平 凡蔵。の 創作劇場

恋愛ストーリーや、コメディタッチのストーリー、色んなストーリーがあります。
どれも、すぐに読めちゃう短編なので、読んで頂けたら、うれしいです。

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そうだ、ソウルへ行こう!(138)

帰りのリムジンもホテルから乗車できるので楽だ。
しかも、このリムジンが2席1席の配列なので二日酔いの凡にも優しい。
インチョン国際空港に到着してから搭乗するまで、
何か食べておきたい。その方が飛行機も楽に違いないし、胃腸のリズムも復活するだろう。
空港のウォーカーヒルがやっているエアーカフェという喫茶店に入る。
サンドイッチ2つと飲み物2つで31900ウォンだ。
少し高いですが、高級感のある空間で美味しかった。
でも、このカフェの横から空港内にあるアシアナのラウンジが見える。
凡はこの時、ラウンジではコーヒーなどの飲み物を飲みながら搭乗を待つところだとしか考えてなかったので、まあいいかと思っていた。
後で知ったところによると、飲み物でもビールもあるし軽食も食べられると聞いて惜しかったなと思う。
折角のビジネスなのに、ビジネスの特典のタダのビールとタダの軽食を経験したかったな。
出国手続きをすますと意外と時間がないことに気がつく。
ショップを見ながら搭乗口まで行くと既に搭乗が始まっていた。
さて、今回はビジネスクラスである。
マイレージの特典でタダとは言え、初めてのビジネスなのだ。
最後のフライトを楽しもう。
帰りの飛行機も往路と同じ飛行機で、今回は前から2列目の席だ。
今回もウエルカムドリンクにはアルコールはなかった。
仕方なく、オレンジジュースと水を注文。

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しかし、この時である。
前にはお父さんと思われる男性1人と、奥さんと娘さんが座っていた。
その娘さんがスチュワーデスさんに言った。
「シャンパンはないのですか。」
すごいぞ、こんな風に注文すれば良かったのだ。
凡も周りの人もただ言われたオレンジジュースを飲んでいたけれども、注文すれば良かったのだ。
凡は周りの人が注文していないので出来なかっただけだ。
さて、どんなシャンパンが出てくるのか。
他人の注文だけれど気になる。
凡は体験できなかったのであるが、前の座席の人がウエルカムドリンクの王道のシャンパンを飲もうとしている。
夢にまで見たビジネスクラスのウエルカムシャンパン。
それを今まさに前の座席の娘さんが楽しもうとしているのである。
他人のドリンクにどうしてこうも興奮するのか。
これはちょっと寂しい性格だ。
しばらく固唾を飲んで見守っていると、スチュワーデスさんが娘さんに「離陸してから持ってきます。」と言った。
その後、娘さんのシャンパンがどうなるのか見ていると、離陸してもなかなか持ってこず、結局食事の時に一緒に持ってきた。
「なーんや。これやったら、食事のドリンクやんか。やっぱりウエルカムシャンパンではなかった。」と納得した。
往路と帰路の違いは、帰路はディナーである。
その言葉を聞いただけでも期待が高まる。
離陸する前に、食事の内容とアルコールに何を飲むかを聞きにきた。
うん、これはますます期待が高まってきたぞ。
注文を取る雰囲気が高級ホテルのレストランで食事をチョイスするときのようだ。
しかし、このときも勇気がなかった凡はビールを頼むことが出来なかった。
周りの皆がビールを注文していないのである。
今だったら、「あ、初めにビールね。それから、食事の時は白ワインで。それから食後はブランデーを下さい。」ぐらい言えそうなのだけど。
この時は初めてのビジネスで周りから違ったことが出来なかったのです。
でも、アルコールが出るだけでも往路より出世した。
後はディナーを楽しむだけである。
でも、その時にある事に気がつく。
「クン、クン、クン。」
何となくであるが、変な臭いがするのである。
それも少しばかりくさい臭いが。
あれ、この臭いは何なのだろう。
まさか厨房ではないだろう。
折角のディナーなのに、臭いにおいを嗅ぎながら食べないといけないのか。

コメント

  1. とっちゃん より:

    凡蔵さん、ブログのイメージからは、とんでもない事もさらりとお願いできそうな感じですが、意外に普通というか若干控えめなのでしょうか???
    いくら二日酔いとは言え、ソウルの薬局で特効薬を二本も飲んだんですからガンガンビールでもシャンパンでも注文しないと
    それにしても厨房から変な臭いがしてきたようですが、一体何の臭いか楽しみですね

  2. 凡蔵。 より:

    ありがとう、とっちゃん。
    そうなんですよ、こう見えても結構気が弱いタイプなんですよ。忙しそうにしていたらビールって声を掛けにくくて。
    それにしても、今回同乗したお客さんも皆ビールを飲まない人なのか、気の弱い人なのか、誰も注文しなかったのは不思議ですね。

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