平 凡蔵。の 創作劇場

恋愛ストーリーや、コメディタッチのストーリー、色んなストーリーがあります。
もちろん、無料ですよ。
どれも、すぐに読めちゃう短編なので、読んで頂けたら、うれしいです。

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散散歩歩。(113)イルカ島。

極彩色の観光船で約15分の船旅を楽しむと、最初の観光スポットイルカ島に着く。
鳥羽湾にポツンと浮かぶ小さな島で、下船した目の前にイルカ島の入場口がある。
ここも「まわりゃんせ」を見せると無料だ。
志摩湾めぐりとイルカ島のセットで1人2000円なので、すごく得をした気分になる。
園内は、少し田舎の観光地を感じる施設の熟成加減で、のんびりとした雰囲気が漂っていた。
ここでリフトに乗って島の山上へ登る。
山上からは、潮風なのに湿ってはいない心地よい風を受けながら、鳥羽湾の島々がほぼ360度見渡せて、気持ちがいい。
急な坂を少し下りると、かもめ劇場がある。
今まで見たどこのアシカショウの会場より小さいすり鉢状の劇場には、凡たち以外に10名ぐらいの観客が座っている。
何となく、このアットホームな雰囲気に嬉しくなった。
ショウは、アシカ1頭とお兄さんが、輪投げやボール投げなどをして見せてくれる。
内容自体は、大きな水族館などでやっているストーリー仕立てとはかけ離れた、どこのアシカショウでもやっている普通の種目だ。
とはいうものの、お兄さんとアシカの、どこかのんびりとした優しい関係が、見ている人を和ませてくれる。
ミニボンもアシカの演技を一所懸命応援している。
少し離れたところに座っていた、普段街中で出会ったら、博打、酒というキーワードしか連想しないだろう60歳ぐらいの俗の塊のようなオッチャンも楽しそうに笑っていた。
ここのアシカショウには、そんな人の心を和ませてくれる穏やかさがある。
ショウが終わると、今度はまたリフトで下におりる。
今度はイルカのショウだ。
アシカショウを見て降りると、丁度いい時間にイルカショウの時間が設定されている。
ここイルカ島には、イルカ池とフリッパープールという2か所のイルカを見る施設がある。
凡が行った時間帯は、フリッパープールでのショウだ。
イルカ池は、行かなかったので詳しくは解らないが、どうも大きい池のようで、ダイナミックなイルカの演技が見れるようだ。
それに比べて、フリッパープールは小さい。
小さいといっても、これがビックリするぐらい小さい。
凡は今まで、こんな小さなイルカのプールを見たことがない。
そのプールに着くと、5メーター×10メーターぐらいのプールに、2頭のイルカがグルグルと回って泳いでいた。
あまりの小ささに少しイルカが可愛そうになるが、ほんのすぐ、ほんの間近でイルカを見ることが出来るので、急
にイルカが凡たちにとって近い存在になった。
ショウはお兄さんが、イルカのショウというよりも、イルカの教室という感じで進めていく。
そして、このイルカなのだけれど、凡が今までのイルカショウで見て来た、どのイルカよりも何も出来ない。
2頭のうちの若いイルカの「潮ちゃん」は、何も出来ない。
普通のイルカだったら、お兄さんのいるステージに上がるのにも、勢いよく急加速をつけて、スパーンと上がってくるだろう。
そんなステージを何回も見てきた。
でも、この潮ちゃんは、それが出来ない。
お兄さんにステージに上がるように指示をされると、一旦プールの底に垂直に沈むのだけれど、じわーんと浮き上がってきて、ステージに上がるほどの勢いがないのです。
さあ、ステージに上がろう!とお兄さんに言われても、釣りをする時のウキのように、垂直にゆっくりとプールの中で上下に上がったり下がったりするだけなのであります。
ウキのように上下にプカプカ。
「よし、ウーン。」と登ろうとするが、出来ない。
こんなことを5、6回繰り返して、よっこらしょっとステージに上ったときは、みんなが拍手をした。
さっきの酒と博打のオッチャンもまた、イルカを見て笑顔になっている。
こんな潮ちゃんを、怒りもせず、急かしもしないお兄さんとイルカのショウは、優しさに包まれて終わった。
そして、ミニボンはすっかり、潮ちゃんの虜になったようであります。

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帰ってからイルカ島のホームページを見てみると、潮ちゃんは、イルカのくせにジャンプが苦手で小回りがきかないとか、不器用で運動神経があまり無く、マスターしたはずの種目も下手。餌を食べるのも下手くそで、よく他のイルカに奪われるなどと紹介されていた。
記事をみて、そうそうと思わずまた笑顔になってしまった。
ここイルカ島は、本当に鳥羽の癒しポイントでありました。
見終わると、ちょうどいい時間に観光船の時間が設定されている。
今度は、小さな観光船に乗って、鳥羽水族館のある船着場へ向かう。
船尾にある小さなベンチに座って、海水をすぐ近くに感じる。
鳥羽湾に浮かぶ小さな小さな島のすぐ近くを通っていく。
その近さが、鳥羽の海を自分の船に乗って探検しているようで、子供のこころに戻してくれる。
「わーい。わーい。島だ、島があるよー。」
勿論、大人である凡は声には出さないが、心の中で叫んだ。
その心の中には、サラサラロングヘアーのミニスカートのお姉さんのことなど微塵もないのでありました。
観光船での探検を楽しんでいると、鳥羽水族館の船着場に到着した。

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(イルカ島のリフトからの眺めも綺麗だ)

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