平 凡蔵。の 創作劇場

恋愛ストーリーや、コメディタッチのストーリー、色んなストーリーがあります。
どれも、すぐに読めちゃう短編なので、読んで頂けたら、うれしいです。

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散散歩歩。(71)長谷寺の十一面観世音菩薩立像の特別拝観。

目的があるようで、無い。無いようである、休日であります。
長谷寺へ行くという目的が出来たのでありますが、何をしに行くということはありません。
でも、行くと決まると、急に特別な一日になったのではあります。
長谷寺へは、京阪電車、地下鉄、近鉄と乗り継いでいかなければいけません。
でも、休日に電車の座席で、車輪の振動を感じながら、車窓をただぼんやりと眺めていると、じんわりと気持ちが緩んでいくのが分かります。
長谷寺に近づくと、しだいに田舎の雰囲気が出てきました。
駅に着くと、平日とあってか、利用客もそれほど多くなく、10人程度の乗客が降りました。
駅からは、徒歩で向かいます。
お寺に近づくにつれて、お土産物屋が増えてくるのですが、京都の観光地のお寺のような賑わいはありません。
面白いものが売っているのかなと、一つひとつのお店を冷やかしながら歩いて行くと、長谷寺の入山受付に到着。
入山料500円
ここから、屋根の付いた階段を上って行きます。
ここ長谷寺は「花の御寺」と呼ばれていて、パンフレットにも「四季折々の花々が、季節ごとに違う表情を醸し出し、伽藍の美しさを引き立てます。」と書いてあります。
さて、今はどんな花が凡を迎えてくれるのだろう。
そう思いながら上って行くのですが、凡が行った6月13日は、丁度花の咲いていない時期だったようです。(ブログを更新するのに1週間もかかってしまいました。)
それだから、観光客も少ないのでしょうか。
紫陽花が、今これから咲き始めようとする時期でもあり、少し寂しい感じではありますが、却って爽やかな新鮮さを感じることができて、気持ちがリフレッシュされていきます。

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本堂に着いて、お参りをすると、長谷寺観音特別拝観の看板が目に入る。
本堂の一般の参拝場所からは、本尊の上半身しか見ることができないのです。
この特別拝観は、その内部に入って、重要文化財の十一面観世音菩薩立像の足に直接触ってお参りをすることができます。
折角だから、拝観させていただくことにする。
特別拝観料1000円(お守りと五色線付き)

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入り口で、塗香を手に塗ってから、お坊さんに観音様との縁を結ぶ「結縁の五色線」という紐を手首に巻いていただきます。

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低い天井を抜けると、約10メートルの観音様がいらっしゃいました。
さすがに足下からから見上げると迫力があります。
観音様の足は、皆に触られて黒く光っています。
何千人なのか何万人なのか、とてつもない多くの人が、自分では解決の出来ない、どうしようもない苦しみを抱えて、この観音様にお願いにきているんだなということが伝わってくる。
或いは、宝くじに当選させてなんて、欲ばりなお願いもあるのかもしれない。
でも、みんなすべての人が悩み苦しみを観音様に託しに参拝に来ているのです。
凡も観音様の足に手を置いて、お願いをしようとしたのでありますが、分からなくなった。
さて、ここで凡は何をお願いすればいいのだろう。
考え付かないのであります。
勿論、欲深い凡でありますので、お願い事は山のようにあります。
でも、お願いをしたって、どうせ叶わないだろうなんて、罰当たりな考えがココロの隅に居座って、凡を中途半端な現実主義者にさせているのです。
もし、観音様にパワーがあるのなら、参拝に来た人だけじゃなく、今すぐみんなの苦しみを取り除いてはくれないものだろうか。
地球上の人々がこんなにも苦しんでいるのに、助けてくれないなんて、それは無いやん。
なんて、ことを考えながらも、今まさに観音様の足に手を置いているのですから、これは折角だから、何かをお願いしなくちゃいけません。
とはいうものの、皆が幸せになんてお願いじゃいけません。
本当に苦しんで、観音様に救いを求めてやってきている人に申し訳がない。
「うーん、うーん。」
中々出てこないのですが、次の人が待っています。
「今より、もっと、フガフガフガ、、、。」
しっかりとお願いしないまま、次の人に順番を譲った。
後ろに並ばれると、焦ってしまて、フガフガフガとなってしまうのは、凡の気が弱いせいでしょうか。
お願いを終わった後に、観音様の周りを1周して、最後にお坊さんに散杖で結縁の加持をしてもらって、入り口まで戻った。
中途半端なお願いであったが、何か特別なことをしたという小さな達成感があった。

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てっせんが、ひっそりとだけれど鮮やかに咲いていた。

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長谷寺の舞台。高所恐怖症の凡には危険な場所だ。

コメント

  1. とっちゃん より:

    平日のわりと静かな時に行くってのは良いですね~
    がやがやしたお寺に行くのとは全然違いますよね!
    凡蔵さん、長谷寺の舞台から見た景色をアップしてほしかったですよ~

  2. 凡蔵。 より:

    ありがとう、とっちゃん。
    どちらかと言うと、平日が休みのことが多いので、お寺なんかに行くのには、いいですよ。
    この日も、のんびりとしてリフレッシュできました。
    長谷寺の舞台は、いけません。
    君子危うきに近寄らずであります。

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