散散歩歩。（465）アイラブユー・ほたえてくれ！みゆきさーん。（１５２）

１２月８日。
夜会に行くために伊丹空港へ向かう。
今回が３公演目だ。
人に言わせると、そんなに何度も、普通は奥さんが行かせてくれないよというのである。
それはそうだ。
その点は、ミニボンに感謝しながら飛行機に乗り込む。
Ｂ７３７－８００。
座席は３－３の配置で、凡は進行方向に向かって左の通路側だ。
乗客が席に着き終えた頃、あることに気が付いた。
「あ、あの人、綺麗やなあ。」
「あ、あの人も、可愛い。」
「あ、あの人も、美人だ。」
そう、スチュワーデスさんが、みんな美人なのだ。
よし、これは吉報だ。
凡の発明したオリジナルの占いである「美人占い」に当てはめると、東京で素敵なことが待っているという暗示だ。
或いはみゆきさんとの出会い。
そんな嬉しい期待を胸に、身体はヘトヘトで座席でぐったりと飛行機の微妙な上下の揺れに身を任せていた。
前日の残業の疲れが、ほとんど寝ていないせいもあってか、更に増してグロッキーなのであります。
とはいうものの、占いでは吉兆を示しているからね。
ここはカラ元気を出していきましょう。
羽田に着くと、バスで大井町まで移動。
一旦、今日のホテルのヴィアイン大井町に荷物を預ける。

（想像以上に立派な外観）
いつもは渋谷東武ホテルに泊まっていたのですが、今回は少しだけ節約。
１泊が税込７６００円。
初めて利用したけれど、ここは中々いいですね。
まず、荷物を預かってくれるホテルは多いけれど、預かるだけだ。
でも、ここは凡がホテルに着いたのが１３時ごろだったのですが、その時点でチェックインを受け付けてくれる。
その時点でカードキーをくれるので、部屋に入れるのは１５時以降だけれど、後はそのままフロントを通さずに部屋に入ることができる。
しかも、預けた荷物はあらかじめ部屋に運び入れておいてくれる。
こんなことが、すごく便利だし楽なんだ。
身軽になったので、お昼ご飯でも食べようか。
そう思って初めての街をぶらぶらと歩いてみる。
街も中々いい。
まず、飲食店が多い。
しかも、夜会が終わって帰って来ても、遅い時間までやっているお店がある。
駅から少し離れると住宅街もあって、駅前には大型の商業ビルもあり、活気のある街のようだ。
あっちこっち歩き回って、ただこの歩くのが楽しくて、結構な間をこの大井町で過ごしてしまった。
ふと見ると、スタミナカレーを書かれたお店があった。
しかも、大井町名物とあるではないですか。

凡は今日は疲れている。
グロッキーだ。
なので、スタミナはつけなければならないでしょう。
「牛八」さん。
ドアを開けて中に入ると、まずその狭さにビックリした。
しかも、立ち食いだ。
既に食べている人の背中の狭い隙間を抜けて奥のカウンターに立つ。
名物のスタミナカレーを注文。

凡が注文したのは中だけれど、これでもボリューム満点だ。
お皿から零れ落ちそうなぐらい具が乗っかっている。
半分はカレー。
半分は豚肉の焼肉のようなもの。
マスターも中で十分な量があると言っていた。
入り口などには芸能人の写真が貼られていたりして、テレビのＢ級グルメの番組などに紹介されているようだ。
お腹もいっぱいになったし、有名人がくる大井町の名物も食べたしということで、やっと東京へ来て何かをしたという気分になった。
ホテルのチェックインの１５時にはあと少しなのだけれど、どこかに座って休みたい。
何しろグロッキーだ。
高架下にある「グラン・キネマ」という喫茶店に入る。

キネマというからには映画に関係するような内装だとか、店のテーマのようなものがあるのかなと思ったけれど、凡の入った１階にはそんな雰囲気は無かった。
ポスターが数枚入り口に貼られていたぐらいだ。
ただ、ここは何となく居心地のいい感じの空気が流れていた。
２５０円のスペシャルコーヒーを飲みながら、ふと入り口にあるキッチン兼カウンターを見ていると、細身の女性がアルバイトなのだろうか、働いている。
好みだ。
学生なんだけれど、上品な感じで、それでいて話している表情は今風でもある。
７分袖の白いブラウスの裾を短いチェックのエプロンの上から出している。
ちなみにミニボンは７分袖を着ると長袖になる。
まあ、そんな情報は不要だろう。
そして、ネックにはストレートのリボンの赤いタイを付けているのが、なかなかに可愛い。
理想だ。
凡が学生なら、心焦がして毎日でもコーヒーを飲みにきているだろう。
ただ、凡は内気なので、たぶん告白はしないだろうな。
そして何気なく店長のような男性と話をしているのを聞いていると、どうも鼻声だ。
鼻が詰まった感じなのです。
風邪？
可哀想だ。
しかし、これは何を暗示しているのだろうか。
可愛い店員は、スチュワーデスさんと同じ吉兆だと解釈できる。
よし、いいことが待っているぞ。
でも、この鼻声はどうだ。
みゆきさんに感動して会場で大泣きしてしまうとか。
いや、そんな単純ではないだろう。
鼻声というと、みゆきさんが「この世に二人だけ」を歌う時は、何故か鼻声に聴こえるんだよね。
ということは、凡とみゆきさんだけが生き残っても、みゆきさんは凡を選ばないということなのか。
いやだ、それは嫌だ。
これは、まあ感動の予兆だと解釈しておこう。
少しばかりゆっくりとしたら、ホテルに戻ろう。
カードキーを持っているんでそのまま部屋へ。
１３階からの眺めは、普通の人だったら素敵な風景なんだろうけれど、高いところはねえ。

部屋は必要十分なものが揃っていて、ベッドの硬さもちょうどよく、サラリーマンであれば定宿にしたいホテルだろう。
加湿器も、普通は自分で水をセットしなきゃいけないところが多いけれど、ここは水をいれてくれているので、スイッチを押すだけだ。
７６００円ということを考えると、ここはなかなか良いホテルのようであります。

疲れの取れないまま、途中で買ったドリンク剤を３本立て続けにのんで、更に韓国で買った１個２０００円の金の玉も飲んだ。
兎に角、グロッキーなんだ。
そして、少し横になったりして、ホテルでやや過ごし、夜会会場に向かいましょう。
赤坂で何か少し食べようかと思ったら、お姉さんに声をかけられる。
台湾の麺のお店で、最近開店したばかりで、今貰ったチラシを見せると２６０円のメニューが１品タダだという。
若いお姉さんの呼び込みもあり入ってみることにした。
三商巧福さん。
店の造りはさすがに新しい。
タダのチケットは唐揚げを注文。

そして、夜会前だというのに生ビールを飲んでしまう。
ただ、この生ビールが１番疲労には効き目があったね。
疲れがスーッと消えたような。
さて、そろそろ会場で入場の列に並んで待つことにしますか。
今日の夜会は、先日の夜会と同じなのだろうか。
それに、席はどうなんだろう。
まもなくして開場になった。