平 凡蔵。の 創作劇場

恋愛ストーリーや、コメディタッチのストーリー、色んなストーリーがあります。
どれも、すぐに読めちゃう短編なので、読んで頂けたら、うれしいです。

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散散歩歩。(328)アイラブユー・ほたえてくれ!みゆきさーん。(83)

5月23日。
夢見る乙女「凡子」は、いそいそとフェスティバルホールで行われる「みゆきさんの縁会追加公演」へ出かけるべく支度をしている。
もう、待ちに待ったんだもんね。
双眼鏡とチケットをチェックして家を出て、近くの交差点まで来て「あっ。」と忘れ物をしていることに気が付いた。
「歌姫国パスポート」。
これがなきゃ、記念のスタンプ押せないじゃない。
なので、また家へ戻る。
しかし、どうもファンのような行動をしている凡子が切なかった。
いつか付き合えることを願っている凡子なのに、ついついファンとしての行動をとってしまう。
でもまあ、今日は仕方がない。
1日だけの追加公演を楽しむことだけを考えよう。
フェスティバルホールに着いたのは、5時ごろ。
まだ早いので、少し食べておこう。
地下にある「インディアンカレー」。
大阪に住む人だったら、誰でも知っている美味しいカレーのチェーン店だ。
1匙口に放り込んだら、甘さが口中に広がるんだけれど、やがて辛さに変わる、癖になる仕上げのカレーは、高校時代から大好きだ。
なのだけれど、今日はちょっと妙なことをしてみようと考えた。
このインディアンのカレーは、普通はカレーしか置いていない。
ただ、いくつかの店舗は、スパゲッティやハヤシライスがメニュにあるお店もある。
とはいうものの、このお店に入ったなら、殆どの人はカレーを注文するだろう。
しかし凡子は、今日に限ってはハヤシを注文。
本当は、カレーを食べたいのだけれど、そこを敢えてのハヤシだ。

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みゆきさんに逢える喜びに、頭のネジが逆回転したのだろうか。
食べたいものを目の前にして、それほど食べたくないものを食べる。
どうにも妙だ。
何か今までの自分の流されるままの過去に対する反抗。
何かを変えたい欲求。
とはいうものの、そんな反抗や欲求と、ハヤシを注文するという妙な行動は無関係なのでありますから、一体が、無意味な反抗であり、結滞な行動である。
そして、食べ終わって思った。
「カレーを食べたかったな。」
どうにもアホな凡子であります。
何故、こんなことをしたんだろうね。
みゆきさんへの思いが、熱となって凡子の脳みそを沸騰させちゃったのかな。
意味不明。
フェスティバルホールの階段まで戻ると、沢山の人が既に待っている。
とはいうものの、広いので窮屈な感じじゃない。
そこここで、ファンのグループのような集団が、久しぶりにあったのか、楽しそうに話をしていた。
いろんな情報なんかも交換するんだろう。
男女が仲良くしているのを見ると、何だか羨ましくて、仲間に入れてもらいたくなってくる。
でも、それをしちゃいけない。
みゆきさんのファンの1員になっちゃいけないのです。
あくまでも、凡子はみゆきさんと付き合うことが目的なのです。
独りぼっちで、岡本太郎さんの言葉を思い出して、みゆきさんへの愛を温め続けよう。
フェスティバルホールの赤い絨毯の階段を上ると、入り口があって、その前にみゆきさんのフェスティバルホールへの気持ちを書いた大きな色紙が飾られていた。

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みゆきさんの実物の字を見たのは初めてだ。
どうして、こんなに可愛い字なんだろうね。
「もっぷでやんす」の絵や文字を見て、みゆきさんって高校生のような字を書くんだなあって思っていたけれど、やっぱりそんな感じの可愛い、そして癒される字だった。
あんな字で書かれたラブレターをみゆきさんから貰えたら最高だろうな。
いや、ラブレターじゃなくてもいい。
ただ、みゆきさんの字だというだけで、特別なものになる。
フェスティバルホールの横の道を歩いていると、みゆきさんが走って凡子に近づいてくる。
「はあ、はあ、はあ。」
切らした息は、みゆきさんだから、やっぱりジャスミンの香りで、凡の胸元に吹きかけられる。
額にうっすらと汗が滲んで、何故かそこに女性の色気を感じた。
笑顔に目を細めて、ポケットから手紙を出して、凡に手渡す。
「あたしが行ったら、これ読んでね。」
みゆきさんからの手紙。
こんな素敵なことってあるだろうか。
封を開けると、そこには高校生のような可愛い字が、気持ちいっぱいに書かれている。
眺めるだけでも、凝り固まったストレスがじんわりと解かされて、癒されていくのが解る。
何て書いてあるんだろうと読んでみる。
「カレーを食べたい時は、カレーを食べようね。」
あれ、見られてた?
でもさすが、みゆきさん解っているよね。
自分の気持ちに素直に行動することの大切さを教えてくれた。
或いは、毎日、アホなことしてたらアカンよ。って意味なのかもね。
そんな文章でもいいから、みゆきさんの手紙が欲しいと、凡子は痛切に思うのでございました。
さて、入場までまだ時間があるけれど、この入り口の前で待っていることにしよう。

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(当日のフェスティバルホール。何となく昨夜と違う華やいだ雰囲気に思える)

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(当日のフェスの階段。待っている人がいなくなった瞬間に撮影。)

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(当日の看板。前のガラスに映りこんでの凡子の出演)

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(昨日の新聞広告の当日券は、売り切れ)

コメント

  1. うかれぶた より:

    みゆきさまの字は、内面と同じく 可憐だわょね♪
    あたしの夢の中の、直筆と おんなじ!!
    ただ、「おめでとう!」
    の横に、「メリークリスマス!!」 とも 書いてあったのが、何を意味するのか?謎のままなのだが…
    私は、長い髪を三つ編みにしていた頃から…
    筆字は素で、 書道の先生に 習ってるのかと云われる程、オール5 だったが…
    今だに、ペン字は 、三つ編みから成長しない丸文字。。
    でも、みゆきさまに 親近感だから、このままで
    いいかっ猫
    みゆきさま。
    横浜にも、おいでくださって ほしい~♪♪
    夢みる 三つ編み乙女猫 は…
    今、
    真っ赤な、サテン地の さざ波のジャガード織りがはいった生地で…
    みゆきさまへの、贈りもの♪喉を労る スカーフを 作っております♪
    仕上げに、「気」を入れて 虹色ビーズなどを あしらって みようかと。
    …そうですぅ! こういう時のスペシャル「気ダッシュ(走り出すさま)
    なのだわ猫ダッシュ(走り出すさま)

  2. 凡蔵。 より:

    ありがとう、うかれぶたさん。
    すごいね、筆の字が綺麗だなんて。
    カッコイイよね。
    私もペンは、どうもうまくかけません。
    特に、ボールペンは、自分でも判別不可能な字になっちゃう。
    でも、うかれぶたさんの場合は、丸文字を直しちゃだめですよ。
    みゆきさんを見習わなきゃ。
    筆とペンの字のギャップが、また、うかれぶたさんの魅力を増す要素になってますよ、きっと。
    ミステリアスな、うかれぶたさん。
    いいなあ、うらやましいですよ。
    うかれぶたさんみたいに、手に技を持っている人。
    スカーフ頑張って、みゆきさんのハートをゲットしましょう。
    私も、みゆきさんのハートをゲットできる何かをみつけなきゃ。
    、、、ぼくには、何もないなあ。

  3. うかれぶた より:

    そんなことありませんょ、凡子さんには…
    みゆきさんを、愛でる。
    めでる♪という素晴らしい表現力と才能が
    おありです!
    そして、あたしも…
    つい、便乗したくなって しまう♪
    語りたくなってしまう♪
    凡子さんには…
    人を惹き付ける 力がありますょ♪
    牡牛座B型♪
    美の女神ビーナスの星ぴかぴか(新しい) のもとに生まれた!?
    凡子さんも、私も。
    ふふふっ♪自信過剰になりましょ~

  4. 凡蔵。 より:

    ありがとう、うかれぶたさん。
    みゆきさんの場合ね、素材が完璧だからさ。
    ただ、感じたことを書いているだけで、どんどん書けちゃう。
    いくら書いても、新しい魅力を発見しちゃうんですよね。
    とはいうものの、
    書くのが遅くてね。
    1日分書くだけで、2、3時間かかっちゃう。
    バカの証明。
    えっ、美の女神ですって。
    うん、そういえば、そういえば。
    凡子って、美しい。
    そして、うかれぶたさんも、美しい。
    わーい。
    わーい。
    わーい。
    、、、、少しは元気でたかな。

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