつまで続くかは、疑問ではあるが。

ということで、大垣行きに乗り込む。

座ることも出来たので、ここからは、ゆっくり車窓でも楽しもう。

広く田畑が広がり、遠く向こうには山々が霞んで見えているという、そんな風景も好きだが、凡は、山の斜面などが近くに迫っているようなところで、山の木々の誰も普段は踏み込まないだろう薄暗い異次元とでも表現したい時空が、そこに存在しているのではないかと思えるような、そんな風景を見るのが好きだ。

例えば、どこにでもあるような小さな山の裾に、1本の山道が見えたりする。

そんな時、ああ、この山の道を歩いて行ったなら、いったい、そこには何があるのだろうかと、そんな事が、気になってしまうのだ。

でも、決して、その道に入ってみようとは思わない。

怖いからだ。

凡は、山道が怖い。

1度、踏み込んでしまうと、2度と戻っては来られない空間が、そこにあるのだろうと思ってしまう。

異次元とでもいうような。

或いは、頂上までたどり着くと、そこには、小さな祠があるのかもしれない。

そんな祠の前で、月に1度、知っている人だけが集まって、何かの祭事を行う。

人に知られてはいけない神事。

人の寝静まった真っ暗な山の空間に、薪がひとつだけ燃えている。

10人ほどの村人が見守る中、もう齢80も越えようかという村の巫女が、まだ幼い顔の少年と、そこで、交わるのだ。

老いたるものと、未成熟なものとの、知られてはいけない神事。

ただ、暗い空間に、ギラギラとした村人の目が光り、興奮した声の呪文が唱え続けられる。

そんな、危うい神事が、この現代でも続けられている。

その空間が、大らかな田畑のすぐ近くで行われているのだ。

なんて、そんな妄想をしてしまう。

頂上でなくても、山の裾に神社があったりして、その由来を知りたくなってしまう。

どんな神様が祀られているのだろうかとか。

或いは、廃屋がポツリとあったりしてね。

そこで、誰が、どんな生活をしていたのだろうかとか。

そんな風景を、車窓で見て、妄想するのが好きなんだ。

今回も、そんな風景を見ながら、新快速は、大垣駅に着。

大垣駅では、毎回のように、大勢の乗客が、一斉に豊橋行きの電車に乗り替える。

ぞろぞろと、みんなで移動するのだが、いつも、時間はギリギリに設定されている。

あれ、不思議だよね。

でも、全員、乗り込んでから出発するので問題はないのだろうね。

跨線橋を下りたら、そこはギュウギュウだったが、ホームを端っこまで歩いたら、座れた。

んでもって、豊橋駅に着。

乗り替えの時に、いなりずしでも買いたかったが、お昼もあるので、買わなかった。

というか、プロテインを飲んでいると、あまり、お腹が空かないんだよね。

んでもって、豊橋駅から、今度は、浜松行きに乗り込む。

んでもって、浜松駅に着。

この時点で、今日は、やっぱり、東京に向けて移動しようと決める。

というか、決めるの遅すぎなんですけどね。

さて、浜松で、ランチと行きましょう。

トイレをお借りするついでに、一応、隣の百貨店の食堂街に行ってみる。

やっぱり、ハンバーグのさわやかさんは、長蛇の列だ。

なので、また地上に降りて来て、お店を探しましょうか。

とはいうものの、時間もないので、駅の近くのうなぎ屋さんに行ってみようと思う

以前に、お店を見つけて、サラリーマンが多かったので、高級店ではないだろう思うのである。

ということで、駅の高架下のようなところにある鰻のお店「丸浜」さん。

浜名湖養魚漁協直営店とあるので、国産だし、ここ浜松で食べるには、ぴったりのお店に違いない。

店頭に、平日限定ランチの看板がある。

それを確認して、店に入る。

テーブル席が周りにあって、中央には、ひとり用のカウンターのような島がある。

これなら、ひとりの旅行客でも入りやすい。

さて、メニューを見て、どうしようかと思う。

まず、丼は、というか、丼は、さっきのサービスランチだけで、後は、お重になっている。

まずは、竹で、3200円。

説明には、かば焼き4分の3尾とある。

少しばかり、中途半端だ。

そして、松。これは、3800円となる。

説明では、かば焼き1尾。

本当に、うなぎを食べようと思うなら、これだろう。

1尾って、如何にも、スッキリしているじゃないか。

値段は、高いと思うが、これを浜名湖産とセットで考えるなら、むしろ、安いのだろう。

梅は無いので、さしずめ、さっきのサービスランチが、梅と同じ意味か。

んでもって、上というのもあって、かば焼き1尾と4分の1とある。

4500円。

これもまた、竹と同様、4分の1の部分が、如何にも、中途半端だ。

そして、特上。5000円。

かば焼き1尾半とある。

これは贅沢だね。

うな重には、1切れ乗っかっていて、2切れが別添えだ。

とはいうものの、いささか、下品でもある。

成金趣味というのだろうか。

私、お金持ってますみたいな、そんな雰囲気がメニューからも漂ってくる。

これを注文するぐらいなら、まずは、うざく、或いは、肝焼きなどで、ビールの1本も転がして、それで、おもむろに竹を頂く。

その方が、うなぎを食べるという一連の行為を満喫できるだろう。

それに、本当に、お金持ちなら、まずは、白焼きなどを頂いてから、うな重という道もある。

どっちにしたって、凡には関係ない話だ。

即ち、予算オーバー。

さて、どれを注文しようかなと考える。

竹と上は、中途半端なところが気に入らないので、却下。

となると、うなぎ1尾を使った松ということに自然と結論が出てしまう。

3800円、、、か。

安いと思う。

昨今のうなぎの価格の高騰と、浜名湖産ということを考えると、安いと思うのである。

思うのであるが、財布の中身を思い出した時に、いささか、躊躇してしまう。

とはいうものの、うなぎというものを食そうなんて時に、値段を考えるなんて、ナンセンス極まりない。

美味いものは高い。

そう観念して、バーンと、贅沢に食うのが、うなぎを食べる時の心構えであるはずだ。

なのだが、躊躇している凡が、テーブルの前に座っているのだ。

ちょこんとね。

勿論、ミニボンに貰った2万円という軍資金があるのではあるが、それは、夕食にとって置きたいのだ。

或いは、ひょっとしての話だけれど、その2万円を、若い可愛い女の子を口説くために使うかもしれない。

重ねて言うけれども、今まで、そういう女の子と旅先で、あーだこーだ、と、そんなことがあったことはないけれども、その可能性を捨てることは、男として、すべきではないだろう。

「凡ちゃん。後生やさかい、ひと夜のお情けを頂戴しとうございます。」

なんて、若い女の子に言われるかもしれない。

その可能性は、ゼロではない筈だ。

そんなことを考えると、ここで松を注文することに二の足を踏んでしまう。

女の子の可能性は諦めても、夕食は、お酒を飲むと、ついつい、食べ過ぎちゃったりして、予算をオーバーなんてことになる可能性は、これは、大いにありうる。

なので、お昼は、サービスランチにしておこう。

うん、それが良い。

一体、うなぎは、美味しいのであるから、所謂、御馳走なのである。

なので、例え、身が、小さくても、これっぽっちでも、それは、御馳走には変わりない。

ということで、お姉さんに、「うな丼ランチ」(2200円)をお願いした。

少し待って、サーブされたうな丼ランチは、やっぱり、浜名湖産だけある。

うなぎ自体が、これまた、美味しい。

身も、うなぎの旨味が凝縮しているし、皮も、薄めで、ああ、国産だなと思う。

うなぎのかば焼きの量は、他のお重に比べると少ないかもしれないが、追いタレも用意されているので、最後まで、濃い味の米を楽しむこともできた。

ということで、御馳走様でした。

食べ終わる頃に、隣に、20才いってるか、いってないかの、若い女の子が座った。

今年の新入社員なのか、就活中なのか、そんな感じの女の子だ。

メニュウを見て、竹を注文した。

若い女の子が、うなぎ屋で、うな重をお昼に食べる。

お金持ってるね。

というか、そんなことより、カッコイイね。

なかなか、ひとりじゃ、入れないよね。

カッコイイとは思ったが、ここでは、ミニボンに貰った2万円は、まだ、使わないでおこう。

っていうか、使うつもりだったのね。

ひょっとして、後から、思うに。

ここで、こんな展開も、ありやなしや。

「お嬢さん、お見掛けするところ20才ぐらいだと思うんだけれど、若いのにうなぎが好きなんですね。でも、その年齢で、うなぎのお昼は、ちょっと金額も気になる頃でしょう。どうですか。ここは、この凡に、このお代を持たせてはもらえませんか。いえなに、別に、だから、こうしろというのではありません。若い人に、うなぎの美味しさを知って欲しいんです。そして、将来のあなたに期待して、その意味もあって、奢らせて欲しいんです。それに、うなぎを食べる時は、豪勢に行かなきゃいけません。そうだ、ちょっと、お姉さん。この娘さんに、ウナギの特上を差し上げてください。もちろん、お代は、この凡でね。」

なんて、ここで、ミニボンの2万円の内、5000円を、この女の子に使う訳だ。

どうだ。

これで、何とかなるか。

この女の子は、凡に付いて来るのだろうか。

、、、、はあ。

考えるまでも無いか。

ミニボンの軍資金は、夕食に使おう。

これは、余談だが、アナウンサーの食レポも、その食材を調べてからレポートするのは、やっぱり必要だろうと思う。

つい、何週間か前の話だけれど、テレビを見ていると、モーニングショウの中で、百貨店の催事を紹介していて、うなぎ弁当のレポートを新人のアナウンサーがしていた。

そのコメントで、「皮も、分厚くて、もちもちして、美味しい。」みたいなことを言った。

それを聞いて、「それ、中国産やん。その弁当、けなしてるやん。」と、ツッコミをいれたくなった。

本来なら、その弁当を持ち上げて、美味しそうに、そして、売れるように、コメントしなきゃいけないところを、ダメって言っているようなものじゃない。

ちょっと、残念なコメントである。

とはいうものの、後で、ひとつの可能性を考えたら、この女の子、スゴイのかもしれないと思った。

ひょっとして、その弁当の値段と、味と、そこにいた店員と、そんなことを総合的に見て、このお弁当を、みんなに薦めたくなかったのではないだろうか。

放送前に味見をして、これ、中国産やんと思ったのかもしれない。

ニホンウナギちゃうやん、中国産のヨーロッパうなぎやんと、そう気が付いて、これを薦める気にならなかったのかもしれない。

なので、美味しいと言う言葉を遣いながら、暗に、美味しくないから、みなさん、買わないでねという、解る人だけに解る、メッセージを発していたのではないだろうか。

もし、それなら、そのアナウンサーは、素晴らしいですね。

落語家の南光さんも、食レポで、味がイマイチなお店のコメントをしなきゃいけない時は、「洒落た味ですね。」と言うそうだ。

それと、同じなのかもしれない。

うなぎというキーワードで、そんな事を思い出しました。

さて、今回、凡は、本当に美味しいうなぎを頂きまして、お店を出た。

さて、これから、また東へ向かいましょう。

でも、折角だから、途中で、観光的なことを、ひとつだけでも、してみたいと思う。

コメント

  1. yukemuri より:

    今度の旅はとりあえず東に向かわれたようですね
    その途中でのうなぎランチ、良いですね~
    浜松でふらっと降りて浜名湖のうなぎを食べるなんて、まさに旅の達人感がにじみ出ていますよ
    奥様から頂いた軍資金を夜用にとっておく、ナイスな判断ですね
    夜は色々な誘惑があるやもしれませんから、心の準備と共に懐も温かくしておけば万全ですもんね
    テレビのリポーターが皮も、分厚くて、もちもちして、美味しいなんて言ってたんですか?
    その人普段ちゃんとしたうなぎは食べてないんじゃないでしょうかね?
    スーパーのうなぎしか食べた事ないような発言ですよね
    うん?美味しいと言う言葉を使いながら、暗に否定しているという説
    これが真相だったら相当凄い新人ですね(笑)
    そう言えば最近うなぎ食べていません
    あ~、美味しいうなぎ食べたいなぁ・・・

  2. 平 凡蔵。 より:

    ありがとう、yukemuriさん。
    東海道線を東に行けば、どこでも、楽しい場所があるので、東に行きましたよ。
    途中になにもなければ、東京まで行くつもりで。
    んでもって、うなぎは、やっぱり美味しかったです。
    産地も浜名湖の漁協の直営店なので、間違いが無いし。
    久しぶりに国産のうなぎを食べました。
    いつも、すき家のうな丼なのですが、やっぱり違いますね。
    とはいうものの、いつもは、すき家を、喜んで食べてるんですけどね。
    あれはあれで、美味しいんですよね。
    んでもって、いつもは欲張って、うな牛にするんですが、
    どうも、近所のすき家は、うな牛の肉が少なすぎるというか、あれなら、別々に食べた方が良いみたいな。
    と、すき家の話になっちゃいました。
    でも、今回、国産のを頂いて、また、国産を食べたくなりましたよ。

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