平 凡蔵。の 創作劇場

恋愛ストーリーや、コメディタッチのストーリー、色んなストーリーがあります。
どれも、すぐに読めちゃう短編なので、読んで頂けたら、うれしいです。

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散散歩歩(881)青春のうっかり旅(1)

希望もしていないのに、日曜日と祝日の連休があった。
連休だと思えば、どこかへ行きたくなる。
ミニボンに言うと、どうぞ行ってきたらと答えてくれたので、どこかへ行こうと思う。
例によって行き先は決まっていない。
とはいうものの、手段は、これはもう、いつもの青春18きっぷしかないだろう。
今の時期だけのオマケなのでありますから。
それに、きっぷ1枚持っていれば、JR線なら、どこへでも行くことができる。
お金も、それ以上かからないというのが魅力だ。
行き先は、何となく今まで18きっぷでは行かなかった信州方面にしようと思う。
ムー民としては、ゼロ磁場で有名な分杭峠なんかどうだろうと思って調べると、バスの便が1日に2本ということで、これは時間的に無理だ。
それなら、諏訪大社なんて、たぶん行ったことがないし、古事記の国譲りの舞台でもあるので、1度は見てみたい。
信州には、きっと美味しいものもあるだろう。
ということで、7月15日(日曜日)と16日(月曜日)の2日間の青春18きっぷの信州旅であります。
んでもって、15日の朝、張り切って5時15分ごろに自宅を出発した。
何しろ、諏訪大社まで行って、見て回ろうと思ったら、このぐらいの時間に出なきゃいけない。
そして、6時前に京橋のみどりの窓口に行って、係りのお姉さんに青春18きっぷを下さいと告げた。
すると、お姉さんは、キャリーケースを持って、今から出発しようとしている凡を見て、「あのう、販売は出来ますけど、使えるのは、7月20日からですけど、大丈夫ですか。」と言った。
「しもたーっ。」
もうすっかり猛暑なので、使える時期になっていると疑ってもいなかったのだ。
なので、確かめることもしなかった。
しかし、ここでどうしたら良いのか。
お姉さんは、凡を心配そうに見ている。
仕方がない。
「いやね、青春18きっぷが20日からっていうのは、もちのろん、知ってますよ。そうそう、この格好でしょ、キャリーケース、いや、これは今から飛行機に乗って、どっかへ行っちゃおうと思ってるわけでね、そうそう関空からね。スチュワーデスさんが可愛かったらいいなあなんてね、まあ、それは置いておいてね、だから、飛行機でさ、どっかへ行くわけよ。んでもって、この青春18きっぷは、そう20日以降にね、どこかへ行っちゃおうとするときのために、今買っておこうと思っている訳なのよ。」という風な雰囲気を出しながら、無言のままジェスチャーで、飛行機のくだりを説明した。
「ええ、1枚下さい。」
とりあえずは、きっぷを購入。
凡が立ち去ろうとしたら、「お気をつけて。」と背中で聞こえたので、振り返って、手のひらを45度の角度に上げて、飛行機が飛び立つジェスチャーをして、ニコリと笑ってみせた。
みどりの窓口を出ると、崩れ落ちる凡。
これから、どうするの。
朝の6時だ。
もともと青春18きっぷなら、予算も安く出かけられるので、行こうと決めたのだけれど、それが使えないなら、どうしたらいいのよ。
切符の自動販売機の上の路線図を見上げながら、途方に暮れる。
このまま自宅に帰って、クーラーを効かせて昼寝でもするか。
でも、折角の連休だし、今もう出かける用意をして京橋の駅前にいる。
ミニボンに連絡して、凡のうっかりを報告した。
それじゃ、バスで徳島とか行ったらどうだとか言ってくれたけれど、どうもこの前に行ったばかりだし、その気になれない。
ということで、何処かへ行くとだけ報告して、電話を切ったら、アイフォンを充電するコンセントに繋ぐコードも忘れてるし、昨夜に充電した予備用のバッテリーも忘れているよとメールがあった。
弱り目に祟り目である。
喫茶店に入って、どうするか考えようかと思ったが、そうしている間に、凡の事だからお昼ぐらいになってしまうだろうから、その選択は排除して、立ったまま考える。
よし、初心貫徹。
このまま、諏訪大社方面へ出発しよう。
とはいうものの、青春18きっぷを使わないところが、もはや初心ではないのではあるが。
ただ、1番気持ちが納得するだろう選択に違いない。
ということで、気を取り直して、取り敢えずは2000円程度の切符を自販機で買って環状線に乗り込んだ。
06:21 大阪発快速。米原行き。
運よく座れたら、隣の窓際の20代ぐらいのサラリーマンなのか、学生なのか、判別不能な男の子が座っていた。
何か挙動がおかしい。
独り言を言っているようでもあり、持っている切符を窓に置いたり透かしてみたり。
手を無暗に動かしてみたり。
変である。
切符を見ると、自動販売機で買った切符じゃなくて、窓口で購入したものだ。
券面に、大阪から野田までの印字がされている。
わざわざ券面に印字させるとは、これは、普通はしない。
きっと鉄道ファンなのだろう。
それで、凡が推測するに「大回り乗車」をしようとしているのだ。
そして、駅員とのトラブルを防ぐために、わざわざ印字させたのかもしれない。
京都で下車したところを見ると、琵琶湖を回って、木津あたりから京橋まで戻ってきて、野田で下車しようという計画だろうか。
しかし、ここで思った。
変な行動をする人だけれど、意外としっかりしているじゃない。
わざわざ印字させるところなどを考えてもね。
それに比べて、この凡と来たら、真面目に、ちょんと座席に座ってはいたけれども、青春18きっぷの使用期間を確認しなかったり、アイフォンの充電器を忘れたり、うっかりだらけだ。
この変な行動の男の子は、凡なんかより、よっぽど高等な人間なのである。
どうして、こうも、うっかりなのだろう。
とはいうものの、うっかりは仕方がない。
うっかりなのであるから。
とはいうものの、うっかりは、意外と社会にとって必要なものなのであります。
この辺のところを、以前のブログにも書いたので、お時間がありましたら、読んでみてくださいましね。
列車は、08時06分に、米原に到着。
08時25分発の新快速、豊橋行きに乗り換える。
んでもって、名古屋に09時29分に到着。
ここで一旦、精算をして改札を出る。
折角だから、名古屋の喫茶店でモーニングでもたべてやろうと考えたからだ。
小倉トーストとアイスコーヒーを思い浮かべながら、エスカへ向かった。

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以前に書いた「うっかり」の文章の抜粋です。
お時間がありましたら、、、。

(前文略)
とはいうものの、凡はもともとウッカリだ。
それでいいんだ。
世間ではウッカリ者を馬鹿にすることがまかり通っている。
しかしね。
考えてみると、ウッカリ者は社会にとって必要欠くべからざる存在なのだ。
あの、ドラマ水戸黄門を見てみるといい。
あのドラマで必要欠くべからざる人物と言えば誰か。
まず、水戸黄門は絶対に必要だろう。
黄門さんがいなきゃ、ドラマ水戸黄門は中々にややこしいことになる。
しかし、助さん格さんは2人もいるだろうか。
あれだけ強いんだから、1人でもいいはずだ。
風車の弥七に至っては、あれは格好良すぎるよね。
天井から現れたりしてさ、しかも結構重要なネタをどこかから仕入れてくるんだね。
それに風車のかんざしに手紙を結びつけて投げたりするんだ。
凡はあれを見るたび、あの風車の空気抵抗はどうなっているんだろうと、作り話のお決まりだとは分かっていても、首をひねりながらも、風車が飛ぶ可能性を探ってしまう。
果たして可能なのかと。
とはいうものの、風車の弥七はどうしても必要だとは思えない。
それに比べて、うっかり八兵衛はどうだ。
あのドラマに八兵衛が出ていなかったら、寂しいよ。
もうストーリーが淡々と進んでいってさ、いつも30分ぐらいには事件が解決しちゃうんだ。
これじゃ視聴率取れないよ。
詰まりはである。
ドラマ水戸黄門は、水戸黄門と助さんか格さんのどちらか1人。
そしてうっかり八兵衛の3名いればいいのである。
そして八兵衛がいなかったら、非常に寂しいということである。
それだけウッカリ者というのはドラマにとって必要かくべからざる存在であるのであって、これは何もドラマに限らず、この現実社会でも当てはまるのである。
なのであるけれども、1人重要な人物を忘れていたなあ。
由美かおるさんである。
あのドラマには、これは水戸黄門以上に重要な役割を果たしている。
入浴シーンだ。
世のお父さんは、あのシーンを楽しみにしている。
詰まりは、ドラマも然り、現実社会も然り、美人のお色気は、これは絶対に外しちゃいけないものである。
そして、こんなことを思う。
ドラマも現実社会も、悪人と、そしてシッカリ者で腕力の強い善人とがいるから成り立つのだけれど、考えてみると、それらはどちらも必要なのだろうかと。
悪人も善人もいない、そんな世界が理想なんじゃないだろうか。
ウッカリ者とお色気美人だけの社会。
争いもない。
もっと言えば、過去の暗い暗黙のルールによって形成された善や悪という概念を必要としない社会。
誰でもが、相手のミスや攻撃をウッカリ許してしまう社会。
誰でもが、相手を好きになってしまう社会。
そして、そして、誰でもが美人な社会。
そして、そして、そして、誰でもが色っぽい社会。
こんな話も冗談で書いているのだけれども、でも現実になればいいなと思うのであります。
(原文)⇒⇒⇒
https://tairabonzou.jp/201601_article_14_html

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コメント

  1. ゆけむり より:

    これはこれは凡蔵さんらしくないミスですね
    使用開始時期をチェックしてないなんて、超初歩的ミスですね
    こういう時はガッカリしますよね
    それでも予定通り諏訪に向かうのは流石ですね
    おっと、スマホの予備バッテリーや充電ケーブルも忘れましたか?
    やはり暑さで注意力散漫になっているのではないでしょうか?

  2. 凡蔵。 より:

    ありがとう、ゆけむりさん。
    青春18きっぷの使用期間はビックリしました。いつもは、使用期間が、だいぶん過ぎてから買ったりしてますからね。
    どうしようかと思いましたよ。こんな時に、お金を余るぐらい持ってたら、悩まなくて済むんですけれどね。
    充電のケーブルは、よく忘れそうになるんです。でも、いつもは、出かける前に、気が付くんですけれど、今回はダメでしたね。

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