平 凡蔵。の 創作劇場

恋愛ストーリーや、コメディタッチのストーリー、色んなストーリーがあります。
どれも、すぐに読めちゃう短編なので、読んで頂けたら、うれしいです。

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そうだ、ソウルへ行こう!(157)

JRの大阪駅から新快速で神戸まで行き、そこで普通に乗り換えて垂水まで行く。
新快速に乗り込むと、補助席が一つ空いていたので、ミニボンが座った。ちょうど先頭車両で一番前の運転席の後ろに誰もいない。
普通はここは鉄道好きの子供にとられる場所だ。
思わず凡は運転席の後ろのガラスの前に立った。
前方を見ると2本の線路が真っ直ぐ伸びている。
気分はもう運転手だ。
電車がガタンと動き出した時にココロのなかで「出発ー。」と言いながら、ココロのなかで白い手袋を嵌めた手をチョキの形にして前方に突き出した。
「かっこいい。」
そういえば、子供の頃の凡の夢は大阪市内を走るチンチン電車の運転手だった。
子供は誰でも電車が好きだ。
電車が好きと言えば、凡が毎日通勤している京阪電車に、少し障害のある男の子が乗っていたことがある。
この子も電車が好きなのだろう。
乗っている間に、ずっと車内放送を一人で喋っている。
「えーっ、次は京橋、京橋―。JR線、鶴見緑地線はお乗換えです。」
などと車掌さんの物まねをしているのである。
本物のアナウンスより分かりやすくて面白い。
こういう時は、ついつい聞いてしまう。
駅に着くたびにアナウンスが聞こえる。
でも、その時に乗っていたのは急行だった。
京橋を出てからは守口市までは止まらない。
暫くは駅のアナウンスはできない。
男の子も考えた。
「えーっ。優先座席では携帯の電源を、、、。」
アドリブを利かせ出しのだ。
でも、それでも言うことがなくなったのだろう。
通過する駅をアナウンスしだした。
「只今、関目を通過しています。お気をつけください。」
思わず横のミニボンと顔を見合わせて噴出してしまった。
すぐ近くにいたなら「電車に乗ってるのに、どうやって、気をつけんねん。」って突っ込みを入れているところだ。
新快速の先頭に陣取った凡は今、この男の子の気分である。
でも、一応大人なので、アナウンスはココロの中で留めた。
右横を見ると、60歳ぐらいのオッチャンと、40歳ぐらいのオッチャンだ。
左横は、お母さんと男の子だ。
中年のオッサンと子供が新快速の先頭で真正面を向いている光景は少し気持ち悪い。
でも、嬉しくなって携帯で運転席の写真を撮った。
電車の先頭でニヤニヤしながら携帯で写真を撮っている姿は人からみると更に気持ち悪いだろう。
神戸駅に着いて降りる時にミニボンに「こんなん撮ってん。」と運転席の写真を見せると、「何や、前のほうでカシャカシャいわしてる変な人がおるなと思ったら、内の旦那やったんや。」と返事が返ってきた。

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運転席の写真というと思い出すことがある。
新婚旅行の時だ。
バリ島からジョグジャカルタというところへ小さなジェット機で飛んだ時のことである。
前方のコックピットを見ると、何とドアが開いたままなのです。
スチュワーデスさんに聞いてもらったら、コックピットに入っもいいということなので、空を飛んでいるジェット機のコックピットに入って記念撮影をさせて貰う事ができました。
飛行機の操縦席の窓は覗いても何も見えなくて、すごく沢山のボタンや機械を操縦しているパイロットさんはすごくカッコよかったです。
でも、20年前は今では想像も出来ないぐらいノンビリしていたんですね。

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コメント

  1. とっちゃん より:

    操縦席に入らしてもらえた事にもビックリですが、凡蔵さんの若いときはもの凄くスリムだったんですね
    それにしても新婚旅行でバリ島とは、ずいぶんお洒落ですね~

  2. 凡蔵。 より:

    操縦席に入らせてもらったことは、今では考えられないですよね。
    そうなんですよ、もともと多分、痩せ体系なんですよ。
    それが自堕落な生活で今のように太ってしまいました。
    20台で一番痩せていたときは、59キロまで痩せました。
    それで、結婚してから94キロまで太りました。
    いっそ100キロまで行ってみようかと思いましたが奥さんにダメだといわれ、今は80キロだいをうろうろしています。
    もう少し痩せないと、しんどいですね。
    バリ島は、20年前はすごくノンビリしたところでしたよ。
    学生時代はミュージカルが好きで、南太平洋というミュージカルのバリハイの雰囲気を期待してバリ島に行きました。
    バリハイのモデルは、バリ島じゃなく、ほかに色々、候補が言われていますが、名前から魅かれたので。

  3. oriver より:

    凡蔵。さん、若~い♪
    私も海外に行った時、コックピットの中に入りました♪サービスの一つだったんですよネ!今じゃーありえないですものね―
    電車の運転席って、たまたま一番前か後に乗ったときは見てしまいます♪
    わくわくするのは、鉄男君鉄子ちゃんだけじゃないよネ

  4. 凡蔵。 より:

    ありがとう、oriverさん。
    どうして、年をとると見た目も年をとったなって感じになるんでしょうね。
    今でも若い気でいるのですが、写真は残酷ですね。
    oriverさんもコックピットに入ったことがあるんですね。
    パイロットってカッコイイですよね。
    運転士もカッコイイ。
    何かを操縦するのって憧れるなあ。

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