平 凡蔵。の 創作劇場

恋愛ストーリーや、コメディタッチのストーリー、色んなストーリーがあります。
どれも、すぐに読めちゃう短編なので、読んで頂けたら、うれしいです。

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ココロのハズレ。(3)「素」でいられないのも「素敵」だ。

お守りなんていらない、「素」のままの自分でいいのだ。
そう思っていても、何か辛いことや悲しい事が起こると、そこから逃避したり、簡単な方法で解決しようと考えてしまう。
でも、それはそれでいい。
そうやって生きていくことしか出来ない自分だから、そうやって生きていけばいいのだ。
苦しくてもがくことしか出来ないから、もがいてみよう。
逃げる事しか出来ないから、逃げてみよう。
そうすることしか出来ないのだから、そうしてみよう。
ベランダの手すりにスズメが止まった。
「ぴー、ぴー、ぴー。」凡に向かって鳴いている。
「何々、そんなこと考えたってしょうがないやん。」
スズメがそう言った気がした。
「そんなことより、お腹が減ったよー。ぴー、ぴー、ぴー。」
「そうだよね、そっちのほうが重要だ。」
スズメのほうがよっぽどエライ。
もし、今ある辛いことや悲しい事が、自分がしたり考えたりしたことの結果で起こっているんだったら、それも仕方がない。
仏教的な考えに因縁果報という言葉がある。
前世も含めて、って言っても、前世があるかどうかは疑問なのですが、過去の行為や考えによって出来た業が、今何かの縁を得て、結果として自分に現れているとうこと。
もしもその法則が本当なんだったら、もう諦めるしかない。
どんなにその結果から逃げたって、どんなにその結果を防ごうとしたって、本の原因が解消されない限り、形を変えてまた自分に降りかかってくるんですから。
本の原因を受け止めない限りその辛いことや、悲しいことがやってくるんだったら、やむを得ない。
「やむを得なければ、即ち仕方がない。」
「素」のままの自分でいよう。
その苦しい原因を解消してしまったら、苦しみの無い自分に戻れるのだから。
雨が上がった青空に向かって叫んでみる。
「神様、神様。どうぞ、その因縁果報とやらの法則を、すきなように凡に適用してください。」
仕方が無いんだったら、諦めて、ちょっと湿った雨上がりの風を感じながら、口笛を吹きながら受け止めてみよう。
「ぴー、ぴー、ぴー。」
やっぱり口笛はスズメにはかなわない。
それにしても、本当にその因縁果報の法則は存在するのかな。
そういえば、今日は朝からお腹の調子が悪い。
どこでどんな悪い因縁を積んでしまったのか。
「昨日、飲み過ぎたんちゃうの?」
どうやら原因は他人のほうがよく解るようですね。

コメント

  1. oriver より:

    時々襲ってくるテーマだわぁ~(笑)
    苦しいことも悲しいことも、今までの経験や知識で対処するしかないもの、「自分らしい」「素」がいいと思います♪
    でもって、他人が一番分かってることかもネ
    さすが妻!

  2. 凡蔵。 より:

    ありがとう、oriverさん。
    こんな文書にコメント頂いて、ほんとありがとう。
    題名も「ココロのオマケ」から「ココロのハズレ。」に変えました。
    読んで損する文章って意味で。
    「素」でいこうと思っていても「もがいて」しまう。でもそれがまた私の素なのですが。

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