平 凡蔵。の 創作劇場

恋愛ストーリーや、コメディタッチのストーリー、色んなストーリーがあります。
どれも、すぐに読めちゃう短編なので、読んで頂けたら、うれしいです。

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散散歩歩。(934)南紀串本の温泉旅。(2)

大江戸温泉物語の直行バスは、14時30分頃に、無事、南紀串本に到着。
チェックインは、バスの中で、ルームキーなどが入ったビニール袋を渡されて、説明を受ける。
これは、ある意味、合理的でいい。
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部屋は、2階だった。
荷物を解いて、浴衣に着替える。
そして、椅子に座って、外の景色を眺めていると、ああ、来たんだなあと、1泊2日の温泉旅ではあるけれども、日常とは違う静かな興奮を覚えた。
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窓の外は、海がすぐ近くまで来ていて、民謡にあるように、向かいには大島が、真正面に見える。
このホテルは、全室オーシャンビューが売りのようだ。
確かに、窓は大きく、窓枠が下の方にあるので、外の景色を見る工夫がされている。
しかし、凡は、窓の外の景色には、まったくこだわらない。
何故かと言うと、ホテルに滞在している時間のほとんどが、酔っぱらって寝てるか、まあ、到着した時は、こうやって窓の外を見るけれども、温泉にも入りに行くし、食事にも行くし、外の景色を見る時間が、考えてみると少ないからだ。
それよりも、値段重視。
ビューよりも、安いのがいい。
なので、当然、見晴らしの宜しくない部屋になる確率も多い。
渓谷の緑が美しい奥入瀬のホテルに泊まった時は、バックヤードの物置小屋ビューだったし、ある時は、駐車場ビューだったり、それで全く問題ない。
ひょっとしたら、この全室オーシャンビューのホテルも、この海に面した部屋よりも、実際は存在しないのだけれど、山側の道路や、その辺の家が見える街ビューの部屋の方が、凡にとっては楽しいかもしれない。
道路を歩く人を見るのも楽しいからだ。
とはいうものの、串本の道路には、人は歩いていない。
車もホテルの前の道路は、たまにしか走っていない。
そこは寂しい。
とはいうものの、折角のオーシャンビューなので、じっくりと、海を眺めようではないか。
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「うん、海だ。」
ずっと見ている。
何も変化はない。
「そうだね、海だね。」
しかし、このオーシャンという言葉なんだけれど、どうにもカッコ良い言葉じゃないか。
凡のイメージでは、ハワイとか、そんな南国の高級なリゾートホテルの、それも高層階からの眺めなのである。
シャンパンを手に全面ガラス張りの窓から、白いビーチを眺める。
薄手のワンピースが涼し気な40歳ぐらいのサラサラロングヘア―の女性が、裸足でワルツを、1人で踊る。
揺れる髪から、ジャスミンの香がした。
そんな、感じだよね。
それが、日本のドンヨリとした海に似合うのかどうか。
目の前の、海に向かって、「あんた、オーシャンだってよ。」と呟いてみる。
しかも、目の前の海は、太平洋なんだから、確かにオーシャンなんだけれど、目の前に大島という大きな島が、ドーンと立ちはだかって、どうにも、狭いオーシャンである。
それを見る凡は、小市民が行く温泉ホテルで、浴衣を着て、汗でべっとりとした髪を撫でながら、椅子にグッタリと座る。
髪を撫でた手を匂ぐと、疲れた匂いがした。
こっちは、そんな感じだ。
とはいうものの、到着して、凡は、そのオーシャンを満喫したのであります。
んでもって、そろそろ温泉に行こう。
ほんの少し、硫黄の匂いのする温泉に浸かって、疲れを取る。
露天風呂からは、串本のオーシャンが見える。
なかなか、気持ちが良い。
串本のオーシャンも、やるじゃないか。
温泉は、良かったが、このホテルの客数を考えると、身体を洗うシャワーの数が、少ない気がした。
温泉から部屋戻る時に、フロントで、新しいバスタオルを貰う。
この大江戸温泉物語では、「いいふろ会員」というのがあって、登録すると、そのホテル独自のサービスを受けられる。
南紀串本の特典は、バスタオル1枚貸し出し無料だ。
これは嬉しいね。
湯上りに、牛乳でも飲みたかったが、なんせ夕食はバイキングだ。
それに備えなくてはならない。
ただ、南紀串本のホテルの部屋には、これが設置されているのは初めて見るけれど、ウォーーターサーバーがある。
これは、良かった。
風呂上がりにも、ちょっと飲める。
それに、凡は、夜中何度も目が覚める。
んでもって、目が覚めたら、必ず水を飲むので、これは重宝したのであります。
さて、しばらくしたら、夕食の時間だ。
夕食は、バイキングだ。
食前に飲む胃腸薬を、例のウォーターで服用した。

コメント

  1. yukemuri より:

    凡蔵さん、やっぱりオーシャンビューは良いですよ
    違うビューでも楽しいこともありますが、隣の建物の壁が迫っていて圧迫感のある部屋に泊まった事がありますが、あれは悲しかったですよ
    あとはスキー場の雪囲いがあり、上のほうのほんの少しだけ外の景色が見える部屋の時も辛かったですよ
    だって、見えるのはほとんど雪の壁ですからね
    それはそうと、海を見ながらの露天風呂は最高なんじゃないでしょうか?
    ほんのり香る硫黄の匂いが、また温泉旅情を掻き立てられますからね
    うらやましいですよ!

  2. 平 凡蔵。 より:

    ありがとう、ゆけむりさん。
    ゆけむりさんの場合は、景色は、重要だろうなと、書いている時に、想像しましたよ。
    今回は、期待せずに行ってるので、海が見えたのは、良かったです。
    やっぱり露天風呂は、良いですよね。
    今回は、外から中が見えないように竹で編んだ塀のようなものがあったのですが、低いので、立つと目の前に、海と大島が見えて、なかなか気持ちが良かったです。

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