平 凡蔵。の 創作劇場

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散散歩歩。(899)福知山線の廃線敷ハイキング。

ミニボンが買って来た旅行の本「京阪神発 半日旅」吉田友和著 ワニブックスで、先日、姫路の太陽公園に行ってきた。
それが、意外にも楽しい物であったので、またもや、その第2弾として、どこかへ行こうかということになった。
そんでもって、今日行こうと思うのは、JRのかつての福知山線の武田尾にある廃線敷のハイキングコースだ。
福知山線というのは、尼崎駅から福知山駅までを走る路線で、その内の1部が安全対策で新線に変わったため、1986年に旧線は廃止された。
その廃線跡は、ひそかに廃線マニアや、ハイキングの人たちで人気だったのですが、危険な箇所の為、立ち入り禁止になっていた。
それが、2016年から、整備もされて一般開放され、今は普通の人気のハイキングコースとなっています。
とはいうものの、今でも、このコースは自己責任でということのようだ。
ということで、今回は、このJR福知山線の生瀬・西宮名塩から武田尾を結ぶ、廃線の跡を歩いてみることにしました。
11月1日(木曜日)。
京橋から、尼崎駅まで移動して、そこから、いよいよ福知山線に入ります。
宝塚を通過して、電車は山の中に入って行く。
ここらあたりまで来ると、少し旅行をしているような気分になってくる。
車窓を見ながら身体を電車の揺れに預ける。
この廃線跡には、JRの生瀬駅からでも、西宮名塩駅からでも行くことが出来るのだけれど、生瀬駅周辺には、車の多い個所を歩かなければならないので、西宮名塩駅から入ることにした。
まず、駅に着いたら、駅の横にある商業施設で、トイレを済ませ、持参したおにぎりと食べるおかずを購入。
トイレは、このハイキングコースには、入口と出口の2カ所しかないので、ここか、ハイキングコースの入口の簡易トイレかで済ませておく必要がある。
歩く時間は、2時間ぐらいだろうか。
凡には、このトイレが重要だ。

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(ハイキングコースの入口。地図の横に、パンフレットも用意されていた。)

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(今でも、自己責任で。)
んでもって、いざ出発。
ホームページからダウンロードした西宮観光協会の地図を見ながら、歩いて行く。
そして、入口の簡易トイレで、またトイレへ行く。
念には念をだ。
廃線敷に入ると、廃線あとらしく歩道には、枕木が残されている。
その枕木を感じながら歩くのは、鉄道ファンには堪らない楽しさがある。
そうして歩いてくと、右手に名塩川が見えて来た。
いつもは、電車の中から眺めるだけだけれども、こうやって歩きながら見ると、その流れが、思った以上に清々しいものだということに気が付く。
電車も良いけれども、この歩くというスピードもまた、人間には必要なのだなと、そんなことを感じながら、枕木を踏みしめて歩く。
楽しい。
実に楽しい。

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しばらくして、あっと気が付いた。
折角の景色だからと、メガネを外して、胸のところに引っかけて歩いていたのだけれど、そのメガネが無い。
どこかで落としてしまったのだ。
仕方がないので、またもや、今来た道を引き返す。
向こうから、中国か韓国から来た若い男性2人組がやって来たので聞いて見ると、そういえば落ちてたみたいだという。
なので、さらに引き返す。
そんな凡を心配してくれたのか、彼らもまた少し引き返しながら、凡の動向を気にしている。
すると、果たしてメガネが落ちていたのである。
それを拾い上げて、凡を見守っている外国人の青年に、高く手を振って合図した。
優しい青年たちだったな。
さあ、気を取り直して、先に進もう。
名塩川の横の配線の跡を歩くのは、来る前に想像しているよりも、遥かに気持ちがよいものだった。
来てよかったと思いながら歩く。
川の横には、切り立った山肌を見せるところもあって、なかなかの自然味を感じる。
そんな枕木の歩道を歩いて行くと、さあ、今日のハイキングコースで、少しばかり不安を感じていたものが現れた。
トンネルだ。
このハイキングコースは、山の中を走る線路だったので、もちろん、途中には、トンネルがある。
怖いじゃない。
トンネルでも、道路にあるトンネルではないので、ここで事故を起こして死んだ人はいないだろうから、幽霊が出る心配はなさそうだ。
でも、整備されているとはいっても、このトンネルには電灯が付いていない。
なので、真っ暗なのだ。
その真っ暗なのが、怖いじゃない。
それに、入口と出口の2カ所の穴はあるけれども、筒の部分は閉鎖されている。
山の中にいるという圧迫感もある。
考えると、怖いじゃない。
とはいうものの、このトンネルを越えなきゃ先に進めない。
とはいうものの、仕方がないので、行きしなに西宮名塩駅で買った懐中電灯を持ってトンネルの中に入った。
中を進んで行くと、やがて入口の光が消えて真っ暗になる。
懐中電灯で足許を照らしながら、ゆっくり進んで行く。
あれ?あまり、怖くない。
ミニボンと2人で話しながらということも大いにあるだろう。
これが1人なら、怖いに違いない。
それに、この日は平日だったので、ハイキング客は、まばらだ。
ときたますれ違うぐらいだろうか。
とはいうものの、トンネルの先や後ろの遠くから、人の声が聞こえてきたりする。
その声を聞くと、安心できたのであります。

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(中から外を見ると、こんな感じ)

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(枕木の上を歩くのは楽しい)
この1つ目のトンネルは、全長319メートルと中ぐらいの長さだ。
2つ目は、413メートルと長く、最後のトンネルは、91メートルと短い。
そんなトンネルが、この廃線敷には、6つある。
始めは怖いなと思っていたトンネルも、1つ通過すると、あとは少しばかり楽しくなってくる。
ここでトンネルと書いてきたけれども、本当なら内田百閒さんの阿房列車を思い出しながら、隧道と書きたい気もするな。
あの随筆の中に出てくる「隧道」という文字を、学生時代は、カッコイイなと読んでいたのを思い出す。
百閒さんが、もしこの廃線敷を歩いたなら、どういう感想をしただろうね。
きっと、川の流れや山の傾斜などを、面白く描いたのじゃないかな。
というか、その前に、もし生きていたなら、今の廃線多発の状態を、この廃線多発というのは、この福知山線の廃線のことじゃなくて、各地の過疎地の路線の廃線のことなのだけれど、それを百閒さんは、どう考えたかと知りたいものだ。
きっと、嘆き批判しただろうなあ。
なんてことを考えながら、歩いて行って、座れるところがあったので、そこでおにぎりと名塩駅で買ったイカの足の天ぷらを食べた。
道の横だったので、人の目が気になりそうだったけれど、食べている間は、誰も通らなかった。
このコースで食べるなら、もう武田尾駅に着く直前のエリアがオススメだ。
これは後で分かったのだけれど、もう最後の方に、川に面して座れるようになったところがあったので、そこで食べたら、気持ちが良かっただろうなと思う。

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(途中には鉄橋もある)

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(少しだけ川に降りることの出来る場所もある)

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(鉄橋を越えると川は左側に変わる)
ということで、約2時間ちょっと歩いて、ハイキングコースの終点に到着。
そんでもって、トイレへ行く。
念のためにね。

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(先に見えるのが、ハイキングコースの終点)

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(終点には、凡の大好きな水飲み場があった。)
さて、これから帰るのだけれど、武田尾駅の近くに温泉があるので、日帰り入浴でもしてみようかと思う。
武田尾駅を過ぎて歩いて行くと、その温泉ホテルに向かう道に看板があって、見るともう日帰り入浴の時間が終わっていた。
仕方がないので、足湯の出来る場所があるので、行ってみる。
道の横の、それほど綺麗ではない場所で、向かいの護岸工事のコンクリートを眺めながら入る足湯は、別にこれといって感慨はなかった。

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(こんなところにも痴漢がいるんだね。これは怖いね)

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(武田尾駅の下を歩いていると、ちょうど名塩隧道から電車が出てきた)

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(足湯の案内板が良いね)

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(足湯。何とかよく見える角度で写真を撮ったが、まわりは、それほど綺麗じゃないところにある。)
新しい武田尾駅から、宝塚へ出て、そこで阪急電車に乗り換えて、梅田経由で自宅に帰る。
このJR福知山線の廃線敷のハイキングコースは、思ったより楽しく、距離も2時間ちょっとということで、オススメのコースです。
日が暮れると、途中に電灯がないので、午前中に行くのが良いですよ。

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コメント

  1. ゆけむり より:

    なるほど、廃線あとをハイキングですか
    なかなか情緒があって楽しそうですね
    2時間ですか?
    う~ん、最近は2時間も歩いた事無いのですが、まわりの景色を見ながらなら何とかなるかな
    日帰り入浴が終了していたのは残念でしたね
    せっかくなら温泉には行ってサッパリしてから帰りたいですもんね・・・

  2. 凡蔵。 より:

    ありがとう、ゆけむりさん。
    廃線跡のハイキングは、なかなか楽しかったです。
    トンネルを歩いて通るなんてことも普段は出来ないですしね。
    最近、だんだん整備されてきているようで、終点には、新しい飲食店が出来ていましたよ。
    猪の料理なんかを食べさせるみたいです。
    一応、着替えを持って出たので、帰りに、宝塚へ回って温泉に入ろうかと思ったのですが、そのまま帰りました。

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