平 凡蔵。の 創作劇場

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散散歩歩。(869)青春18きっぷの掛川の旅。(1)

3月26日(木曜日)。
青春18きっぷで、少し出かけてこようと思う。
とはいうものの、少しばかり人の目が気になる。
ミニボンの母親が亡くなって、まだ2週間だ。
それに、新型コロナの影響で、社会は外出自粛モードである。
とはいうものの、3連休をずっと家にいるのも窮屈だ。
批判はあるだろうけれども、出かけようと、愚で凡なわたしは家を出た。
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予め金券ショップで買った青春18きっぷで京橋駅を入鋏。
あらためてきっぷを見てみると、前に使った人のスタンプが押されている。
京橋駅だ。
しかも、同じ日付で2個。
金券ショップで買ったきっぷは、前に使った人のスタンプを見て、どんな旅をしたのだろうかと想像をめぐらすのも楽しみの1つだ。
2つ同じ日にちのスタンプということは、友達同士で日帰りの旅をしたということだろう。
或いは、恋人どうしなのか。
うん、それなら羨ましいぞ。
切符の状態を見ると、折り目もなく新品の様に綺麗に使用されている。
スタンプを駅で押してもらって、その後、途中下車するたびに、何か硬い物、たぶんハードカバーの本などに挟んでいたのだろう。
しかも、印面を見ると滲んでいない。
詰まり、京橋駅で最初のスタンプを押してもらってから、そのまだ乾いていない印面を、そっとティッシュペーパーなどで丁寧に押さえて、乾いてから本に挟んでいるのだ。
こんなことに気を遣うのは、鉄ちゃんぐらいだろうけれど、鉄ちゃんなら、1回使ったぐらいで売りはしないだろう。
おそらく、初めての青春18きっぷだったに違いない。
さっき恋人同士なのかと思ったけれども、恋人同士なら、そんなことまで気が付かないだろう。
だって、浮かれているに違いないからだ。
人は、恋をすると、人のことなどどうでもよくなるものだ。
なので、これは凡の希望的な想像だけれども、女子大生、或いは、女子高生の卒業記念の日帰り旅に違いないだろう。
時期的にも納得のできる理屈だ。
しつけの厳しい家庭に育ったのだろう。
1泊の泊りがけの旅なんて親に許してもらえないんだ。
いや、親が心配だろうと、あえて日帰りにしたのかもしれない。
そんな心優しい女の子のふたり旅なんだ。
持って出かけたハードカバーの本は、詩集だろうか。
いや、持って行く本なんて、どうでもいい。
どうせ旅に出たら、本を開くこともない。
でも、何か1冊持っていないと不安になる。
そんな文学少女だ。
ただ、その本が凡の好きな山之口貘さんの詩集だったら、少し厄介な女に違いない。
与謝野晶子さんの本だったら、ドキリとして、声も掛けられないかもしれないな。
どんな女の子だったんだろう。
文学少女は、そうだな、普段は白いニットのワンピースが似合う華奢な女の子だ。
つばの広いハットが似合いそうだな。
でも、見た目からは想像できないようなハードロックを聞いたりするよ。
文字で感じるものと、音で感じるものの、好きだと感じるもののギャップが自分でも理解できないけれど、それがあたしなんだと、そんな自分を、ちょっと気に入っているところがある。
その友達は、反対にボーイッシュで、Gパンにボーダーのシャツ。
少し肌寒いからウインドブレーカーを羽織ってるね。
野球帽をかぶっているのが、実に可愛い。
行き先は、金沢あたりだろうか。
日帰りするには、少し遠いけれど、青春18きっぷの気分を味わうには、これぐらいの距離が必要だ。。
「ねえ、あたし告白しちゃう。好きな人が出来たの。」
なんて、文学少女が、卒業を前に、打ち明けるんだ。
旅の途中だから、いつもは言えないことも言えてしまう。
「えーっ、ウソ。誰なの。知ってる人?」
なんて、自分だけに打ち明けてくれたことが嬉しい。
「ううん。知らないと思う。だって、ネットで知り合ったんだもん。」
「へえ、ネットで。どんな人?ねえ、どんな人なのよ。」
「うん、ちょっと年は離れてるんだけれど、素敵な人なの。あんな人、あたし初めて。でも、まだ打ち明けてないんだ。だって、フラレたらショックだし。」
「大丈夫だよ。あんた、可愛いんだし、きっと、うち開けたら、『おれも好きだったんだ。』って言ってくれるよ。でも、ネットだったら、メールとかで?」
「ううん。まだメールもしたことないの。ただ、憧れてるだけ。でも、その憧れが、日に日に積もって来て、もう、あの人なしのあたしんなんて、考えられないの。」
「すごい、好きになったんやね。それで、何歳なの、その相手は。」
「うん、、、どうしようかな。言っちゃおうかな。すんごく年、離れてるだ。、、、うん、実はね。60歳なの。」
「、、、、。エーッ。60歳って、大丈夫なん?それじゃ、40歳も離れてるやん。そんなん、考えられへんわ。大丈夫?ねえ。」
「うん、誰が考えても変だよね。でも、好きになっちゃったんだもん。仕方ないもん。好きに年の差は関係ないでしょ。ねえ。」
「そうれは、そうだけれど。」
「凡蔵。さんって言うんだ。今度、打ち明けようかな。でも、フラレたらと思うと不安なんだよね。うん、絶対にフラレルよね。でも、、、。」
「解った。気持ち分かったよ。あたし応援してあげる。その凡蔵。さんていう素敵な人との恋が成就するように応援するよ。」
「本当?ありがとう。やっぱり、あたし今日、青春18きっぷして良かった。」
なんて、そんな会話が、あったか、なかったか。
まあ、妄想だから、あったことにしておこう。
ということで、京橋駅を、シワひとつない青春18きっぷに入鋏してもらって入る。
今回の行き先は、掛川だ。
掛川にしたのは、この前のブログで書いたのだけれど、12日にミニボンの母親が亡くった日に行こうとしていた場所だからだ。
もう1度、掛川に行って、再スタートしようと思ったのであります。
でないと、掛川や、浜松が、悲しい出来事があった場所として、イメージが残ってしまう。
そんでもって、泊まるホテルは、同じく掛川のリブマックスにした。
1泊朝食付きで、税込み3300円。
安いよね。
先ずは、京橋駅の近くのマクドナルドで朝食セットを食べる。
京橋駅から、大阪駅に出て、0805発の新快速野洲行きに乗り込む。
んでもって、0922発の米原方面長浜行きに乗り換え。
米原駅で降りる。
ホームの立ち食いそば、兼駅弁販売所を見ると、「湖北のおはなし」という駅弁が売られている。
以前、ツイッターをしている人から、もし売られていたら是非食べてみてと薦められていた。
名物駅弁で、売り切れていることが多いのだけれど、今日は珍しくあるじゃない。
とはいうものの、京橋のマクドで食べたのが、ズシリと腹に堪えている。
買っておいて、どこかで食べるということも考えたが、豊橋辺りで下車して、美味しいものを探そうと思っていたので、泣く泣く諦める。
0956発の大垣行きに乗り込む。
1042発(記憶では)の豊橋行きの新快速に乗り込んで、1210(ごろ)豊橋駅に着。
ちょうどいい時間帯なので、ここで何か食べようと思う。
豊橋駅は、何度か下車しているのだけれど、ゆっくり歩き回ったことが無い。
駅前をブラブラと歩き回る。
さすがに人は少ない。
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そんな中で、凡の好きそうなお店を見つけた。
「平和食堂」さん。
ショウケースを見ると、カレーもあり、洋食セットもあり、また、この辺りの名物らしい「とん汁」もある。
値段を見ると、庶民的な設定だ。
よし、ここにするかと思っていると、バンのようなマイクロバスのような車が、急に停まって、中年のオッチャンばっかり12人ぐらい下りて来た。
そんでもって、「ここやここや」という感じで、店に入っていった。
中を覗くと、既にお客がいて、相席をお願いされている。
これだけの人が入ったら、なかなか注文も通らないだろう。
それに、オッチャン混じりになるのも嫌だ。
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なので、平和食堂さんは諦めて、同じ筋にある「やまに食堂」さんに入ることにした。
こっちは、外から中を窺えないので、やや不安だが、とりあえず入店。
人気のメニューを聞くと、とん汁のセットに、おかずを付ける人が多いと言う。
おかずは、魚フライが人気だとか。
ということで、とん汁セット(550円)と魚フライ(350円)を注文。
とん汁セットとは、とん汁にご飯とお漬物が付いたものだ。
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サーブする人は、年配のお姉さんだけなので、どうも、のんびりとしている。
でもまあ、急ぎの旅じゃない。
運ばれてきた料理は、なかなか美味しそうだ。
取り敢えずは、とん汁を行っておこう。
1口啜ったら、「薄い」と思った。
八丁味噌をベースに、豚の細切れと豆腐、それにネギが入っている。
赤出汁は、基本、鰹とか昆布で出汁を取らない。
味噌自体が濃厚なので、そのまま湯に溶くだけだ。
その味が濃ければ美味しいのだけれど、薄いとやや物足りない感じになる。
とはいうものの、名物なのだから、この味が正解なのだろう。
考えてみると、毎日飲むのだったら、ちょうど良いのかもしれない。
魚フライと一緒に食べる定食は、確かに美味しかったです。
ただ、とん汁とご飯のセットが、550円の値段設定は、なかなかの強気だなと思った。
店を出て、平和食堂さんの前まで来たら、さっき入った12人のオッチャンが食べ終わって出て来た。
この店は、料理を出すスピードも速くて、やっぱり良い店なのかもしれないと思った。
次は、是非入ってみたいな。
店を出て、駅で貰った地図を頼りに、路面電車で、安久美神戸神明社や、豊橋ハリストス正教会聖使徒福音者馬太聖堂などを歩き回る。
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さて、豊橋を離れて、また電車に乗ろう。
豊橋、1407発に乗って、二川という駅に到着。
二川駅で降りたのは、今日、電車の中で、検索して知った場所に行ってみたいと思ったからだ。
「豊橋市地下資源館」である。
駅から、キャリーをゴロゴロと引っ張っていって、どこから入るのだろうという入口に到着。
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IMG_0995.JPG(入口も凝っている)
豊橋市がやっている無料の資料館なので、かなり地味な内容なのだけれど、鉱物好きには堪らない施設だ。
子供向けに作ったのだろうけれども、大人も十分に楽しめる。
石灰石や、身近な鉱物についての説明を読んで、成る程と知識を得ることもできたし、色んな鉱物の原石を見ることもできた。
これで無料なら、近くにあったら、何度でも行っちゃいそうな施設だった。
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面白かったのは、パワーストーンで作った椅子だ。
小さな石を椅子に張り付けてある。
ちょっと座ってみたが、パワーをチャージできたのだろうか。
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大きな隕石もあって、もち上げて重さを体験できるようになっていて、隕石に凝っている凡としては、欲しいなと何度も隕石を撫でまわしたりした。
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ということで、かなり楽しんで、施設を出る。
1530二川駅発、1627掛川駅着。
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今回の旅の目的であるリブマックスは、駅から歩いてすぐのところにある。
チェックインをして、美味しい夕食でも食べに行くとしましょうか。

コメント

  1. yukemuri より:

    青春18きっぷの旅、仕切り直しですね
    自分も真似してみたいと思いつつ、結局いまだにチャレンジしていません
    気軽に途中下車ができるのが良いですよね
    ふらっと降りた駅でふらっと入った食堂で出会う地元の名物、憧れますね旅好きとしては
    しかしマイクロから降りた12人のおっさんと一緒は嫌ですね
    別の店にして正解だとは思いますが、薄い赤味噌の豚汁もちょっとばかし微妙ですよね(^_^;)
    今度は掛川ですね
    掛川なんて言った事無いからこの後の展開が楽しみです

  2. 平 凡蔵。 より:

    ありがとう、yukemuriさん。
    私も、掛川は、初めてだったんですよ。とりあえず、場所だけ決めていたので、行く道中で、どこに行こうか考えましたよ。
    こんなときスマホは便利ですよね。
    奥さんの母親が倒れた時に移動していた同じルートで回りました。
    掛川といえば、お茶ですが、そういえば、お茶屋さん少なかったな。
    これと言った観光はしていないのですが、いい街だと感じましたよ。

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