1月21日(土曜日)。
三陸鉄道リアス線に乗ろうと、仙台経由で釜石に来ております。
ホテルホルクローロ三陸釜石さんにチェックインをして、ホテルで周辺の飲食店の地図を貰って、これから夕食を食べに行こうかというところであります。
飲食店の集まるところは、JRを挟んで、ホテルとは反対のエリアにあるという。
なので、地図を見ながら歩き出す。
こういう瞬間が楽しい。
それにしても、通りを歩いている人がいない。
地方の繁華街も、大変だろうなと同情するけれども、旅行者にとっては、この静けさが楽な時もある。
まずは、メインの通りを歩いて行って、繁華街の中心辺りに来たら、また引き返してホテルで教えて貰ったお店に行ってみる。
人気のお店だという。
炉端焼きのお店だ。
入口に入ると、靴を脱いで上がるようになっていて、凡は靴を脱ぐお店は苦手なので、どうしようかと思ったが、折角教えて貰ったからと、入る気で立っていると、誰も声を掛けてくれない。
入口から中が見えるのだけれど、焼き物をするところを囲むようにカウンターがあって、半分以上の席に客が座っている。
でも、厨房というか、焼く場所には、誰もいないのだ。
なので、声を掛けるも反応無し。
客を見ると、ただ座って待っているだけで、楽しそうに飲食している人はいない。
これは、もう入れたとしても、楽しくお酒を飲む感じじゃないなと思って、外に出た。
そうなると、どこにしようかと迷うことになって、ネットで調べたお店に行ってみようかと思う。
店の前まで来たら、悪くはない感じだ。
外から窺うと、カウンターに客がひとり。
そのひとりの客が、どうもクセが強そうなので迷ってしまう。
と迷っている間に、後から観光客らしき3人組が、こんな店あるけど、どうする?みたいな会話をしながら、結局、入って行った。
こうなると、後に続いて入るのは、何となく気まずい。
それでまた、ネットで調べて、1軒のお店に行ってみることにした。
見た目は、地元の人が行くような感じで、旅行者には、ちょっと入りづらい店の顔をしている。
空き地に斜めに建てられたバラック風の1軒が独立した建物だ。
どうしようかと思ったが、迷っていても仕方がない。
次の候補がある訳じゃないしね。
ということで、思い切って戸を開けた。
「まつや」さん。
中は、カウンターに、テーブル席、そして、狭いながらも小上がりがある。
個人がやっている雑然とした感はあるが、悪くはない。
カウンターに座る。
凡以外に客はいない。
お勧めを聞いたら、刺身の盛り合わせだというので、それと、ボリュームのありそうな、唐揚げ風のもの。
それに生ビール。
突き出しは、2品きた。
お店には、中年ぐらいの大将がひとりと、女性がひとりの2人で切り盛りをしている。
「ご夫婦で、やられているんですか。」と聞いたら、大将から「娘です。」と返ってきた。
シマッタ!!!
何と言う失礼なことを言ってしまったのか。
しかも、初歩の初歩のミスである。
「ゴメンナサーイ!」と、両手を合わして謝ったら、「大丈夫ですよ。」と言ってくれたので、ほっとした。
でも、それをきっかけに、話が進むようになって、結果として良かったのかもしれない。
話は、それてしまうが、それにしても、お店に入って、そこのスタッフを呼ぶときに、その呼称に迷ってしまう。
女性の方は、案外と簡単である。
年配の方なら、お姉さんで、若い方なら、これまたお姉さんか、或いは、お嬢さんでいいだろう。
でも、男性の時は、お兄さんなのだろうか。
でも、こういう場合は、お店の責任者だから、お兄さんも変だ。
洋風のお店なら、マスターで良いが、ここは居酒屋だ。
となると、大将ということになるのかもしれないが、凡は、お店の店長を呼ぶときに、大将という言葉を遣うのは、どうも言いにくい。
まあ、60才以上の方なら、大将と呼べそうだけれど、50才ぐらいの人に大将は、言いにくいのである。
これは、凡だけの感覚だろうか。
となると、ご主人ぐらいが無難なところか。
明日は、三陸鉄道リアス線に乗る予定だけれど、一応、釜石の見どころを訊いたら、どうも、何も無いようで、遠野あたりを教えてくれる。
随分と、遠くを推しである。
そんな話から、岩手のカッパは、赤い色をしているという話になった。
カッパは、普通は緑色だ。
昔の遠野では、食べるものもない時は、子供を間引くこともあって、その子供を川にながしたそうだ。
そんなことから、その川に近づかないようにと、怖い話とセットにして、赤いカッパになったという。
そんな悲しい物語などを教えてくれる。
お店には、テレビがあって、ずっと流れている。
そのテレビを見ながら、大将と娘さんと、番組の話をしたり、のんびりとした時間が楽しい。
それにしても、そろそろ客が増えてもおかしくない時間だけれど、凡ひとりだ。
大将の話によると、お酒の業者さんが、今日は注文が少ないので、ひょっとしたら客が少ないかもしれないと昼間に話してたそうだ。
そんなことも予想できるんだね。
でも、今日は凡がいるからね。
坊主でなくて良かった。
こんな個人営業のお店で、客が来なかった日というのは、寂しいだろうなあ。
仕込みをして、時間が来て店を開ける。
でも、いくら待っても、客が来ないんだ。
そして、閉店の時間が来て、暖簾を下す。
帰り道、「お父ちゃん。誰も来なかったね。」なんて、娘が言う訳さ。
「まあ、こんな日もあるよ。」そう答えた大将の声にため息が混じる。
家に帰って、奥さんが「お疲れ様。疲れたでしょ。」なんて、声を掛ける。
「いや、今日は、坊主だったよ。」なんて答えるよね。
「そう。大変だったね。」ぐらいしか返せないだろう。
そう想像すると、個人営業のしんどさが辛いね。
と、勝手にそんなことを想像しているが、考えてみれば、このお店の土地が自分の土地なら、売り上げ自体が、収入になる訳だから、最低賃金の時給で働いている凡よりも、実際は、稼いでいるのではないかと、これまた想像だ。
釜石という地で、美味しいお酒と料理を頂きながら、仲のいい親子とお話をする。
楽しい時間である。
チーズフライと、もろきゅうで、またお酒を追加。
生ビール3杯と、熱燗シングル3本、それに、オリジナルのハイボールを1杯のんだ。
オリジナルのハイボールは、レモン風味だった。
このお店は、釜飯もオススメだという事で、今日はもう、この店でシメまでやって、ホテルに戻ることにしよう。
今日の釜めしは、鯖の煮つけを炊き込んだものだそうだ。
量が多かったら、おにぎりにしてくれると言ってくれたが、全部食べてしまった。
そして、お会計をして外に出る。
ひんやりとした空気が気持ちいい。
凡も気分が良くなって、気が付いたら3時間弱ぐらいお店で寛いでいたようだ。
楽しい時間を、ありがとうございました。
そうだ、会話の中で、明日、八戸に行くと言ったら、八戸の屋台村に、娘さんの趣味のお友達がやっているお店があるという。
そこなら、ボラレルこともないし、イカ刺しが美味しいという。
これも何かの縁だ。
明日は、ピザの美味しいピーマンさんに行ったら、そのイカ刺しのお店にハシゴをしようかと思う。
娘さんのお友達なら、これまた、若い女の子だろう。
そのお店に行ったら、若くて可愛い女の子がいるんだよ。
しかも、釜石の娘さんに紹介されたなんて言ったら、警戒はされないだろう。
いや、お友達と言ったけれども、男か女か確認しなかったな。
ひょっとして、男だたりして。
しかも、金髪のヤンキー。
それは、嫌だな。
いや、そんなことは無いはずだ。
あの娘さんに金髪ヤンキーは、似合わない。
どう想像しても若い女の子であることは、間違いがいがないだろう。
しかも、ちょっと派手めの女の子だったりして。
サラサラロングヘアーで、もう、あーた、ボン、キュッ、ボーンなのよ。
んでもって、ニットの超ミニのワンピースに、大きく開いた胸元。
7センチのハイヒールで、凡の横に来て、「そうなんだ。釜石で紹介されたのね。じゃ、いっぱい、サービスしてあげる。いっぱいよ。いっぱい、サービスして、あ・げ・る。」なんてね、20代の女の子に言われるわけ。
「い、い、いっぱい、、、サービス。」なんて、ドキドキしながら、鼻の下を伸ばすかもね。
ウヒヒヒ、、、、。
ねえ、どうする?
八戸。
どーするのよ、あーた。
なんて、酔っぱらった凡は、ただのイヤラシイ中年となって、夜の釜石の街をホテルの戻るのでありました。
コメント
こちらの居酒屋は良さげですね
刺し盛が良い感じですし、白子がまた美味しそうです
それと鯖の煮つけの炊き込みご飯、これまた珍しいですね
初めて見ましたが美味しそうですよね
それにしても釜石駅前は人通りもなく閑散としていますね
タクシーがポツンと停まっていますが、これで商売になるのでしょうかね?
ありがとう、yukemuriさん。
結果、このお店にして良かったです。
お客さん、私以外に、誰も来なかったですけどね。
なので、のんびり出来ました。
炊き込みご飯は、このお店の締めのオススメのようで、
今回は、鯖でしたけれど、その時によって、違う炊き込みご飯になるようです。
わたしが行った時は、賑やかとされている通りも、なんだか寂しそうでした。
地方の飲食店は、大変だなあと思いました。