平 凡蔵。の 創作劇場

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散散歩歩。(1028)近鉄全線乗り放題きっぷの旅。(その1。序章)

仕事を終えて、帰宅途中のJRのシートに座って、ぼんやりと吊り広告見ていると、あるJRのお得な切符が目に留まった。
「どこでもドアきっぷ」
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どらえもんのイラストとコラボしていて、目の前のドアを開けたら、行きたいところに、ワープ出来るんじゃないかという期待を持たせる楽しい広告だ。
2日間、JR西日本の新幹線、特急の自由席が乗り放題で、土日なら12000円。
平日は、15000円と、ちょっと高くなるのだけれど、それでも、滅茶苦茶にお得なきっぷだ。
だって、新大阪、博多間を、新幹線で片道移動するだけで、14750円かかるのだ。
それを考えると、これは非常に気になるのである。
んでもって、3日間の切符もあって、これになると、さらに使える範囲が広くなって、JR西日本、JR九州、JR四国の新幹線、特急が乗り放題になる。
価格は、土日で、18000円、平日が、20000円だ。
帰路の電車の中で、まあ、2日間の休みが出来たら、どういう風に、このきっぷで回ろうかなどと考えていた。
まずは、大阪から、金沢か富山に移動する。
そこで、金沢で降りたなら、ハントンライスなんかをランチに食べるか。
或いは、隣のテーブルに可愛い女の子が座って、なんやかんやあるかもしれない。
まあ、その場合は、それ以降のきっぷを捨てるのも惜しくない筈だ。
そんなラッキーが起こらなければ、そのまま大阪へ引き返して、山陽新幹線に乗り込もう。
目指すは、博多だ。
兎に角、博多には、美人が多い。
ちょっと、オシャレなイタリアンバルに入ってみるのも良いだろう。
しかし、出会いなんて、期待すれば逃げていくものだ。
もし、巡り合わなければ、それまでのこと。
そんな時は、以前に行ったみゆきさんのコンサート会場サンパレスに、寂しさのあまり、ふらふらと歩いて行ってしまうかもだ。
それもいい。
次の日は、山陰本線に乗ってみるよ。
出雲で降りて、出雲大社に行ってみるか。
縁結びを神様にお願いにやってくる独身美人に声を掛けて見るのも一興だ。
あははは。
そりゃ、ダメに決まっているさ。
でも、それだからさ、「キエーイ、キッキッ、キエーイ。(奇声を発しながら)今、大国主命さまからメッセージが入ったんだ。君は、僕の運命の人なんだって。」なんて、大胆なナンパも出来るというものだ。
スピリチュアル系にハマっている女は、こういうのに弱いはずだ。
まあ、そこで、あんなことや、こんなことが、もしあったら、そのまま山陰本線に乗って、城崎温泉で途中下車して、外湯に浸かってさ、女の匂いを消して、ミニボンに、あれやこれやをバレないように帰宅することもできる。
そんな旅の日程を、まあ時刻表を持ってないので、時間的に出来るのかどうかは分からないが、想像していた。
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そんでもって、帰宅して、改めてパンフレットを見た瞬間。
そんな想像というか夢も、シュンと消えてしまった。
あまりにも使えないきっぷだったからだ。
と、ここから、この「どこでもドアきっぷ」の批判が続くのであります。
どうして、使えないのかというと、あまりにも縛りが強すぎる。
どこでもドアきっぷと聞いた時は、何て自由なきっぷなんだろうと思った。
ふと気が向いた時に、目の前のドアを開けてみる。
そこには、前からちょっと気になっていた、街がある。
そんなイメージだった。
でも、このきっぷは、7日前までに購入しなければならないのだ。
ちょっと出かけたくなって、なんてことは想定していない。
予め、ちゃんと計画をして行く旅しか認めていないのだ。
ああ、詰まらない。
どこでもドアきっぷじゃなくて、「ドアはあるけれど、7日間、開かないドアきっぷ」とでも名前を変えたいよ。
とはいうものの、まあ、これは置いておこう。
そこまで、目くじら立てるほどでもない。
凡が、1番気に入らないのが、「申し込みは2名様以上で」ということだ。
こんな制約を作る意味があるのだろうか。
一体、旅の単位は、2名であるという理由をJRに問いたい。
あくまでも、人間の単位は、1人である。
なので、旅の単位も、1人であることが道理に違いないのである。
このきっぷは、ひとり旅というものを、ハナから想定していないのである。
いや、この2名でと決めた背景には、非常に差別的なものを感じるのだ。
それも意図的に、何らかの偏見に満ちた観念を市民に植え付けようとする悪意のようなものをね。
その観念は何かというと、人間は、2人であることが健全で、また完全なのだというイメージだ。
2人でいることが正常で、1人は異常であるというイメージ。
極めて、危険な考え方だ。
詰まりは、1人という状態は、2人という状態から、半分が欠損した状態というわけだ。
敢えて、ここで差別用語を使うのだけれど、JRが言う旅の単位は、欠損した状態、詰まり、カタワとか、片割れということだ。
もともと1つの物の、その半分と言う事だ。
詰まり、片割れは、旅をする資格が無いとJRは言っているのである。
感じで表すと「隻」ということになる。
と、ここで隻という言葉を書くと、みゆきさんを思い出してしまう。
みゆきさんの大切な曲に「二隻(そう)の舟」(今は、この二隻という漢字を、二雙(双)という漢字に変えられていますが)があるからで、凡の大好きな曲だ。
これも、もともと、1つの舟だったものの、その片割れの1つずつの舟が2つという意味だろうと凡は思っているのだけれど、そんなことを考えに入れると、あの歌詞も胸に迫るものがある。
と、ここでみゆきさんを持ち出すと、意味なくウットリとしてしまうので、みゆきさんは置いておいて、JRの差別に話を戻すと。
2人以上でという制約は、国民に2人であることが、普通で、健全で、自然で、正常だというイメージを植え付けて、男女をカップルにさせ、子どもを増やして、その増えた子供の税金を確保しようとする政府の陰謀なのだろうかと、凡は疑ってしまう。
或いは、1人であることが、異常だと国民に思いこませて、1人であることの寂しさを、国民に思い知らせて、カップルじゃない、或いは、友達のいない人を自殺に追い込もうとするアメリカのイルミナティかなにかの裏の組織の人類抹殺計画の1部じゃないのかと思ってしまう。
まあ、この推測は、雑誌ムーの読み過ぎなのかもしれないけれどね。
なので、凡が言いたいのは、旅の単位は、1人だということなのであります。
これは、声を大にして言いたい。
しかし、こんな発想は、なにもJRに限ったことではなくて、凡の家に届けられる旅行案内だって、或いは、温泉旅館の案内だって、その料金表には、2名以上、3名以上という表記はあっても、1人の値段設定は書かれていない。
これもまた、陰謀なのだろうか。
とはいうものの、温泉旅館は、その気持ちは解らなくはないけれどね。
例えば、12畳の部屋だったら、やっぱり2人ぐらい詰め込みたくなるのかも。
コスト的にね。
でも、料金表には、たとえ高くなっても良いから、1人の値段設定を書いて欲しいと思うのであります。
と、そんな批判を書いたのだけれども、実際の問題として、果たして、世の中で、カップルになれる人というのは、そんなにいるのだろうかと思う。
このカップルと言うのは、何も、男女とは限らない。
家族でもいいし、友達でもいいし、男同士だっていい。
一緒に、旅に出かけてくれる、あと1人がいる人っていうのは、そんなに世間にいるのだろうか。
世の中で、彼女や彼氏がいる人は、何パーセントだろう。
世の中で、両親が生きている人は、何パーセントだろう。
世の中で、兄弟がいる人は、何パーセントだろう。
世の中で、年をとって、まだ連れ合いが生きている人は、何パーセントだろう。
世の中で、友達がいて、本当に心を許せる人は、何パーセントだろう。
そんなことを考えると、2人になるための、自分以外の、もう1人を見つけることの困難を、痛いほど感じてしまう。
凡は、そんなに簡単に、もう1人を見つけることのできる人は、そうそう、いないんじゃないかと思うんだけれどなあ。
結局、人間は、みんな「ひとりぼっち」なんだよ。
たとえ、いつも楽しくお喋りしている友達がいても、でも、ひとりぼっちだ。
ひょっとしたら、仲良く暮らしている家族や、奥さんがいても、よくよく考えたら、ひとりぼっちなのかもしれない。
考えると、悲しくなるね。
そんな悲しくさせる原因が、JRのどこでもドアきっぷなんだ。
とはいうものの、ミニボンが、このきっぷで、どこかに行きたいと言えば、そりゃ行くかもしれないけれどね。
なのだけれど、凡の計画で行ったなら、「どうして、博多に行くのに、金沢に行かなきゃいけないの?」なんて、ケンカになるだろうなあ。
そんな使えないJRのきっぷを見た後に、胸のすくような切符を見つけた。
近鉄電車の全線乗り放題のきっぷだ。
JRの批判は、ここで終わって、これからは、近鉄電車の礼賛に入ります。
ある時、ネットを見ていると、近鉄電車が、新しく期間限定で、お得な切符を発売することを知った。
「近鉄全線3日間フリーきっぷ」だ。
面白そうだと、調べてみると、これがまあ、気持ちの良いほどお得なきっぷなのであります。
思わず、なんども内容を見返しましたよ。
近鉄乗り放題.jpg
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何がスゴイかというと、近鉄電車の全線が乗り放題なのだ。
まあ、それは名前の通りなのだけれど、これがスゴイじゃないですか。
とはいうものの、私鉄だから、エリアがJRに比べて狭いということはある。
とはいうものの、近鉄は、関西にあっては、大阪、京都、三重、名古屋と、他の私鉄に比べたら、かなり広いエリアを走っている。
そして、スゴイのが、使える日数と、値段だ。
連続する3日間乗り放題で、3日間で3000円だ。
3日間でだよ。
1日当たり1000円。
しかも、特急にも、特急料金を払えば乗ることが出来る。
詰まり、縛りなし。
気持ち良いね。
JRの関西1デイパスのように、新幹線には料金を払っても乗れないということがない。
まあ、青春18きっぷに関しては、これも普通にしか乗れないが、これは昔からのルールだし、普通しか乗れないルールを踏まえたうえで、どうきっぷを使うかというところを考えるのも醍醐味の1つだから、青春18きっぷについては、縛りは、これは認めよう。
そんでもって、近鉄のきっぷは、各施設の割引券や、ファミマでのドリンク無料券なども付いている。
至れり尽くせりだ。
そんなきっぷが、11月4日に発売される。(使えるのは5日から)
そうだ、このきっぷにも、縛りが1つあった。
それは、当日は買えないということだ。
前日以前に、使う日にちを指定して買わなきゃいけない。
とはいうものの、このきっぷの素晴らしいところを考えに入れたら、それは全く以って、許せる範囲だろう。
ということで、それならば、このきっぷを使って、どこかへ出かけようと思う。
予め近鉄のなんば駅に行って、きっぷを確保。
そして、10日と11日が休みだったので、そこで、近鉄電車に乗りに行ってきました。
もしよろしければ、お付合いくださいませ。

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