平 凡蔵。の 創作劇場

恋愛ストーリーや、コメディタッチのストーリー、色んなストーリーがあります。
どれも、すぐに読めちゃう短編なので、読んで頂けたら、うれしいです。

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散散歩歩。(72)祝融の災い。

本堂を参拝した後、五重塔を回り帰ろうと歩いていると、ちょっとした囲みがしてあって三重塔跡という木札が立っている。
その前に、5、6人の60歳を過ぎたであろう男性の集団が立札を見ながら話している。
「この祝融の災いって何やろ。」
1人の男性が、その立札の説明書きの文章の文字の意味が分からないらしく、立札を見ながら立っていた。

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「この祝融の災いって何や。」
周りの男性に聞いているが、誰も答えられる人はいない。
凡もその意味を知らなかった。
男性は、その文字を見ながら、じっと考えているようだ。
しかし、元から知らないものは、いくら考えても解るということはないだろう。
男性の気持ちは解るが、それは無駄な努力であります。
「祝融の、、、。」
どうも、気になるようだ。
しかし、他の人は全く興味がないといった風で、男性の言葉を聞き流している。
すると集団の一人が言った。
「そんなことは、詳しく知らん方がええ。」
その男性の言葉を合図に、その集団はその場を離れて、坂道を下っていった。
「祝融の、、、。」
ただ、一人の男性だけは、首を何度か捻りながら、坂道を下っていったのであります。
世の中には知らない方がいいことが、多い。
特にO型の嫁のすることは、知ってはいけない。
一度でも見てしまうと、気になって仕方がない。
掃除をするときも、「あ、そこ、そこの隅っちょを、先を外して、あ、違う。もう少しゆっくりと。」なんて掃除機の使い方まで、口を出したくなる。
すべからくO型のすることは、B型には、いい加減に見えてしまう。
これを解決するには、見ないこと、知らなこと、これに尽きるのであります。
これが、こころの平安が得られる唯一の方法です。
とはいうものの、こんな愚で凡な私に、いろいろしてくれるというのはミニボンしかいないので、それはO型であっても感謝なのでありまして、「ありがとう。」と言いたい気分なのであります。
さて、祝融の災いなのでありますが、これは帰ってから調べると、祝融とは中国の神話の火の神様のことで、祝融の災いとは火事のことだそうです。
それならそうと、火事って書いてくれればね。
でも、これで一つ言葉を知ったので嬉しかったです。
祝融の男性も、家に帰って辞書で調べてるのだろうか。
知らないことが大切なのことも多いけれど、知る楽しみも大切ですよね。
祝融の男性の好奇心が、60歳を超えても旺盛なことが凡には嬉しかった。
ただ、人間歳をとると、昼間何で悩んでいたのかっていうことを、家に帰ってから思い出せないことも多いのですが。
さて、凡も「祝融の、、、。」なんて、呟きながら、首を横に振りつつ坂道を下りていったのであります。

コメント

  1. とっちゃん より:

    なるほど火事の事だったんですね!
    一つ勉強になりました
    全く知らなかった事を知る事ができるのもブログの良い所ですね~

  2. 凡蔵。 より:

    ありがとう、とっちゃん。
    ブログって、色んな人が、色んな事を書いてますもんね。
    へえー、そうなんや。っていうこともあって楽しいですね。

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