平 凡蔵。の 創作劇場

恋愛ストーリーや、コメディタッチのストーリー、色んなストーリーがあります。
どれも、すぐに読めちゃう短編なので、読んで頂けたら、うれしいです。

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そうだ、ソウルへ行こう!(15)

食べ放題の話である。
凡は食べ放題に行く時もう1つ注意している事がある。
それは大きなお店に行くということである。
大きなお店というのは、ホテルやチェーン店などの大規模に経営されているお店のことだ。
何故かと言うと、「気兼ね無しに」の為である。
凡が焼肉の食べ放題が好きだと聞いて、じゃあここが美味しいよと紹介されて行って見たことがあるのです。
そこは個人が経営されているお店で、たしかに食べ放題。
しかし、凡は焼き肉の食べ放題に行ったら、まずガスの栓を全開にして次から次へと焼いて食べるのです。
なので、何度も注文します。
しかしそのお店は個人営業。
あんまり注文しすぎると嫌がられるのじゃないかな。あんまり注文しすぎると儲けがなくなるんじゃないかな。あんまり注文しすぎると次はこれなくなるな。などと考えるから注文が出来ないのである。
居候3杯目にはそっと出し。
そんな気分で食べなきゃいけない。
4回目の注文ぐらいからご主人の顔色を伺ってしまいます。
「あのお客さんまだ注文するみたいやで。堪忍して欲しいな。なんぼ食べ放題ゆうても。もうええやろ。」ちらっとこっちを見る目が言っているようです。
それでも食べたい凡は、解ってるねん、もうそろそろ終わりにしやなあかんねんやろ、利益も出さなあかんこと解ってんねん。そやけど、こっちもせっかくの食べ放題や、もうちょっとだけ頼むわ、悪にけどお願いや、というような表情をご主人に見せながら、
「すいません、ロースお替り。」「悪いけどロースもう一皿ちょうだい。」「ごめんね。ロース欲しいんやけど。」「ロース注文してもええかな。」「かまへん?悪いね。もうちょっとだけ食べたいねん。ロース。何べんも注文するの悪いから、ちよっと多めに乗せといてくれる?悪いね。悪いね。ごめんね。」などと制限時間2時間の間、ぺこぺこ謝りとおしで食べなきゃいけない。
ふう、ちょっと疲れる。ちょっと辛いんです。
その点、チェーン店ならそんな気遣いはいらない。
ほとんどがバイトなので、何回注文してもマニュアル通り機嫌よく持ってきてくれる。
しかも、そんなチェーン店はお客様も沢山入っているから、凡にばかり見てないのだから。気が楽だ。
焼肉の食べ放題はチェーン店に限る。
こんな話をしていると、お腹が空いてきた。
そうだ、ソウルに行く前に近所の焼肉屋で、焼肉を食べる予行演習をしておこうかな。

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