平 凡蔵。の 創作劇場

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散散歩歩。(244)アイラブユー・みゆきさん。ほたえてくれ!(13)

東京。
憧れの空間。
今から15日の東京行きで緊張している。
20代に東京へ行った時は、そんなことはなかった。
東京と言えば、ドラマの舞台で知っている憧れの土地で、行くことが楽しくて仕方がなかった。
でも、今は緊張をする。
みゆきさんが普段の生活をしている東京だということが、更にドキドキ感を増長させているのかもしれない。
20才代のときに友人と東京へ遊びに行こうという事になった。
すると、その友人のお母さんは「東京なんかに行ったら、生き馬の目を抜かれるで。」と反対したそうです。
時代も変わって、今こんなことを言うお母さんはいないだろうね。
とはいうものの、この言葉の意味は今この現在にも残っているようで、凡はすっかりみゆきさんに生き馬の目を抜かれた状態にさせられているのでございます。
もう何を見ても興味が湧かないし、何をしたいという衝動も湧いてこない。
出るのはため息ばかりだ。
みゆきさんという愛する人に、逢いたくても逢えない、得ようとしても得ることが叶わない。
人のこころを、一瞬ハイにして、その後、ズタズタに、クニャクニャに、ボロボロにして、鬱屈させて、落ち込ませて、絶望を思い知らされる病気。
、、、、恋わずらい。
今回の東京国際フォーラムでの、初めてのコンサートは、その恋わずらいの特効薬に果たしてなるのだろうか。
本復とまではいかないけれど、少しは元気がでるかもしれないね。
何しろみゆきさんを直に見れるんだから。
この直に見れるという事は、よくよく考えればただ事ではありませんですよ。
まさしく、みゆきさんと「合体」できるということなのであります。
「そんなん、合体できるわけがないやん。」と思うかもしれない。
ステージと客席は離れてるんやし、凡の席なんか2階の後ろの方だ。
そう思う人は、想像力が欠如しているのである。
このコンサート会場というものを、この空間をよくよく観察するがいい。
目を閉じて、自分自身とその外の空間に意識を集中してみてください。
何があるか。
そこには何もない。
「でも、距離があるし、空気もあるやん。」という反論があるかもしれない。
でも、空気とは何か。
窒素と酸素と二酸化炭素から出来ているものである。
そしたら、その窒素でも酸素でもは、何で出来ているか。
それは、原子から出来ている。
では、原子は何から出来ているかと言うと、
原子核と電子から出来ている。
原子核と電子の間には、何もない空間があるだけだ。
殆どがスカスカの空間。
そして、最近の説では、電子は質量も大きさもほとんどゼロだという。
つまりは、凡とみゆきさんの間は、スカスカで何もないということだ。
凡とみゆきさんを隔てるものは、無いもないということを意味する。
しかも、ここが重要な点であるが、みゆきさんは生きている。
そうするとどいうことか、みゆきさんは呼吸をしているのです。
呼吸とは何か。
つまりは、みゆきさんが吸い込んだ酸素を、みゆきさんの体内で代謝して、水と二酸化炭素に分解することである。
そして呼気として排出される。
なので、その排出された水と二酸化炭素は、間違いなくみゆきさんから発せられたものであって、みゆきさんの体内のミトコンドリアで生成されたものなのであります。
つまりは、今の今までみゆきさんの体内の一部であってあったものなのです。
するとどうなるか。
みゆきさんのミトコンドリアで生成された二酸化炭素分子が、コンサート会場の空調によって拡散して、客席で見ている凡の吸気として、凡の鼻や喉を経由して、凡の肺に入るのであります。
勿論、肺で吸収される訳ではないのですが、みゆきさんの二酸化炭素分子が、凡の肺細胞に直接触れるのであります。
そして、触れるのは二酸化炭素分子だけではない。
みゆきさんからは、体内の揮発性の不純物質や、ミトコンドリアで生成された水が、不感蒸泄として、呼気や皮膚から拡散して、これもまた凡の皮膚や肺細胞に直接触れるのだ。
これこそ正に合体と言わずに何といおうか。
「分子レベルでの、みゆきさんとの合体。」
考えただけで、ゾクゾクする。
凡は、深く瞑想状態に入ることで、ここまでの過程を、脳内にありありとイメージできる。
、、、、そのはずだった。
、、、、そのはずだったのね。
みゆきさんの歌姫劇場版を映画館で見るまではね。
みゆきさんのファンは年配の男性が多いと言うことを知るまではね。
その事実を知ってしまった今となっては、イメージが出来なくなった。
みゆきさんの二酸化炭素と合体するまでに、見知らぬオッサンの二酸化炭素と合体してしまうイメージが脳から離れないのです。
みゆきさんの水蒸気と合体するまでに、臭い汗の中年男性の水蒸気が、凡の鼻孔から入ってきて、肺細胞に接触してしまうのです。
そんな、イメージは残酷だ。
「見知らぬ汗臭いオッサンとの分子レベルでの合体。」
地獄だ。
あと、15日まで3日となった今は、せめて凡の周りだけは、若いサラサラロングヘアーの女の子が座ってくれることを祈るしかない。
そして、1つの分子でもいいから、みゆきさんの二酸化炭素分子と水の分子が、凡のところまで拡散してくれることを祈るしかない。
「神様、お願い。」
えー。今日は、変質的な、そして科学的な妄想を長々と書いてしまいましたが、恋わずらいのせいと、お許しくださいませ。

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