平 凡蔵。の 創作劇場

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どれも、すぐに読めちゃう短編なので、読んで頂けたら、うれしいです。

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散散歩歩(882)青春のうっかり旅(2)

15日の日曜日。
凡は、うっかり、青春18きっぷで行く予定の諏訪大社方面へ、普通運賃で旅をしようとしている。
名古屋で降りる時に精算したら、京橋から名古屋まで、3350円だった。
少し凹む。
青春18きっぷなら、1日分が、2370円だったのに。
なんて、うっかりなんだ。
さて、気を取り直して、名古屋のモーニングだ。
ただ、名古屋駅に着いて思ったことは、人が多い。
今日が日曜日で、明日が祝日とあってか、とにかく人でごった返している。
時間的に閉まっているお店も多いなか、喫茶店があったと思ったら、喫茶店なのに順番待ちだ。
それで、あっちこっち歩き回っている間に、時間が過ぎて行く。
良さそうなお店は、みんな待っているので、もうモーニングは諦めて、駅そばでも食べることにして、自動販売機で、下諏訪までの乗車券と、塩尻までの、しなの9号の特急券を購入。
乗車券3350円、特急券2680円。
ここで不思議に思う人もいるかもしれない。
あんなケチな凡なのに特急かと。
しかし、この選択は仕方がないのである。
京橋から、目的地の下諏訪まで、乗車券だけで(名古屋で途中下車したが)6700円も使ってしまっている。
本来の計画の青春18きっぷなら、2370円なのにね。
これだけで、もう十分に凹んでいるのである。
これで、下諏訪まで各駅停車で行ったなら、青春18きっぷと同じことを、わざわざ高いお金を払ってやっていることになる。
これじゃ、悔しいじゃない。
それに、当初の予定では、お昼と夕方の間ぐらいに着いて、まあ、のんびりしようと思っていた。
諏訪大社は、次の日の朝からいけばいい。
でも、折角、普通に行くのなら、特急で行って、その日の内に諏訪大社を回ろうと思ったのだ。
特急で行ったら、時間も早いし、青春18きっぷと違う旅になって、気持ち的に凡自身を納得させられる。
なんていう発言自体が、ケチなのでありまして、気の弱いところなのであります。
名古屋駅のホームで、まずは、きしめんを頂く。
出汁の色を見て、ここは関東圏なのかと思った。
500円。

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さらに、折角の特急だから、駅弁を食べよう。
ホームには、駅弁を売るブースが3カ所。
その内、2カ所は、たぶんお弁当業者のブース。
他1軒は、ベルマートというコンビニみたいなブース。
ということで、目についたお弁当屋さんで、「こだま」というお弁当を購入。760円。

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特急は、やはり快適だ。
車内は空いていて、2席の両方を使って、ゆったりと移動を楽しむ。
お弁当は、安心の幕ノ内で美味しかったです。
名古屋駅 11時00分発。特急ワイドビューしなの9号。長野行き。
塩尻駅 12時53分着。
塩尻駅のホームには、塩尻ワインのぶどう棚があって、信州に来たなあと思ったが、そんなことよりも、兎に角、暑い。
すぐに接続の各停に乗り込む。
塩尻駅 12時58分発。中央線小淵沢行き。
下諏訪駅 13時13分着。

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やっと、下諏訪駅まで来た。
この時間なら、諏訪大社の4社全部を今日中に回れるだろう。
観光案内所で、回り方を簡単に聞いて出発。
諏訪大社は、下諏訪駅に近い下社の秋宮、春宮と、茅野駅に近い上社の前宮と本宮の、4社の総称で、それぞれの神社の格は同じだという。
出雲での国譲りに負けた、建御名方神(たけみなかたのかみ)やその妻の八坂刀売神(やさかとめのかみ)を中心に祀られています。
そんな神話が古事記に登場するので、1度見てみたかったのであります。
駅を出て、まずは秋宮にお参りをする。
地元のボランティアの方が、みんなに案内をされていた。
諏訪大社は、ご神体が、本殿の裏の木だったり、或いは山だったりと、神道の原初的な自然崇拝の形を残していて、なかなか厳かな感じだ。
それに、この諏訪大社で注目されるのが「御柱」である。
テレビのニュースなどで、山の斜面を大木にまたがって、滑り落ちる御柱祭で見たことがあるけれども、実物を見たのは初めてだ。
その御柱が、本殿を囲むように4本突っ立っている。
これは、どこの諏訪大社でも同じ様式で、後で近くの小さな神社を見ても、この地域は、この柱を設置するやり方のようで、どこの神社に行っても、それに見合った大きさの柱が4本立てられている。
その意味を考えて見たが、解る筈もなく、ただただ、不思議な御柱に見入ってしまった。

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さて、次は、春宮だ。
秋宮から歩いて20分ぐらいだろうか、近いようだけれど、兎に角暑いので、なかなか遠く感じる。
途中に、岡本太郎さんの石碑を見つける。
春宮の近くに万治の石仏というのがあって、岡本太郎さんが絶賛したらしい。
その石碑の近くには、温泉らしき建物がいくつかあったので、入って見るのも楽しいかと思いはしたが、そのための着替えのTシャツや下着を駅のコインロッカーに入れて来てしまった。
この暑さの中、温泉に入った後に、汗でグショグショになったシャツをまた着るのは嫌だから、諦める。

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(温泉の前に会った岡本太郎さんの字)
そのまま歩いて、春宮に到着。
感じとしては、秋宮と同じような感じで、ここもお参りを済ます。
同じ御柱をこれまた有り難く拝見した。

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(本殿の後ろにある御柱)
さて、始めは、石仏は見なくても良いかと思っていたが、岡本太郎さんが絶賛したなら、それは見ておこうと思った。
春宮の横手から、石仏の方に抜けると砥川(とがわ)が流れていて、その中州に浮島社という小さな神社があった。
その辺りの雰囲気がなんとも良い感じで、草木の緑も美しく、また砥川の流れも美しい。
それは、誰もが思うのか、浮島社の前で、笛を神様に奉納しているのか、ずっと吹いている若い男性がいて、神社の裏に回ると、静かに結跏趺坐くんで瞑想している若者がいた。

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その中州を越えて石仏に行くと、石仏のお参りの仕方を書いた看板があって、なんでもお願いをしながら石仏の周りをまわるとか、そんなやり方だった。
石仏まで行くと、果たして、石仏の周りをまわるカップルがいた。
まあ、2人の願い事が叶えば良いのだけれどね、凡は、お願いはしなかった。

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石仏は、形は、なるほど面白い。
ただ、凡は、石仏よりも、さっき通り過ぎた砥川のせせらぎの方が気になる。
なので、お参りもせずに、川に引き返す。
たぶん、この辺りは、砥川でも上流にあたるのだろうか、流れる水が澄んでいて、見ているだけでも気持ちが良い。
川の水に触れることのできるところがあって、10人ぐらいが気持ちよさそうに見ている。
凡も、その流れを見ていたが、もう我慢が出来なくなって、靴を脱いで川のせせらぎに足を入れた。
ああ、気持ちが良い。
水は、かなり冷たくて、10分もつけていられないぐらいだ。
川に入ると、その流れに乗ってやってくる冷たい風も感じる。
川の外と、川の中は、熱帯と避暑地ぐらいの違いがあった。
もうあまりに気持ちがよくって、服も脱いで川で泳いでやろうかと思ったが、少し先に行くと流れが速くて危なそうだし、何よりみんな見ているので、それは諦める。

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川を出て、駅に向かって歩き出したら、少し下流で子供たちが泳いでいた。
気持ち良いだろうなあと、羨ましく見ながら駅に戻る。
それにしても、暑い。
手の甲を見ると、長風呂をしたように、汗でふやけている。

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それにしても、この秋宮、春宮のある下諏訪の街は、神社以外にも美術館やオルゴール館のような観光施設や、おんばしら館や、温泉と、見て回るのに楽しそうな施設がいろいろあった。
思えば、ここで1泊しても良かったか。
とはいうものの、ネットで検索したら、この周辺に宿はなかった。
地方でホテルがないと、これは困る。
下諏訪、上諏訪、茅野と、そのあたりで検索してもヒットしない。
楽天アプリでもダメだ。
なので、ブッキングコムでヒットした岡谷駅のビジネスホテルを予約する。
とにかく、寝るところは確保できた。
さて、下諏訪の駅から、こんどは茅野駅(ちの)に移動する。
ここの移動は、時間的にすぐだ。
ただ、本数が、少ない。
15時10分ぐらいに到着して、観光案内所へ行って、上社の回り方を聞いたら、今からだと歩いて回るのは大変だという。
前宮も本宮も、歩いて行くと1時間ぐらいかかるらしい。
なので、もう諦めて、駅前から前宮までタクシーに乗った。
運転手は、親切な方で、1000円札が不足していることを話したら、わざわざ運賃とは別に両替をしてくれる。
茅野駅から前宮まで、1200円。
前宮は、春宮や秋宮に比べて、ひっそりと、田舎の山のふもとの中に存在していた。
その素朴さが、かえって魅力的でもある。
本殿がぽつりと山の畑の中にあるので、4本の御柱もよく見ることが出来て、来てよかったと思った。

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(前宮の手水舎は、せせらぎだ)

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(前宮の本殿の横の御柱。まわりの田舎な雰囲気が良い)
さて、これから本宮まで歩こう。
それにしても、アイフォンの電池がもう10パーセント台になった。
それほど使ってはいないのですが、減りが早い。
凡のうっかりを悔やむ。
バッテリーを忘れていなければねと。
仕方なく、さっきの下諏訪駅で買った乾電池が4つセットになった充電器をアイフォンにつなぐ。
これで、やっとアイフォンも復活だ。
と思っていたら、30パーセントぐらいまで充電したら、もうエラーが出る。
長い間売れなかった商品で、新品だけれども、もう乾電池がダメになっているのだろうか。
どっちにしたって、30パーセントより上に充電できない。
買う時に、ちゃんとしたリチウム電池のバッテリーを買うべきか、臨時使用に限定して乾電池のを買うべきか迷ったんですよね。
リチウム電池のは、3000円以上でやや高かったし、家に帰れば持っている。
それなら、乾電池のも1個あれば、旅先で臨時のバッテリーとして使う事も出来るのじゃないかと考えたのだ。
金額をケチったために、無駄なものを買ってしまった。
「スカつかまされた。」そう呟きながら、本宮に向かった。
乾電池の充電器、2057円。
歩いていると、急に山の上の雲が真っ黒になってきた。
その雲が、みるみるうちに、こっちに近づいてくる。
これは、来るぞと思いながら、本宮に足を速めた。

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sansanpopo@tairabonzou.jp
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コメント

  1. ゆけむり より:

    なるほど、ご自宅から結局9380円ですか?
    かなりお高くついてしまいましたね
    これならむしろ新幹線でどこかへ向かっても良かったですね
    と言っても凡蔵さんは諏訪大社に行きたかったんですから、やはり予定通りなんでしょうね
    名古屋モーニングは行列でしたか?
    イマイチタイミングが悪かったですね
    更には乾電池式充電器がスカでしたか?
    これは増々微妙な雰囲気になってきましたね
    この後どんな展開、あるいはどんな風に盛り返していくのか楽しみです!

  2. 凡蔵。 より:

    ありがとう、ゆけむりさん。
    結構、高くつきますよね。。そういえば、1万円弱なら、新幹線も乗れましたね。そうしたら、快適な旅になったのにね。使えない期間だと解った時に、ピーチで安いのがあれば乗ってやろうかと思って検索したのですが、どれも高かったので、それは諦めました。ピーチの値段、最近高い気がします。それだけ、人気なのかもですね。
    乾電池式の充電器は、もう買わないです。いろいろ合わせたら、立派な充電器が買えたのに。ちょっとケチってしまったばかりに、、、ね。

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