平 凡蔵。の 創作劇場

恋愛ストーリーや、コメディタッチのストーリー、色んなストーリーがあります。
どれも、すぐに読めちゃう短編なので、読んで頂けたら、うれしいです。

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散散歩歩。(329)アイラブユー・ほたえてくれ!みゆきさーん。(84)

18時。
フェスティバルホールの入り口が開く。
みゆきさんのコンサートは、年配の方が多いのだけれど、今回は若い人も多い。
恒例のパスポートにスタンプを押す。
そして、DVDを1枚購入。

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さて、これで開演まで用事はない。
まだ椅子に座るには時間が早いので、会場内をぶらぶらとしていた。
80才ぐらいのおっちゃんが、これも最近にファンになったんだろうな、CD販売所で8枚ぐらいのCDを嬉しそうに持ってる。
そして販売員に渡した。
「あの、これ同じCD入ってますけど。」
常夜灯を2枚持っていたのです。
「おっちゃん。大丈夫かー?」おっちゃんの背中に叫んだ。
だぶん、このおっちゃんも、みゆきさんが好きなんだろうな。
そして、うれしくてうれしくてCD買ったんだろうな。
でも、普段CDなんか買ったことないし、訳わからんようになってしもたんやろな。
そう思うと、自分を見ているようで、悲しくなった。
「凡子もみゆきさんに逢うために頑張るけど、おっちゃんも頑張りや。お互いにもう時間そんなに残ってないで。」
メッセージコーナーでは、50才ぐらいの男性が、何かのコピーを丁寧に折って、メッセージ用紙にホッチキスで留めて、更にクリアケースに入れて、投函していた。
これは、重いメッセージだな。
みゆきさんが好きなのだろうけど、逆効果なんじゃないかな。
凡子も気を付けなきゃね。
軽いタッチでアプローチしなきゃと反省した。
さて、どうしますかね。
とはいうものの、会場に早めに入って、ぶらぶらするのは、これは少しばかり楽しいものである。
これから始まるコンサートに期待を膨らませているところの、みゆきさんが好きな人ばかりが集まっている場の雰囲気が、心地いい。
今日は、ツアーも終わって、特別な1回限りの追加のコンサートだ。
ゆっくり楽しもう。
エントランスにあるスタンドのカフェでビールを注文。

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今までは、みゆきさんのコンサートに備えて、ドリンク剤やらカフェインやら、兎に角ね、目の覚めるものばかり飲んできたのだけれど、今日は特別な1日だ。
ビールで景気を付けましょう。
こういうのも、またいいね。
とはいうものの、寝ちゃだめなので、眠気防止のドリンクも飲む。

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酔いたいのか、覚醒したいのか、どっちやねん。
ここでもまた意味不明なことをしていまう凡子でありました。
さて、まだまだ時間はありますが、席に座って待つことにしよう。
最近できたホールとあって席の横幅は、まあ他の会場に比べるとまあ、ゆったりとしているほうか。
それよりも座った瞬間、「あ、硬いな、」そう思った。
座席が、やや硬めなのです。
これはいいですね。
こっちのほうが、長い時間見ているのにも疲れにくい。
凡子の左は、女性の親子が座った。
そして、右側は、1つ空席をおいて、若い女性だ。
就活中なのか、新入社員なのか、黒のスーツで、スカートはやや短い。
すると、彼女が足を組んだ。
短いスカートの裾が、さらにめくれて上にあがる。
綺麗な細い足が現れて「もう、やめてよー。」と思った。
普通なら確かにこれはうれしいことに間違いがない。
言わば、「人生の余禄」というものだろう。
とはいうものの、今日はいつもとは違う。
みゆきさんの1回だけの追加公演だ。
それに集中しなきゃね。
とはいうものの、凡子も男である。
若くて綺麗な女の人の足に興味は、勿論あるのでございまして。
うん、しかも、これはかなりあるな。
とはいうものの、こういう場合、これを直接じっくりと鑑賞するのは、セクハラと取られる行為であるそうで。
だから、ちらっと一瞬、見てないそぶりで見なきゃいけない。
横眼というのは難しいものですね。
それに、後ろの人の会話も耳に入ってくる。
四国から来た年配の女性の2人ぐみはチケットが取れなかったそうです。
じゃ、毎回取れている凡子はラッキーな方なのかな。
凡子の左の親子は、お母さんはみゆきさんのかなりのファンのようだが、娘さんは文庫本なんかを読んでいるところからすると母親についてきましたという感じだろうか。
それにそれに、待っている間に、双眼鏡の焦点を合わせておかなきゃいけない。
一体は、コンサートがメインだからね。
んでもって、右にいる若くて綺麗な女の子の足を、これまた一瞬ちらっと見る。
「ドキッ。」おじさんでもこれはドキッとするのよね。
そして、後ろの年配の女性の会話だ。
チケットが取れなかったから、息子さんにネットのオークションで落札してもらったそうだ。
良かったね、いい息子さんがいて、それにチケットも取れたんだもね。
それで、左の親子は寄り添って小さな声で話をしている。
仲が良い親子ですね。
だって、みゆきさんのコンサートにくるんだものね。
優しい親子なんだろうな。
そんでもって、双眼鏡の焦点だ。
まずは、左の目で焦点を合して、それで次に右の目で焦点を合す。
左右の目の視力の差を調節できる双眼鏡なんですね。
そんでもって、またまた、右の若くて綺麗な女性の足をちらっと見てね。
、、、、、どうも、待ち時間も大変だ。
そんなことをしていると、開演のブザーが鳴った。
「ドキッ。」
これは、本当のドキッでありまして、いよいよみゆきさんに逢えるというドキッであります。
会場のライトが消えて、場内が期待に満ちた静けさになった。

コメント

  1. うかれぶた より:

    親子の場合、それは しあわせな家庭なんだろうね♪
    そして、友達同志も 然り。
    今のあたしは…
    言ってみれば
    「シュガー♪」のヒロインを地でやってるような…
    とても、現状は、おっかけファンのようについていけない。
    ファンじゃないのかもしれない。
    凡さんの方が、みゆきさんの 全貌を網羅しているもの。
    私は、いつの間にか 気が付くと、みゆきさまの歌しか心に刺さるものが なくなっていたので、聴いてる。
    心だけで、追っかけて、特に、孤独になった時にはね。
    現在進行形の、胸に 突き刺さりの人は、何人いるのだろうか?

  2. 凡蔵。 より:

    ありがとう、うかれぶたさん。
    うかれぶたさんは、私なんかと比べたら、ずっと前に向かって歩いているように思うなあ。
    それに若いしさ。
    それに可愛いしさ。
    あ、これは、うかれぶたさんに会ったことがないので、妄想でね。
    たぶん、そうじゃないかと。
    そんなね、ファンの中の順位を争っても仕方がないよ。
    おっかけファンなんてさ、結局はファンなんだしさ。
    私は、ファンじゃなくて、ただみゆきさんが好きなだけなんです。
    ファンじゃだめなんです。
    だから、逢いたいんです。
    だから、逢って好きですって伝えたいんです。
    たとえ玉砕してもね。
    でも、その勇気が無い。
    うかれぶたさんも、そうじゃないかな。
    ただのファンというよりもみゆきさんに、ただ共感している。
    それだから、みゆきさんと、スターとファンという関係じゃなくて。
    仕事でもなんでもね、人間同士としてみゆきさんと付き合いたい。
    そんな感じがするんだけどなあ。
    でなきゃ、ファンでおっかけするなんて、私には理解できないんだ。
    そんなの、ホントに好きだっていえるのかなって。

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