平 凡蔵。の 創作劇場

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散散歩歩。(1515)調子に乗って、うつろ舟を探しに行く旅。(2)

旅(国内)

うつろ舟伝説という江戸時代のUFO事件のあった茨城県の舎利浜に行ってみようと、銚子までやってきました。

銚子プラザホテルさんにチェックインをして、さて、今から晩御飯でも食べに行きましょうかという感じなのであります。

銚子の駅から1本の太い道路が海に向かって走っているのだけれど、閉まっているお店が多くて、横道を探し回る。

最近は、こういう時に、グーグルマップを使う。

これは、ハノイで身につけた技だ。

まずは、駅前で、口コミを見て、良さそうだなと思ってお店まで行ったら、靴を脱いで上がるお店だったのでパス。

まあ、この店は、第2候補として考えていたので、それでいい。

1番目の候補は、別にある。

あまり良くない口コミも、ひとつふたつあったけれど、大体が、美味しいと言う評判のお店を見つけたのだ。

というか、料理の内容というよりも、お店の名前が気になるのである。

「さかな料理 凡蔵」さん。

この名前を見たならば、行かざるを得ないでしょう。

店に入って、ひとりだと告げると、男性のご主人だろうか、「予約をされていますか。」と言う。

してないと答えると、「うちは、予約だけでやってるんですよ。」ときたのだ。

そう言われれば、仕方がない。

そのまま、店を出た。

いやしかし、口コミでは、予約なしで、フリで入ったというような書き込みもあるし、、、なんてことは、この際、考えちゃいけない。

お店にも事情があるだろうしね。

ここで、断られたことが、この先、ラッキーにめぐり合うこともある。

気を取りなおして、これまた、グーグルで評判の良かった居酒屋に突撃。

店に入ると、女性スタッフが、「今日は、混んでいて、料理に、かなり時間がかかりますけど。」と言う。

こう言われて、さあ、どうする。

婉曲に断られているのだろうかと思ったが、「それで、大丈夫です。」と答えた。

ということで、「創彩美食 和KAZU」さん。

案内されたカウンターに座ると、後ろには、空席がある。

凡の右隣りには、凡より、少しだけ若いかなと言うぐらいの女性が、ひとりで飲んでいる。

左には、地元のおっちゃんが、手をぶるぶると震わせながら、一人鍋をつついている。

その鍋の出汁の旨そうな匂いが漂ってくるのだが、メニューに、その料理は載っていない。

とはいうものの、聞けずにいた。

カウンターの向こう側には、大将が料理を作っているのだが、真剣に作っているのだろう、そして、忙しいのだろう、凡を見ても、表情に笑顔はなく、無表情だ。

ややあって、様子を見てから、料理を注文。

お薦めのお刺身の盛り合わせと、とりあえずのビール。

それから、贅沢な具沢山とか、そんな何とかと名前の付いたグラタンと、イワシの天ぷら。

お刺身は、早めに来たが、他の料理は、なかなか来ない。

とはいうものの、これは、お姉さんが宣言した通りのことなので、それに、急いでいる訳じゃないし、とりあえず、座ってられるので、まあ、遅い方が楽ではある。

右に女性、左におっちゃん。

こういう場合、話しかけたいのだが、どっちに声を掛ける。

迷っている間に、二人とも、店を出て行った。

目の前の大将は、話しかけてくれるな、今は、忙しいんだ的なオーラが出ている。

とはいうものの、料理人は、そんなに、べらべらと、お喋りする必要は無い訳で、そのまま、静かに席に座っている。

壁にテレビが映っているので、時間潰しにはなる。

さて、お料理の方は、お刺身は、銚子と言うことで、海の幸が美味しいということなのだろうけれど、まあ、普通に美味しいという感じか。

凡は、常々思うのだけど、(なにか、「ミステリと言う勿れ」の整君みたいな言い方になってますが)、旅行に行って、どこどこの土地は、海に近いから、魚介類が新鮮なわけで、これを食べなきゃ、来た甲斐がないでしょう、なんて言葉を聞くのだけれど、またか、と思う。

日本は、周囲を海に囲まれているんですよね。

全国47都道府県のうち、海に面していないのは、8県だけである。

旅行に行って、海のある県にめぐり合う確率は、6分の5なのである。

だいたい、海がある。

それに、水揚げをされて、市場で競りにかけられて、それが、お店に運ばれる。

最近は、交通網も発達しているので、水揚げされた港から、東京や大阪に輸送するのも早いに違いない。

となると、水揚げされて、大阪のお店に並ぶ時間と、水揚げされて地元のお店に並ぶ時間を比べたら、1日も違わないのではないかと、これは推測だが、当ってるのじゃないだろうか。

勿論、海の近くの料理さんがやっているお店は別だけどね。

「うちの店は、新鮮な魚つかってるからね。」とか、注文のお姉さんに、すすめられたりもするんだけど、凡は、新鮮じゃないという刺身に興味がある。

お店に入る。

「なるほど、マグロか。あれ、新鮮じゃないマグロって書いてあるじゃないか。」

「大将。その新鮮でないマグロって何なんですか。」

「そやから、新鮮ちゃうんや。1週間ぐらい前に解凍したんやったかいな。そやけど、まあ、いけると思うで。そやから、安いやろ値段。」

「大丈夫かいな。そやけど、200円か、それは安いわな。ほんじゃ、それ1つ。」

「えっ、ほんまに注文するんかいな。まあ、ええけど。」

と、冷ケースに入ったマグロを取り出して、鼻に持って来て匂いを嗅いだ。

そして、大きくうなずいて、「うん。何とかいけるやろ。」

「おっちゃん、大丈夫なんやな。ほんまに。」

「ああ、この道、30年やで。匂いかいだら、腹壊すか、壊さんか、そのぐらい分かるわいな。」

「いやいや、腹壊したらアカンやろ。美味しなかったら。」

「あれ、あんた、美味しいマグロを食べようちゅうんかいな。そら間違いやで。それやたら、新鮮なマグロ喰わんと。うちは、新鮮ちゃうからな。ほら、ちゃんと書いてあるやろ。うちはな、良心的な店なんや。」

「まあ、書いてあるわな。」

んでもって、マグロが提供される。

「うっ。これはアカン。おっちゃん、このマグロ酸っぱいで。」

「あ、酸っぱいか。それは、アカンわ。えっ、兄ちゃん、それ食べてしもたんかいな。アカンがな。酸っぱいマグロ食べたら。そのぐらい分からんか。おーい。この兄ちゃんに正露丸もってきたって。」

「食べたらアカンって、その前に、出したらアカンやろ。」

「そや、残りのマグロかしてみいな。焼いたるわ。酸っぱかっても、火入れたら、何とかなるはずや。」

なんて、そんな新鮮じゃないマグロというか、魚を提供するお店を凡は知らない。

とはいうものの、尼崎あたりじゃ、あるかもしれないけどね。

(という尼崎は、大阪じゃないけどね。)

まあ、無駄な話が続いちゃいましたが、全国、どこに行っても、海があるのであるからして、何としても、そこで海の幸を食べなきゃいけないということはないのである。

ただ、その土地でしか獲れない魚は別だけどね。

ということで、銚子のお店の刺身も、普通に美味しかったです。

そして、かなり時間が有って、グラタンが来た。

メニューの説明通り、エビやホタテなど、具沢山で、これは美味しかったです。

そして、いわしの天ぷら。

これもまた、さくさくで、実に美味しい。

ということで、注文した料理は届いた。

それにしても、このお店は、どれを食べても、ハズレがなかった。

というか、お店で工夫された、独自の美味しい料理を作っておられる。

他にも、魅力的なメニューがあるのだが、この時間の流れで行くなら、長時間になるだろうし、注文するのも、しにくい。

それに、折角の銚子なので、ハシゴもしたいじゃない。

ということで、お会計をしてもらう。

お通し、刺身、グラタン、天ぷら、ビールに、お酒2合。

おぼろげな記憶では、確か、5000円弱だったと思う。

料理の内容からして、そして、お酒の値段を考えて、かなり、リーズナブルなのかもしれない。

今度は、空いている時に行ってみたいな。

さて、また、夜の銚子の街を歩き回る。

ただ、こういう時間が楽しいのである。

まさに、ひとりたびの醍醐味。

そして、1軒のアメリカンなお店を発見。

ピザとかハンバーガーが美味しい、、、みたいな店構えだ。

「TAS」さん。

入ると、客は、誰もいない。

カウンターに座って、ビールとピザを注文した。

しばらく店内を観察しながら座っていると、お兄ちゃんが話しかけてくれた。

店内には、お兄ちゃんと、若いおにちゃんの2人でやっているようだ。(オーナーは、別にいらっしゃるらしい)

うつろ舟伝説の舎利浜が目的で来たという話から、このあたりの観光などについて、いろいろ、教えてくれたりする。

というか、教えてくれたりというか、2人とも、気さくで、人とお話をするのが好きなスタッフなのだろう。

旅に出て、こういう風に、お店でお話をするのは、実に楽しいものだ。

ピザは、既成品の生地にチーズを乗っけて焼いたものだが、これはこれで、チーズがたっぷり乗っているので、ビールに合う。

そして、ハブ酒や、ジャスミン焼酎のソーダとロックなど、会話も楽しいので、お酒むすすむ。

途中、若者のグループがやってきてバンドのフライヤー(宣伝の張り紙みたいなもの)を置いてくれとお兄ちゃんに頼んでいた。

音楽関係とか、やっぱり、お店の雰囲気が、そんな感じだからね。

まだ、もう少し飲みたいなと思ったので、湯豆腐を注文。

すると、若い兄ちゃんが、どうやって、食べますかと来たのだ。

なるほど、どんなバリエーションでも答えてくれるのだろうか。

出汁に沈めて、とろろ昆布などを乗っけてくれるのも好きだ。

でも、お店の雰囲気じゃ、出汁なんて無理だろうなと思っていると、醤油を掛けて、かつおぶしみたいな感じですかというので、それでとお願いした。

というか、湯豆腐なんて、注文する人いないのかもね。

さて、このお店には、ハンバーガーが美味しいらしいのだが、ランチでの提供みたいなのである。(聞いて確認はしていないのだけどね)

ご飯ものもある、なので、それで締めようかと思ったのだが、凡は、さっき街を徘徊しているときに、あるラーメン屋を見付けていた。

さっき見たときは、閉店してるのかな?というような感じだったのだが、もし、夜に開いているのであれば、行ってみようかと思う。

なので、ここでお会計をしてもらった。

5000円ぐらいだった。

そして、そのラーメン屋。

「ラーメンショップ」さん。

旅のブログを中心に書かれている「ゆけむり」さんと言う方が、よくラーメンショップというチェーン店に行かれて、安心の味みたいなことを書かれているのだ。

ラーメンが、お好きな人なので、それなら、そのラーメンショップで食べてみたい。

ただ、そのラーメンショップと、目の前のラーメンショップが、同じ系列なのかどうなのか分からない。

分からないが、入ってみようと思う。

営業前に、前を通ったら、看板のビニールなどは破れていて、営業しているのかと思ったが、今行くと、営業しているようである。

店内に先客の兄ちゃんがひとり。

凡は、ネギラーメンを注文。

スタッフは、ご主人と思われる年配の男性と、奥様と思われる背中の少し曲がった年配のお姉さま。

さて、肝心のラーメンである。

普通だ。

ネギも、ゆけむりさんのブログで見たようなボリュームもないし、味も、どちらかというと、薄い気がする。

やっぱり、チェーン店であっても、そのお店お店に寄って、味が違うんだろうね。

というか、チェーン店なのだろうか。

ご主人と奥さんは、作り終わると、小上がりに並んで腰かけて、テレビを見ている。

その風景が、どうにも仲良しさんで、ラーメンは、普通だなと思ったけど、そんなことどうでも良くなる。

テレビの内容を、ご主人が凡に話しかけてきた。

それに答えたりして、しばらくカウンターの椅子に座っていたが、店を出る。

締めのラーメンも頂いたし、ホテルに戻りますか。

飲み過ぎ、食べ過ぎのため、そのまま、ベッドで、バタンQ。

ハシゴもしたし、楽しい銚子の夜でありました。

夜の銚子駅には、何故か、猫ちゃんが、いっぱい。

コメント

  1. ゆけむり より:

    2軒目の凡蔵さんて店名は偶然でビックリですね
    でも予約のみでパスされたんですね
    普通予約だけの店だと店頭に書いてあったりしますけどね、なんか解せないですね
    3軒目の店でようやく落ち着いたようですが、なかなか料理が出て来なかったようですね
    刺身はブリやヒラメなどの盛り合わせで美味しそうですが、他の料理が遅いのはちょっと待ちきれないかなぁ
    早く食べたいですもんね
    ピザを食べられた店は若者が多いような店構えですね
    なのに湯豆腐もあるのはなんか可笑しいですね(笑)
    最後のラーメン屋さんですが、ラーショの系列で間違いないと思うのですが、ラーショ自体フランチャイズと言うか独立採算制のようだと思うので、お店によって多少と言うかけっこう違いがあるようです
    自分が行くラーショのらーめんのスープとはかなり違うようです
    https://yukemuri-manpuku2.seesaa.net/article/506091951.html
    せっかくラーショに行かれたのに、ちょっと残念でしたね・・・

    • tairabonzou tairabonzou より:

      ありがとう、ゆけむりさん。
      凡蔵というお店を発見したときは、これは、行かなきゃと思いましたよ。
      料理に関しては、割と、評判が良いみたいですが、接客については、良い評価と、イマイチな評価とあるみたいです。
      2軒目は、まあ、忙しそうだったので、自然と、接客に関しては、放ったらかし状態ですが、これが、お客が少ない時なら、
      料理自体は、どれも、美味しかったですよ。
      遅いのは、まあ、それだけ、のんびり出来るので、逆に良かったかもです。
      ただ、もっと早かったら、もっと注文してたんですけどね。
      そのあとのアメリカンなお店は、若者向きのお店ですよね。
      わたしみたいな老兵は、場違いなのかもしれませんが、ウエルカムな感じだったので、居心地は良かったですよ。
      湯豆腐は、パックのを温めただけでした。
      たぶん、こんなの注文する若者がいないのかもしれませんね。
      んでもって、ラーショですよ。
      どうしようかと思ったのですが、店名を見たら、ゆけむりさんを思い出して、入ってしまいました。
      ラーショ自体の評価は、また別のお店を、数件まわってみないと言えませんが。
      このお店は、普通でした。
      ただ、ご夫婦が、仲良くテレビを見ていたので、なごみましたよ。
      もっと、都会に近いところのラーショの方がいいかもですね。
      と、ラーショという言葉を使って、すっかり常連みたいですね。

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