平 凡蔵。の 創作劇場

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散散歩歩。(376)どこかへ行ってきたらと言われて出かけた金沢の旅。(6)

今日もまたお釈迦様の元で修業をさせて頂いている凡。
己の自制心の無さ。
欲の深さ。
それについて、深く深く見つめ直す。
旅先のホテルのベッドの上でね。
「苦しい。」
昨夜は、いささか飲みすぎてしまいまして、完璧な二日酔いであります。
二日酔いになる度に、己の至らなさを身を持って実感するのでありますが、修行半ばの凡は、数日もすれば、その悟りを忘れてしまうようです。
人は、失恋をした時は悲観的な哲学者になり、二日酔いの時は自堕落な修行僧となる。
出来れば修行も若い尼僧としたいものであります。
「ねえー。凡ちゃん。早くお経を唱えましょうよ。」
「えー。面倒くさいなあ。」
「もう、凡ちゃんたらあ。ダメでちゅよ。ちゃんと修行しなきゃ。」
まだ、20代の尼僧から線香の匂いが漂ってくる。
こういう場合は、線香もいいものだ。
本来なら、凡はサラサラロングヘアーが好きだ。
でも、尼僧だから頭はツルツル。
でも、若い尼僧のツルツルは、これまた朝日に照らされてキラキラと輝く。
「はい、凡ちゃん。一緒に唱えよう。南無阿弥陀仏。」
「南無、南無、なむ、、、、。」
「もう、ちゃんと唱えなきゃだめでしょ。南無っ。」
ちょっと甘えた声で凡を叱る。
「南無っ。」
「南無っ。」
「なむ、なむ。」
「なむ、なむ、チュッ。」
「こらっ、凡ちゃんたら、チュッ。」
そんな修行だったら楽しいだろうな。
なんて、想像している場合ではない。
取り敢えずは、この二日酔いの吐き気を止めたいのでありまして。
「神様、仏様、どうかこの二日酔いを治してください。アーメン。」
いや、アーメンはキリストさんだ。
とはいうものの、二日酔いを治してくれるんだったら、お釈迦様でもキリストさんでも有難い。
いつもなら、旅に出る時は二日酔いの薬はお守りとして、バッグに入れてくるんだけれど、今回は持ってこなかった。
ベッドの上での修行もチェックアウトの時間を気にしながらしなきゃいけない。
それに、今回のプランはバイキングの朝食つきだ。
こんな朝に限ってバイキングとは。
でも、二日酔いの時に、少し何かを食べると治ることもある。
吐き気の辛さに猫背になりながら、1階のバイキング会場に行った。
いつもなら、和食を食べて、その後に少し洋食も食べる。

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でも、今回はパンとミルクとシリアルぐらいしかトレーに取らなかった。
それでも、食べるのに精いっぱいだった。
さて、この金沢ガーデンホテルさんの朝食は、もし正規の料金を支払っていたら、ちょっとガッカリしただろう。
料理の種類も少なく、何となく元気がない。
でも、今回はセット料金だからね。
それに、あまり食べられない。
さて、修行半ばでありますが、そろそろチェックアウトしなきゃいけません。
外へ出ると、良い天気だ。
取り敢えず、目の前にある金沢駅に向かう。

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そして、二日酔いの薬を買った。

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少し横になりたいな。
どうも、立っているのが辛い。
金沢駅で横になれるベンチを探した。
駅前には円形のベンチが数か所ある。
あるのだけれど、金沢駅は北陸新幹線が通る予定で、駅も改装されて綺麗になっている。
その為、駅を綺麗なままに保つためなのか、警備員のような人が沢山巡回していて、どうもそのベンチに横になるのは、注意を受けそうだ。
横になるのは、叱られるので、腕をつっかえ棒にして、斜めになる。
少しは楽だけれど、やっぱり辛い。
どうにも、仕方がないので、香林坊に向かって、トボトボと歩き出した。
「気持ち悪いよー。」
結構歩いたら、香林坊の近くに「尾山神社」があった。
ここは、加賀藩の前田利家を祀る神社で、神社なんだけれど、入り口の門にはステンドグラスがはめられていて、見た目も素敵だ。

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中に入ると池があって、その横にベンチがあった。
横になる。
コンクリートのベンチは、背中の部分がややゴリゴリとするが、長さもちょうどいい。
木々の隙間から漏れる光が、少し眩しいが静かなベンチに横になりながら回復を待った。
ありがとう、前田利家様。
ベンチに横になりながら合掌。
ここでもあまり長居はできない。
神社だもの。
その後は、また歩き出して、香林坊の中にある公園に近い商店街のベンチで、少しは回復したので、ただ座って目を閉じていた。
これで大分と回復した。
さて、観光前に遅い昼食をとりましょう。
パンだったら食べられそうな気がしたので、サブウエイでサンドイッチを食べた。

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なんとか回復。
やっと、修行の身から解放された。
でも、ツルツルの尼僧と分れるのは、少しばかり寂しかった。

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