平 凡蔵。の 創作劇場

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そうだ、ソウルへ行こう!(5)

そうだ、ソウルに行く目的を考えよう。
凡々の好きな内田百閒さんは「阿房列車」で、目的の無い旅行をしておられる。
目的は無いが、旅に出てみるというのだ。
凡々も今でも青春18きっぷで、ふと出かけたりすることがある。
目的も無く。
旅の達人みたいですね。
しかし、この目的のない旅というのも中々難しいものなんです。
さて、今から1泊2日で旅行をしようと思い立つとするでしょう。
で、鞄に着替えとミニの時刻表を詰め込んで家をでます。
さあ、何処へ行きましょう。
とりあえずは、JRまで行かなくちゃ。だって、青春18きっぷだからね。
で、凡々の住んでいるところだったら、まず大阪まで出なきゃいけない。
この大阪まで出るまでの時間が難しい。
いくら目的が無い旅行だといっても、どこかの線に乗らなくちゃいけません。
大阪から北へ行くか、南へ行くか、東へ行くか、西へ行くか。
休みがいくらでもあるのなら、大阪駅でコインを振って決めてもいいのですが、
なにせ凡々はサラリーマン。働かなくちゃいけません。休みは自由になりません。
なので、この線で行くと、帰りの便の接続が不安だなとか考えてしまいます。
目的の無い旅行なのに帰りのことを考えなくちゃいけない。
それで、ついつい山陽本線を選択してしますことが多くなってしまう。
山陽本線なら、姫路から播但線、岡山から四国へ、そのまま広島や山口へなどと電車に乗ってから考える事ができるからだ。
それに、姫路で降りた時に駅そばを食べる事ができる。
姫路の駅そばは、黄色い中華面にうどんの和風だしをかけてある。
姫路を経由するときは、次の電車をわざと1本ずらしてこの駅そばを食べてしまう。
一度、この駅そばを食べる為に、姫路まで行ったことがある。
大阪から新快速で1時間10分だ。
よほど凡々は食い意地がはっているのだろう。
目的の無い旅は憧れだが、まだまだ内田百閒さんのように高等な真似は出来ない。
凡々は凡々らしく行きましょう。
さて、妻の納得するようなソウルにいく目的を考えなくちゃ。

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