平 凡蔵。の 創作劇場

恋愛ストーリーや、コメディタッチのストーリー、色んなストーリーがあります。
どれも、すぐに読めちゃう短編なので、読んで頂けたら、うれしいです。

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そうだ、ソウルへ行こう(50)

「そうだ、ソウルへ行こうも!」も50回を迎えました。
読んでくださった皆様、
本当に「ありがとうございます。」

韓国の人は記念日を大事にするらしい。
誕生日や、結婚記念日は解るけど、付き合って100日目の記念日とか、カップルで何かをした記念日なんてなると、もう大変だ。
「特別な日廃止論」と唱えている凡にとって、こんな疲れることはない。
特に毎月14日はカップルの日だそうだ。
2月14日のバレンタインデーや3月14日のホワイトデーは日本でも有名で、その時期が近づくと、どこのお店でもそれ1色になる。
でも、韓国では、その他にもブラックデー、イエローデー、ローズデー、ペペロデー、などなど一年中カップルの記念日が続く。
ブラックデーというのは、バレンタインデーやホワイトデーに縁がなかった人が、黒い服を着て、黒いジャージャー麺を食べる日だ。
日本では馴染みがないが、韓国では有名らしい。
凡は、この日になると韓国料理や中華料理の店を外から覗いてしまう。
凡の想像では、この日は彼氏や彼女のいない日本に住んでいる韓国の人がジャージャー麺を食べているはずである。その中には、勉強や仕事が忙しくてものすごく可愛くて優しい性格なんだけど、彼氏がいない女の子がいるはずである。
そんな女の子は凡の優しさを求めているはずである。
そんな不埒なこころもちで中華料理店などを覗くのであるが、いまだジャージャー麺を食べている韓国人を見たことがない。
凡は、特別な日廃止論者であるが、ミニボンの誕生日と結婚記念日は覚えている。
しかし、たまに忘れる事もある。
しかし、ミニボンもそれほどその日を重要視していないので、その辺は助かる。
やはりO型のせいだろうか。こういうときのO型は助かる。
ある誕生日の日、その日凡は仕事が終わるまでプレゼントを買っていなかった。
仕事が終わるともう夜の9時ごろ、急いで難波の地下街をうろうろしてお店の商品を見て回った。
そこでふと目に止まったオレンジのバッグ。
トートバッグでちょっと大振りでデザインもすっきりしている。
丸い模様の中にHという模様が素敵だ。
これならミニボンも仕事や休日にも持っていけるだろう。ミニボンはバッグが好きだ。
凡は気に入って買って帰った。
それを見たミニボンも「あ、可愛いやん。」といって喜んでくれたのである。
ミニボンはそのバッグを何処にでも喜んで持っていっていた。
あることがあるまでは。
それは、ミニボンがパートに行った時の事である。
同じ仕事のメンバーが、
「えっ、エルメス?」と聞いたそうだ。
何とそのバッグはエルメスに似せたバッグだったのだ。
凡もミニボンもブランド物には全く興味がないのである。
なので、それがエルメスのパチモン(大阪弁で偽物みたいなニュアンス)だったことに気が付かなかったのである。
それ以来、ミニボンがそのバッグを持っているのをみたことがない。
とはいうものの、ソウルでも本物は買えそうにはないのだが。

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