平 凡蔵。の 創作劇場

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散散歩歩。(301)アイラブユー・ほたえてくれ!みゆきさーん。(67)

天神の駅まで戻って来たら、天神や中洲などの賑やかな場所を散策しながら、コンサート会場の福岡サンパレスへ向かう。
途中のコンビニで見つけたサンドイッチを歩きながら食べた。

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明太ポテトチーズなんて書いてあったものだから気になったのであります。
福岡と言えば、明太子だものね。
普通のお店にも入ってみたかったのだけれど、今日は立見席だから、出来れば早めに行った方がいいだろうということは、昨日の立ち見の順番待ちで想像できる。
ただ、福岡サンパレスまでは、街並みを楽しみながら歩くとなかなかの距離というか、時間が掛かりました。
さて、いよいよ今日がツアーの最終日であります。
サンパレスに着くと、既に立見席の順番待ちの列が出来ていた。
凡の前には、15人ぐらいの人が待っている。
ちょっと出遅れたかな。
これはどういう風に立つ場所を決めるのだろう。
昨夜に見ていると、係りの人が先導して、お客さんも行儀よく1列になって3階の壁際の通路を下りてきていた。
詰まりは、ダーッっと立見席に走って立つ場所を確保するのじゃなくて、並んだ順番に案内されるのです。
ということは、凡の前に15人ぐらいならんでいるということは、良いように想像すると、それで1列分が埋まる。
凡は2列目の最前列ということもありうるわけです。
そんな事を計算しながら待っているのですが、寒い。
これで1時間以上待つのは、立つのが辛いというより、寒くて辛い。
トイレに行きたくならないか心配だ。
順番に並んでいる人は、やっぱりみゆきさんのファンだね。
静かにただ待っていた。
それぞれのみゆきさんを胸に抱きながら。
凡の後ろには、20才代後半ぐらいのお兄さんが1人で来ていた。
今まで、凡は休みやすい平日にコンサートに参加していたのだけれど、年配の1人で来ているオジサンが多かった。
昨日もそう感じたんだけれど、今日も若い人が今までより多い気がする。
やっぱり土日は、仕事の休みという事で若い人が多いのかもしれない。
後ろの青年も、茨城から来ているという。
しかも、昨日も来たらしい。
みゆきさんのことを、こんな若い男性が好きだなんて、それも茨城から2日間連続で来るぐらい好きだなんて、これはいけません。
これじゃ、凡なんか太刀打ちできないよ。
若いピチピチしたイケメンと、くたびれた男前の中年。
勝負既にあり。
みゆきさんが、若い人が趣味でないことを祈るしかないな。
そう思っていると、
会場の係員が、立見席の説明にやってきた。
さて、立見席の場所をどう振り分けるのか。
説明によると、最初の人から順番に、希望を聞いて行くというのです。
なるほど、それは理屈にかなっている。
それならば、凡の15人目という位置は、どうも微妙である。
最初の2人が、希望を言った。
2階の右側。
それはそうだ。
凡だって希望を聞かれたら、2階の右側にする。
右側というのは、休憩のあと2幕目には、組まれたセットの向かって右側でみゆきさんは歌を歌う。
だから右側がいい。
そして、次の人が希望を言った。
まだ、2階の右側。
そうだろうね、凡もそこがいい。
そうして次々と立ち見の場所が決まっていった。
さて、凡の前の女性2人組の前まで順番が回ってきた。
それまでの人は、2階の右側が11人ぐらい、2階の左側を4名ぐらいが選んだ。
さて、凡の前の2人組の女性は、3階の右側を希望した。
そして、いよいよ凡の番だ。
これは難問であります。
もし、凡が理数系の人間であれば、2階と3階の高さの差と、階段の11段ぐらいの距離がどのぐらい違うのかを計算できただろう。
でも、凡はそんな難しい計算はできないので、昨日目測した感覚で考える。
確かに高くなることによる距離は無視できない。
とはいうものの、人の11人分の距離も無視できないし、前に人が立っている重圧感もある。
迷った挙句、3階の前から3人目に決めた。
この選択が、距離的にどうなのかは、誰か教えてほしい。
それでも、昨夜の3階の最後から2番目の席よりは、みゆきさんに近いのは間違いが無くて、今度の立見席は、まあ始めの予定では、見ることが出来なかった訳でありますから、余得というものであります。
指定席の入場が終わって、最後の最後に立見席のお客さんが案内される。
さて、ツアーの千秋楽はといえば、内容はいつもどおりなのですが、何かが違う。
みんなツアーの終わりを惜しむように聞き入っていた。
最後の、アンコールでは、1階の人は全員立ち上がって聞いていた。
まあ、これは仕方がないか。
みんな、今までのツアーよりも気持ちが高ぶっているのかもしれない。
凡だって、何となく胸にくるものがあって、気が付くと唇を噛みしめていた。
昨年の8月に一目ぼれをして、それ以来、東京、広島、大阪、そして福岡と、みゆきさんを追っかけてきたけれど、どうも一緒にツアーをしている気分でもあったようで。
今日でみゆきさんに会えなくなるのかと思うと、涙が出そうになった。
始めは、もっとみゆきさんという存在は、意外にも身近に感じていたんだ。
東京に行って、いけないことだけれど自宅の前までいってみて、すごく近くに感じることができた。
でも、ツアーに参加するたびに、みゆきさんへの感覚が遠くなっていった。
凡なんかには、到底手が届かない遠い存在のように思えてきたのです。
そして、凡だけのみゆきさんを追い求めてきたのだけれど、時がたつにつれて、みんなのみゆきさんであることに、嫌でも気づかされる。
寂しい。
凡のことを、認識さえしていない。
どんなに背伸びをしたって、届かない存在。
遠くて、遠くて、遠くて、遠くて、遠くて、、、、。
そんな凡の小さく、小さく、小さくなってしまったこころを鼓舞してくれるのは、尊敬する岡本太郎さんの「自分の中に毒をもて」だ。
「自分がいろいろな点で低いからと引っ込んでしまうのは、これは片想いではないし、恋愛ともいえない。もっとわかりやすくいえば、初めからほんとうの愛を捨ててしまっているといえる。ぼくはそんなのはだらしないというよりむしろ卑怯だと思う。自分がその人を好きだという、その気持ちに殉ずればいい。」
ありがとう、岡本太郎さん。
そうなんですよね。
いくら、凡がみゆきさんと比べて、どうしようもなく劣っていたって、そもそも凡がどうしようもなく愚であり凡であっても、そんなのは関係ない。
みゆきさんを好きだというその気持ちに殉じよう。
最後の最後のコンサートが終わって、ひとかけらも伝わらない凡のみゆきさんに対する愛の持って行き場の分らないまま、福岡駅まで戻って来た。
どうにもならないから、晩御飯でも食べますか。
それから、大阪のツアーで告知があったけれど、5月に大阪のフェスティバルホールで1日だけ追加公演が決まったそうです。
また、数時間だけみゆきさんに会えるんだね。

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