平 凡蔵。の 創作劇場

恋愛ストーリーや、コメディタッチのストーリー、色んなストーリーがあります。
どれも、すぐに読めちゃう短編なので、読んで頂けたら、うれしいです。

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散散歩歩。(323)アイラブユー・ほたえてくれ!みゆきさーん。(80)

見るということと、見せるということには、雲泥の差がある。
見るという行為は、自分1人がいれば、それで完結するものだ。
それに対して、見せるという行為は、誰か、1人でも自分を見てくれる人がいないと、成り立たない。
そんな、見てくれる人がいる人なんて、そんな人を引き付ける何かを持っている人なんて、そこいらに沢山いる訳じゃない。
少なくとも、凡には、見てくれる人は存在しないし、惹きつける魅力もない。
なので、見るという事しかできない。
それゆえの、寂しさ。
それゆえの、気楽さ。
みゆきさんは、見せるというか、見られることに、喜びを感じる人なのだろうか。
あれだけ可愛くて、歌がうまくて、素敵な人なのだから、昔から見られることに慣れているのかもしれないですね。
でも、凡は見ることしかできないから、見に行く。
本当は、逢いに行くと言いたいのだけれど、これもまた1人では完結できないことなのでありまして、取り敢えずは、見に行くのでございます。
5月23日。
大阪のフェスティバルホール。
昨年から今年の2月まであった、縁会の1日だけの追加公演。
チケットが取れました。

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とはいうものの、またしても2階席。
どうも高いところは苦手なのでありますが、これもまた神様が無邪気に与えた試練でありましょうか。
前から分っていたので、休みもとってあります。
Gパンに白のシャツで、なりきりみゆきさんで、参加しましょうかね。
そして、これまた、なりきりのみゆきさんの若い女性と出会うのであります。
それが意外と若い。
25歳前後だろうか。
コンサートのDVDで着ていたような赤いドレス。
髪は胸まで届くようなサラサラのロングヘアーで、緩いカールを掛けている。
フェスティバルホールのロビーで偶然出会うことになる。
凡が、なりきりみゆきさんだと解ると、ベビーフェイスの彼女の頬にえくぼができた。
そして、恥ずかしそうにお互いに、軽く頭を下げる。
出合いの瞬間。
どちらからともなく声を掛ける2人。
これほど歳の差があるんだけれど、話題がみゆきさんだから、話が弾む。
そして、お互いに、なりきりみゆきさんだから、自然と呼び名は、お互いに、「みゆきさん」となる。
だって、なりきっている訳だからね。
コンサートが終わって、大阪には珍しいお洒落なカフェ。
今まで飲んだことのないような、名前の知らないおしゃれなお酒を飲みながら、2人のなりきりみゆきさんがグラ
スを交わす。
「乾杯、チーン。」
「ねえ、みゆきさん。(凡のことです)今日のコンサート、今までで1番良かったね。」
「そうだね、みゆきさん。(彼女のことです)やっぱり、恩知らずは、いいね。」
「あ、みゆきも(彼女のことです)、恩知らず大好き。みゆきさん(凡のことです)と意見があうね。」
「ホントだ。それじゃ、みゆきたち(2人のことです)付き合っちゃおうか。」
「あ、今、みゆき(彼女のことです)も、みゆきさんと(凡のことです)と同じこと考えてた。」
「じゃさ。今度、みゆきと(凡のことです)、みゆきさんと(彼女のことです)一緒に、みゆきさんの(これは本当のみゆきさんです)カラオケ大会でもしない。
そんでもって、みゆきさん(本当のみゆきさんのことです)の歌を、みゆきと(凡のことです)、みゆきさん(彼女のことです)でデュエットしようよ。」
「わーい。みゆき(彼女のことです)、賛成~!」
なんてね。
ちょっと、ややこしいけれど。
そんな展開、ありやなしや。
まあ、本当は、本当のみゆきさんに、逢いたい訳なんだけれども、なりきりみゆきさんでも、若くて可愛い彼女であるならば、それは嬉しいに違いない。
コンサートまで、あと1週間にして、凡の妄想は加速するのでございました。
さて、当日は高所恐怖症の凡にとって、2階の席は耐えることができるのだろうか。
それよりも、席まで辿り着けるかが問題であります。
そんなことを考えていると、メールが入った。
今年の11月から、「夜会ガラコンサート」というのが始まるそうですね。
東京、名古屋、大阪、福岡の4都市で開催されるそうです。
これでまた、今年もみゆきさんに逢えるんだ。
というか、凡にとっては、見れるんだということになるのだろうか。
何とか11月までに、見れるんだじゃなくて、逢えるんだに変えたいものであります。
でも、「夜会ガラコンサート」っていうと、「夜会」では、ないのでしょうか。
というか、どんなものであっても、「逢いに行く」のですけれどね。

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(朝日新聞に載っていた、フェスティバルホールの紹介)

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