平 凡蔵。の 創作劇場

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そうだ、ソウルへ行こう!(59)

散髪屋は剃りこみ以外にも危険がいっぱいである。
大阪の城東区に両親が住んでいた。
それで、実家に行ったときに、時間があったので散髪屋にいった。
いつもはそんなことをしないのだが、たまたま置いてあったヘアーカタログをめくってみると、カッコイイ髪型の写真が載っているではないですか。
5センチぐらいの少し短めで、軽くパーマが掛かっているのか、よれたような感じで自然に立ち上がったデザイナー風の髪型だった。
凡は椅子に座るとその写真を指差してこれにしてとお願いしました。
いつもは適当にすその長さを言うぐらいで、お任せでしてもらうのです。
待っている間も漫画なんかを読んだりするのです。
でも、そのときはたまたまヘアーカタログがあったので手にとってしまったのです。
椅子に座ってお願いした後、見ていると途中までは想像通りのいい感じに仕上がっていたのです。
「あ、いいやん。これで凡もデザイナーやな。」
などと思っておりました。
で、椅子を後ろに倒して今度は頭の上で何かをしだしました。
椅子が倒れているので何をしているか判りません。
でも、気がつくとコテのようなもので、チチッ、チチッといわせてるではありませんか。
ちょっと待てよ、こんなコテなんか使うんだろうか。
ちょっと不安を感じましたが、今までは上手くいっているので、デザインのイメージは通じているはずです。
髪型が長続きするように、ウエーブをつけてるんだな、などと楽観的に考えていました。
しかし、椅子を起こされて鏡の前の自分を見たときにショックで声も出なかったのであります。
凡の頭の前半分がパンチパーマになっておりました。
「これ違うやん。誰がこんなパンチパーマせえ言うたんや。
責任者出て来い。」と言いたい気持ちでしたが、ショックでそれも言えません。
凡はその後、頭の後ろ側をパンチパーマにされるのを、黙って目をつぶって耐えるしかなかったのです。
「この写真やで、解るか。この写真とパンチと違うやろ。」と言いたかった。
「これでお金取るんか。反対に損害賠償請求したろか。」と言いたかった。
でも、気の弱いパンチパーマの凡は、黙ってお金を払って帰ってきました。
色白のハンサムにパンチパーマは似合わない。
家に帰ると、「あ、髪型変えたんや。」ぐらいの反応でミニボンも両親も凡のパンチにそれ程反応を示さない。
パンチやで、パンチ。凡はパンチになったんやで。
そう、思ったのでありますが、ミニボンも笑ってるだけであります。
翌日、凡は会社に行くのが苦痛でありました。
でも、行ってみるとこれが意外に皆にウケタ。
自分では絶対注文しない髪型になって、皆に笑いを提供したのだから、正解だったと考えよう。
そうだ、ソウルにもパンチパーマはいるのだろうか。

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