平 凡蔵。の 創作劇場

恋愛ストーリーや、コメディタッチのストーリー、色んなストーリーがあります。
どれも、すぐに読めちゃう短編なので、読んで頂けたら、うれしいです。

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散散歩歩。(330)アイラブユー・ほたえてくれ!みゆきさーん(85)

真っ暗な会場の緞帳があがると、ツアーで見てきたステージのセットが現れる。
そして、みゆきさんが登場して、「空と君のあいだに」を歌い始めた。
もう、そこにみゆきさんがいるというだけで、胸がいっぱいになった。
コンサートの内容はといえば、いままでのツアーと同じプログラムであります。
でも、何かが違う。
みゆきさんが登場して、その表情を見て、何かが違うと感じた。
みゆきさん自体が、1回限りのこのコンサートを楽しんでいるような表情なのです。
チカラが入っているようで、それでいて、その舞台に立っていることを喜んでいるような、すごく素敵な雰囲気で始まった。
凡子としては、今までで1番良かったです。
本当に来て良かった。
歌の事は、よくわかりませんが、歌い方も違ったと思う。
歌の最後の部分で、ちょっとアドリブ的な歌い方をした曲もあったりね。
全体的に、少し可愛い歌い方もしているようで、今までのツアーでは、「月はそこにいる」という歌も、始めから勇ましい歌い方をしていたと思うのですが、今回の歌い始めは可愛い感じの声で歌い始めていて、凡子にとっては今回の歌い方の方が素敵だと思った。
それに、今回は表情も双眼鏡で比較的見れたのでね。
「化粧」
これ凡子の好きな曲なんですよね。
その化粧を歌う時の表情もすごく素敵だった。
♪バカだね、バカだね、バカのくせに、ああ、愛してもらえるつもりでいたなんて♪
のサビの部分の表情なんて、もう凡子のこころを鷲づかみにしたよ。
悲しくて泣いているんだけど、そんな自分が情けなくて、そんなどうしようもない自分を笑うしかなくて。
笑らいながら泣いている。
そんな表情なんて、誰も出来ない表情だよ。
ハリウッドのどんな大女優だって出来やしない。
そんな表情が、凡子のこころを虜にしてしまうんだろうと思う。
そもそも、みゆきさんの歌を知らないのに好きになってしまったのでありまして。
みゆきさんの見た目や、喋り方が、好きなんだと思う。
だから、あの表情には、やられました。
コンサートツアー2007の歌旅の中の、「ファイト」を歌う時の表情も大好きだ。
♪うっかり燃やしたことにして、やっぱり燃やせんかったこの切符♪
って歌う時も、今のどうにもならない状況に自分をおかざるをえなく生まれてきた運命を、自分ではどうにも出来ない状況を、笑うしかないという感じで、歌う時の表情なんか、見ると毎回に涙がこぼれる。
みゆきさんの縁会は、毎回、しゃべることも、ほぼ同じなんだけれど、今回のフェスティバルホールの喋りは、少し違うところがありました。
朝日新聞に掲載されていたフェスティバルホールの特集に寄稿されたみゆきさんの文章に書かれているフェスティバルホールのヌシの人が紹介されて、舞台に上がりました。
やっぱりフェスティバルホールはみゆきさんにとっても特別な舞台なのでしょうか。 
そして、今回も素晴らしいことが起こりましたよ。
これを素晴らしいというのは違うのかもしれませんが、凡子にとっては素晴らしいこと。
「地上の星」で、一瞬の歌詞忘れ、というか言葉が詰まった。
歌い終わった後に、みゆきさんが、そのことについて、やっちゃったねって感じで喋ってましたが、NHKの再現のようで、凡子にとっては素敵な一瞬だった。
それにそれに、凡が好きなのは、歌ったあとや、歌の途中で、キメ顔や、キメポーズをしてくれるところです。
これが、どうにも可愛いのであります。
しかし、しかしなのです。
凡子は、今まで、これはキメのポーズだと思っていたのです。
でも、今回のみゆきさんを見て、キメの動きだと解ったというか、気が付いたのです。
ポーズを決めているのじゃなくて、ゆっくりとした動きのある動作すべての瞬間が決まっているのです。
動かないダンス。
動かないバレエ。
動かない歌舞伎。
そんな感じ。
形や動きには、誰が見ても、美しいと本能的に感じる形や動きがある。
体の形や、重心の位置、腕の角度や、そんな誰がみても美しいと思う黄金比のフォルム。
激しい動きの中にも、一瞬止まるキメの形。
長い伝統の中で、練りに練り上げられた、究極の形。
スターと呼ばれる人は、そんな黄金比の形を、常に意識しているはずだ。
みゆきさんのキメポーズは、そんな見えていない動きの中の一瞬を切り取って舞台で見せてくれているのだと思う。
それがみゆきさんのキメポーズなのです。
それは動きだから、いろんな場所や角度にむけて、そのキメた形を見せることが出来る。
だから、みゆきさんには、客席の1階席でも2階席でも、右端の席でも左端の席でも、どの位置で見ても、その美しさに魅了されるのである。
こんなすごい人、ダンス界にも、バレエ界にも、歌舞伎界にも、いない。
とはいうものの、凡子は、そんな美しいみゆきさんも素敵だけれど、向かい合って、見つめ合って、そんなうつくし
い形なんてどうでもいい、人の目を無視したみゆきさんが見たいのであります。
ご飯を食べている時に、おかずをこぼしたりね。
テレビを見て、無邪気に笑ってるところとかね。
或いは、怒っているときでもいいや。
そんな、完璧じゃない、不完全な、みゆきさんをね、それも独り占めして見たいのであります。
それが夢だ。
夢は、いずれ実現するとして、今は完璧なみゆきさんを楽しもう。
舞台もアンコールになると寂しくなる。
時間よ止まれって思うよね。
「恩知らず」が始まって、あ、これは話がそれるけれど書いとかなくちゃ。
初めてやられました。
恩知らずが始まったら、前の男性が立ち上がったのです。
でも、凡子は立ちたくない。
男性の隙間から見ようと思うのだけれど、隙間が無い。
みゆきさんのファンにもこんな無神経な人がいるんだよね。
後ろの人は、どうでもいい。
自分だけ楽しければいい。
とはいうものの、そんなことを言っている時じゃない。
歌が始まって、それでも見たいじゃないですか。
凡子の後ろを見ると、広島からきたおばちゃんで、立っても凡子より背が低い。
でも、「後ろのおばちゃん、ごめん。」と立ち上がった。
それで「恩知らず」と「パラダイスカフェ」を立って見た。
どうも、後ろが気になって仕方が無かった。
そして、次の曲は、いままでだったら「ヘッドライト・テールライト」で、最後となるのだけれど、知らない曲を歌いだした。
あれ?と思ったが、すぐに解った。
みゆきさんが中島美嘉さんに楽曲を提供した「愛詞」(あいことば)だ。
それで、少し歌ったらステージの中央から少し立ち位置をずらしたかと思ったら、左の裾から中島美嘉さんが登場した。
黒いドレスに裸足の中島美嘉さんは、1曲を歌って、また左裾に帰って行った。
なんでも、仙台のコンサートを昼間にやったあと、そのまま、このフェスティバルホールに駆け付けたそうです。
実際に見ると、小柄な人なんですね。
今までは、そんなに興味は無かったけれど、みゆきさんと一緒のステージをしたということだけで、好きになった。
そして、最後の最後の「ヘッドライト・テールライト」。
もう終わりだなんて、寂しいね。
コンサートも終わって、いつものように会場で、帰るともなく出口に向かって、ゆっくりと移動していた。
どうもね、コンサートの後と言うのは、もの悲しいものですね。
同じように歩いている人が「良かったね。」とか「楽しかったね。」なんて、会話をしながら、何となく心残りな感じで出口に向かって、そろそろと歩くのは、お互いになにもしていないのに、みんなで何かをしたときのような、一体感を感じる。
そう思うのは凡子だけなのだろうかね。
でも、時間が来たら会場をでなきやいけないのでありまして、仕方なくドアを出た。
さて、この余韻をココロに残しながら、ビールでも飲んで帰りましょうか。

画像

(終了直後のフェスティバルホールの階段。何かさびしいね。)

コメント

  1. うかれぶた より:

    臨場感が 伝わってきました♪
    そうそうダッシュ(走り出すさま)
    その時々で、全て違う 今を歌ってくれるのが みゆきさん♪ まちがい方もね♪
    昔が今で、今が昔のような世界に行ける!?
    桜田淳子さん、昔街で会った時、みゆきさまに歌を貰ったなんて…羨まし~のと、何か心を入れたい人なんだって ゆう、感じを受けた。
    「化粧」は みゆきさまじゃないと泣けないけどね。
    私、今だに ワンカラで、「流れるな涙…」
    から、そう、泣き笑い…
    から、最後ボロボロに なる。
    去年の最後のメールになんか
    「ばかのくせに、あたし、愛してもらえると、思っていたなんて…」
    な~んて、盗作してたし
    猫ダッシュ(走り出すさま)
    そして、まさに!
    「なみ♪なみ♪」CDSHOPでいつも、みゆきさまより先に目に入る、中島美嘉さんだったけど、
    みゆきさまとコラボで、私ゃ まる子の前の宇宙戦艦大和から観てしまってる。

  2. うかれぶた より:

    みゆきさん って、
    踊るの?
    って…
    後輩の若僧に 聞かれた。
    凡子さ~んダッシュ(走り出すさま)
    言ってやって、
    言ってやって~
    あたしも、それが ゆいたかったのだべさっ!
    しかし…
    説明したとこで、
    器のない人間には、
    理解し得ないだろう。
    この世の はかなさ…
    わかってもらわなくて いいけどね、
    みゆき族だけの宝ぴかぴか(新しい)

  3. 凡蔵。 より:

    ありがとう、うかれぶたさん。
    みゆきさんって、本当に色んな歌い方が出来るよね。
    横恋慕とか、化粧もそうだし、ローリングやニ隻の舟、時代、狼になりたいとかとかね。
    どれも、同じ人が歌っているなんて思えないよね。
    可愛い声だったり、朗々と歌い上げたり、勇ましかったり、切なかったり、アンニュイだったりね。
    だから、他のアーチストの歌を聴いても、面白みがなくなっちゃった。
    大体テイストが同じ歌い方をする歌手が多いもんね。
    それに比べて、みゆきさんの歌は、どれもが違う歌手が歌っているような、それでいて、絶対にみゆきさんでしかありえなくて、そんな歌い方なので、もう、これがまいっちゃうんですよね。
    一度ハマッタら、抜け出せない底なし沼。
    今回のコンサートで中島美嘉さんを見れたのは、ちょっとしたラッキーでした。
    それに、今は歌はあまり聞いたことがないけれど、美嘉さんも好きになりました。
    みゆきさんが好きな人は、無条件に私も好き。
    とはいうものの、勿論男性以外ですけどね。

  4. 凡蔵。 より:

    ありがとう、うかれぶたさん。
    その後輩さんは、可哀想ですね。
    踊りというのは、ただ体を音楽に合わせてクネクネ動かすことじゃないということを知らないんだもの。
    踊りというのはね、こころの動きや感情が高ぶって来てね、それが人間の本来もっている太古のリズムにシンクロした時に、ああこれを表現したいって思ってさ、自然と体を通して表れるものなんだよね。
    だから、その動きが問題じゃない。
    動かなくてもね、こころの高まりと体のリズムを表現したなら、それは踊りだ。
    とまあ、そんなことは、ちょっと置いといてね。
    みゆきさんの本当の踊りも、これは素敵ですよね。
    今回のコンサートのアンコールのときのパラダイスカフェの時も、タンバリンを持って踊ってくれるんですよね。
    これがまた、可愛いというかカッコイイ。
    タンバリンさばきも、ひょっとして昔はノリノリでやってたのっていうぐらいキマッテタ。
    それに、夜会なんかでは踊ってるよね。
    まだ、映像でしかみたことがないんだけれど、金環食のときの泣かないでアマテラスなんかのときは、本当に1つひとつの動作が綺麗でさ、女神さまか天女か、このよのものとも思えない美しい踊りを披露しているよね。
    それに、花の色はうつりにけりなだったと思うんだけれど、そこで祭り好きな女子が踊るシーンがあるけれど、あれなんか、どうしたらいいのってぐらい可愛い踊りを見せてくれている。
    サーモンダンスの時も、ステップを踏む足が、本当に美しくて愛おしい。
    なので、普通に一般的に言うところの「踊り」も、これは間違いなく完璧なのであります。
    その後輩さんには、ユーチューブなんかで、みゆきさんの夜会のシーンを検索して見て欲しいな。
    そしたら、その後輩さん、絶対にDVD欲しくなっちゃうよ。

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