平 凡蔵。の 創作劇場

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散散歩歩(940)。青春18きっぷで、剣山ユダヤの秘宝旅(1)

青春18きっぷを買って、1つ目のスタンプは、鳥取への日帰り旅だった。
そして、今回は、休みが取れたので1泊2日で行ってこようと思う。
そして、今回は、行く場所を決めていた。
四国の徳島にある剣山である。
以前も行こうと思ったことがあるのですが、山の素人が登ろうとすると、リフトなどが動いている時期しか無理で、青春18きっぷを使って行こうと思うと、この夏の時期しかない。
んでもって、何故に剣山かと言うと、剣山には、ユダヤの三種の神器、詰まり、それは十戒の石板、アロンの杖、マナの壺のことなのですが、それを納めたアークが、剣山に埋められているという伝説があって、是非、その伝説の山に行ってみたいというのが理由だ。
これは、ただ根拠のない伝説というわけでもなく、高根正教と言う人や、別の時代に山本英輔という軍人が、発掘調査をしていて、地中に不思議な岩があることや、ミイラも100体見つかっています。
三種の神器はどうか不明だけれど、何か不思議なことが、この剣山に起きたことは間違いないようです。
しかも、その剣山の周辺には、栗枝渡神社(くりしど)という神社もあって、これなんかは、もう、ムー民ならキリストと関連付けしたくならない人はいないでしょう。
ということで、その剣山のパワーを感じに行ってみようということなのであります。
ということで、
8月4日(日曜日)。
朝6時過ぎに家を出る。
んでもって、京橋にて入鋏、大阪駅まで移動した。
07時06分、網干行き 快速。
4人掛けシートの窓際に座れた。
そして、これからの旅は、どんなだろうねと思って、窓の外を見たり、時刻表を見たりしていた。
すると、あれは、尼崎駅だったか、結構な年配の女性が乗り込んできて、窓際の凡の前の席に座った。
そして、座ったと思ったら、いきなりブラインドを勢いよく引き下ろした。
座るか座らないかで、ガラガラと音をさせながら乱暴に下したので、状況を見ないで、そんなことをするなんて、スゴイなと思ったら、これまた、一瞬、たぶん1秒ぐらいだと思うけれど、シートにお尻を付けた瞬間、また立ち上がって、「ソーリー」と言ったかと思うと、凡の前まで身を乗り出して、今度は、凡の横のブラインドを、勢いよく音をさせながら下した。
ビックリして、凡は、おばあちゃんを見たら、「アー・ユー・ファイン?」と、何事もなかったように聞いた。
凡は、ビックリすると同時に、無性に腹が立って来た。
「これは、あなたのブラインドか?ここはあなたの家か?」と聞いてやりたかったが、こんな場合、すぐには、そんな返事が出来ないのが凡だ。
普通、座ってから、しばらく様子をみるだろう。
そして、日差しが眩しかったら、自分の側の窓だったら、そのままブラインドを下すだろう。
でも、向かいの席の窓だったら、窓の横の人に、「眩しいので、ブラインドを下して良いですか。」と一応は聞くだろう。
こう言われると、ほとんどの人は、「どうぞ。」と快く下ろさせてくれるはずだ。
それを、凡を全く無視して、凡の横のブラインドを乱暴に下げると言うのは、どうだ。
いや、凡の横のブランドだって、本当のところを言うと、凡のブラインドではない。
凡の隣の人にも、窓の外を見たい人もいるだろうし、眩しいと思う人もいるだろう。
だから、正確に言うと、誰のものでもないブラインドなんだ。
ただ、仮に窓際に座っているという状況においては、一応は、窓の横の人に確認しなきゃいけないだろうと思うのであります。
しかも、日差しが眩しいなら、仕方がないだろう。
でも、この時は、まったく日が差し込んでいなかったのだ。
日が差し込んでいないのに、こんな自分勝手な行動をしたことが、更に腹立たしく思えてくる。
とはいうものの、すぐには、言い返せず、しばらくしていうのも、間が抜けてるし、
何しろ、相手のおばあちゃんは、どうみたって、見た目が日本人なのだが、英語しかまだしゃべっていない。
ここで、英語で抗議をする勇気もない。
しかたなく、ブラインドを閉めたまま神戸あたりまで過ごしていたが、おばあちゃんが寝たので、凡の側の窓だけブラインドを上げた。
何か、旅の始まりに、面白く無いことが起きたものだ。
そこまで腹を立てることでもないと凡も冷静になると思うけれども、ずっとブラインドを閉めたままだから、乗っている間、ガラガラと下ろされた時のことが忘れられず、小さなイライラを、どこかに持ったまま、シートに座っていることになる。
凡の好きな車窓も見ることが出来ない。
これから始まる旅が、楽しいものであってくれと願った。
08時45分、姫路着。
トイレに行っておきたい気もして、トイレに行くも、6、7人待ちで、そこまで切羽詰まってないかと、トイレのビッグは諦めて、スモールだけにして、吉例に従って、まねきの駅そばを食べる。
トイレに行きたいのに、そばを食べて大丈夫かと自問した。
IMG_9554 (2).JPG
09時11分、姫路発。山陽本線、新快速、播州赤穂行き。
補助席に座る。
目の前で、高校生の男4人、女性3人のグループが、みんなで手を叩いて、順番に何かを言ってゆくというゲームをしだした。
その光景を見ていると、どうにも、羨ましくて、「若いっていいな。」と呟いてしまう。
とはいうものの、よく考えてみると、若い人であっても、こんなに男女が仲良くゲームをするという、そんな関係を持てる人は、或いは、どれだけのパーセンテージいるのだろうかと思う。
凡の若いころは、自分で言うのもなんだけれど、シャイだったので、というか臆病だったので、こんなに明るく、男女でゲームをするなんてことは出来なかった。
というか、自分を主張することが恥ずかしかった。
或いは、今の時代でも、こんな男女の仲好グループは、あまりいないのかもしれない。
そんなことを考えると、改めて、「いいなあ。」とため息にも似た言葉を呟いていた。
そいういえば、みゆきさんは、高校生時代とか、男女仲良くゲームなんかしたのだろうか。
きっと、クラスでも優等生だっただろうから、みんなをまとめる役とかしてたのかもね。
自然と、4年ほど前に帯広に行った時の事を思いだした。
柏葉高校の校門から入って、校舎の外観を見た時の、こころの高まりが忘れられない。
あの校舎の中で、みゆきさんが青春時代を過ごしたんだね。
、、、と妄想しそうになったが、あまり高校時代の情報を持っていないので、現実にもどる。
09時30分、相生着。
09時32分、相生発。山陽本線、岡山行き。
結構混んでいて、座れなかった。
そして、
10時38分、岡山着。
今回の旅は、剣山に行くことだ。
剣山には、アクセスが極めて悪いので、このまま行くわけにはいかない。
山頂に、頂上ヒュッテという宿泊施設もあるが、山登りは素人だし、準備もしていないから、今日は徳島に泊まって、明日の朝イチに、山に登ろうと計画している。
なので、急ぐ旅でもないのである。
ということで、岡山で途中下車した。
それにしても、トイレに行きたい気がする。
さて、まだ早いから、どこかを観光しよう。
と考えたのが、竹久夢二の夢二郷土美術館(本館)だ。
駅からバスで、美術館の前まで行くことが出来る。
IMG_9555.JPG
美術館に着いたら、まずトイレだ。
岡山駅で行こうかと思ったが、やっぱり美術館まで我慢して良かった。
大概に於いて、美術館のトイレは綺麗だ。
美術館は、それほど大きな施設ではないけれども、竹久夢二が好きな人にとっては、実に楽しいところだ。
凡は、若い時から、竹久夢二の絵が好きだった。
というか、夢二が描く女性が好きだった。
首が長く、目は離れている、そして、S字のフォルムの体型。
あれは、凡の理想の女性の体型だった。
なので、1つひとつの作品の絵を見るというより、描かれている女性を見て回った。
どこかハカナゲな、そして、どこかモダンな、女性のその様は、この時代に行って、実際に、この女性に会ってみたいという願望を湧きおこさせる。
そんなことを、考えていると、もし竹久夢二が、現代にまだ生きていたなら、みゆきさんをどう描いただろうかと思った。
みゆきさんは、首が長いから、そのまま描いたとしても、きっと美しいに違いない。
そして、みゆきさんをS字体型にして描いても、これはきっと当時の憧れの女性に描かれるのではないだろうか。
兎に角ね、みゆきさんを素材にして美しくない絵が描けるはずがないのである。
image01-2.jpg(立田姫)
夢二の絵の代表作に、立田姫(たつたひめ)という題名の絵がある。
この絵の女性は、夢二が到達した理想の女性像だそうです。
また、夢二自身が、「自分の一生涯における総くくりの女だ。ミス・ニッポンだよ。」と語ったという話もあるそうです。
確かに、美しい。
そして、夢二の絵の特徴が、よく出ている。
赤い着物に、細い首、そしてS字の体型。
もし、この絵の顔を、みゆきさんの顔にすげ替えたなら、最高の女性像ができるだろう。
しかし、おかしなことに、そう考えたら、夢二の描いた絵が、急に物足りなくなってきた。
確かに美しい絵だ。
そして、美しい女性だ。
でも、何か物足りない。
「うん、なるほど。」
凡には、その原因は、すぐに解ったのである。
目だ。
目をつぶっている。
そういう視点で夢二の絵を見て行くと、夢二の描く女性の目は、これはこれで、美しいけれども、まつ毛を意識したものが多い。
特に、下のまつ毛を意識して描いている。
そして、白目と黒目のコントラストは、曖昧に描かれている。
勿論、まつ毛は、美しさの重要なポイントだ。
みゆきさんだって、コンサートの映像を見ると、着けまつ毛を、絶妙なバランスで付けている。
やや目尻のところを下げ気味に、笑顔になった時に、目尻が下がるように付けている。
あのみゆきさんの着けまつ毛を見ていると、凝り固まった凡のこころが、緩やかに解けていく。
ウットリとしちゃうのである。
264853.jpg(無断拝借ごめんなさい。)
yumeji.jpg
yumeji2.jpg
夢二の描く目も、この時の、みゆきさんの着けまつ毛と同じだ。
みゆきさんの着けまつ毛を目尻の部分を下げてつける効果を、夢二は、下のまつ毛を強調して描くことで、同じようなまつ毛の美しさを引き出そうとしている。
その辺は、夢二も、女性の美しさを追求するということにおいて、才能のある人だったんだろう。
しかし、夢二は、目と言う器官について、大いなる見落としをしていたのだ。
詰まり、白目だ。
みゆきさんの白目の美しさについては、ブログで何度も書いてきたので、ここでは割愛しますが、お時間があれば、過去の白目の記事を読んでくださいませ。
白目こそ、目と言う器官に於いて、もっとも美しく、もっとも重要な部位であるということを、発見できなかったのである。
それは、まあ仕方がない。
夢二は、その時、みゆきさんを知らなかったからだ。
もし、夢二が、みゆきさんの存在を知っていたなら、みゆきさんの白目の美しさに、こころ奪われてしまっていただろう。
そして、みゆきさんを知る前に描いた立田姫の絵を破り捨ててしまったはずだ。
立田姫の絵を「自分の一生涯における総くくりの女だ。ミス・ニッポンだよ。」なんて語った自分が恥ずかしくてね。
そんでもって、気が狂ったように、みゆきさんの絵を描き続けたはずだ。
或いは、みゆきさんの白目ばかり、狂ったように描いていたかもしれない。
sirome.jpg(白目ーっ)
しかしだ。
いくら描いても、本物のみゆきさんを正確に描写できる作品なんて描けるはずがない。
ひょっとしたら、自分の才能の限界を感じて、絵描きを止めていたかもしれないと思う。
「みゆきさん、君はどうして、そんなに美しいんだ。そして、その白目は、完璧なんだ。」
そう呟いて、頭を抱える夢二が見えた気がした。
とはいうものの、竹久夢二の絵は、どうにも凡の好みでありまして、ゆっくりと館内を見て回ったのでありました。
美術館の横には、グッズを売る建物があって、そこにカフェも併設されている。
夢二の好きだったというクリームソーダを頂いた。
IMG_9561.JPG
さて、岡山駅に戻ろう。

コメント

  1. yukemuri より:

    おっ、今度は徳島の旅ですか?
    徳島は大歩危小歩危しか行ってないので、ほぼ行ってないのと同じようなものです
    だから旅行記が楽しみですと思ったら、いきなり非常識なおばあちゃんの出現にビックリしました
    外人なんですか???
    いずれにしろ非常識な人と遭遇するとはガッカリでしたね
    とりあえず岡山で下車して夢二の美術館に行かれたんですね
    次はいよいよ徳島に突撃でしょうか?
    楽しみにしています!

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