いつだったか、随分と昔に、誰かが言ったもので、成る程と膝を打った言葉がある。
「金持ちは、お金を貯めることを考え、貧乏人は、お金を使うことを考える。」
まさに、その通りである。
なので、金持ちは、どんどん金持ちになるし、貧乏人は、お金を浪費して、死ぬまで貧乏だ。
凡も、お金を貯めることを夢見るのであるけれど、それ以上に、何を食おうかとか、どこへ遊びに行こうかとか、使う事ばかり考えている。
これじゃ、いつまでたっても金持ちにはなれやしないのも理屈である。
そして、最近思うのは、「こころの豊かな人は、人に分け与えることを考え、こころの卑しき人は、得をすることばかりを考える。」もまた、真なのではないだろうか。
これは、凡自身を見ていると、間違いないものであることが証明されるだろう。
その証拠に、凡は、バイキングが大好きだ。
それには、ミニボンが、極端な偏食であるから、好きなものだけ食べられて良いという意味もあるにはあるのだが、1番の理由は、お腹いっぱいになるまで食べられるからである。
「いざ、勝負。元を取ったるで。」みたいな、払った金額より、出来るだけ得をしたいという気持ちがあるからだ。
ひょっとしたら、鉄道が好きだから、青春18きっぷで旅をしているようにみえても、実は、得をしたいという気持ちなのかもしれない。
その証拠に、好きな場所に行けばいいのに、出来るだけ距離を稼ごうとしてしまう。
出来るだけ遠くに行って、本当なら、これだけの金額が必要だったけれど、2400円だか、そのぐらいの金額で行けちゃったみたいなね。
悲しい旅好きである。
と、前置きを、長々と書いてしましました。
というのも、これから、書こうとしていることは、なんとも、この凡が、貧乏人で、こころ卑しき人間であるかと言うことを証明するような話なのであります。
そのための、前置きでありました。
と言うことで、ここからが本題なのだが、最近、SNSを見ていると、やたらと、「世界の1500カ所の空港ラウンジが無料で利用できる。」という内容の広告を見かける。
これは、凡の今までのネットの閲覧記録から、引っ張ってこられたものだろうから、みんなに当てはまる訳じゃないけどね。
そして、そんな広告を、見かけてはいたのだが、凡には関係ない話だなと思っていたのです。
でも、ちょっと、内容を見てみると、数は少ないけれど、日本国内でも使えるし、世界のラウンジなら、ビールや軽食も頂くことができるという。
それが、無料。
無料と言うことは、即ち、お金を使わずして、得をしてしまうということなのであります。
いやなに、無料で、得をするってことは、貧乏人で、こころの卑しき凡にとっては、大好きなお話ではありませんか。
とはいうものの、ちょっと、胡散臭くもある。
とはいうものの、欲深き凡は、その胡散臭さに知らんぷりで、申し込んでしまったのであります。
内容は、こうだ。
凡は、知らなかったが、プライオリティ・パスなる会員制のサービスがあるそうだ。
これを持っていると、世界中の空港の提携しているラウンジを、無料で使うことができる。
そういえば、ユーチューブなどで、海外旅行をしている人が、ラウンジで、軽食を食べているときがあって、うらやましいなと思っていたんだ。
でも、あれは、お金持ちの特権だから、凡には、関係ないねとね。
このプライオリティ・パスなのだが、普通に登録しようとするなら、制限回数の無いプレステージというランクなら、年会費が、469ドルかかる。
日本円で、72000円かかる。(2024年11月18日時点)
この金額は、到底、払えるものではないだろう。
ところが、セゾン・プラチナ・ビジネス・アメリカンエクスプレスカードというものを申し込むと、そのカードの付帯サービスとして、このプライオリティ・パスが、ついてくるという。
このクレジットカード、年会費は、22000円と、かなりの金額だが、初年度は、会費が無料だという。
ここでも、無料だ。
ということは、1年以内に解約すれば、そのサービスを堪能して、タダで、得をするということになるのである。
ということで、このパスは、本人しか使えないので、ミニボンに、1年で解約するから、お金はかからないよと説明して、凡とミニボン、それぞれで、申し込んだ。
ちょっと、怖いのは、この申し込み、書類など提出することも無く、ただ、スマホだけで完結してしまう。
大丈夫なのかと思う。
でも、無事、1週間以内に、カードが届いた。
プライオリティ・パスは、カードが届いてから、また、別に申請する必要がある。
んでもって、プライオリティ・パスの方の会員証もゲット。
さて、このプライオリティ・パスを使って、ラウンジで得をするぞと、鼻息荒く意気込んではいたが、まだ、旅行の予定が無いので、今のところ、得は、していないのであります。
早く、空港で、得をしたいなあ。
まあ、それは、いつかのお楽しみにしておいて、実は、このクレジットカードには、これまた、お得な特典が付いている。
「セゾン・プレミアムレストラン by 招待日和」というサービスだ。
これも、会員制のサービスで、33000円の年会費が必要なのだが、このクレジットカードを持っていると、無料で利用できるのである。
ここでも、無料だ。
無料、万歳!
まあ、とりあえず、この特典を利用してみよう。
サイトから3日以上前に予約しなければいけないとか、ちょっと、面倒くさいのではありますが、何しろ、コース料理を注文すると、もう1名分が無料になるというのだから、1度は、試してみなきゃであります。
ミニボンに、店を聞いたら、中納言が良いと言う。
伊勢海老を食べさせるレストランだ。
料理は、いくつかコースがあるが、1番人気だという「招福」というコースを予約した。
14800円(税込み16280円)也。
これが、1人前の値段だからね、凡にしてみれば、かなりの贅沢である。
とはいうものの、コース料理なんて、こんなことが無い限り、食べないだろう。
この1名分の料金で、凡とミニボンが、2人、頂けるのであるからして、高いけれども、かなりの得をする理屈ではあるのである。
ということで、11月18日(月曜日)。
大阪駅前の第3ビルの32階にあるレストランに突撃であります。
予約していた、5時に付くと、まだ、レストラン内には、たぶん、先客は、1組。
たぶん、というのは、かなりの収容力があるレストランのようで、別室もあるので、そちらは、凡の席からは窺えない。
窓際のテーブルに案内される。
高所恐怖症の凡には、ちょっと怖いが、窓ギリギリではないので、何とか座っていられそうだ。
座ってみると、なかなかの本格的なレストラン。
テーブルクロスも、客が出て行ったら、その都度、交換している、って、ちゃんとしたレストランなら、あたりまえのことかもしれないが、そんなことでも感激してしまう。
スタッフも、嫌いなものや、もしあれば、代替えのものなどを提案してくれる。
ミニボンは、嫌いなしいたけの天ぷらが、南京か何かに変更されていた。
さて、コース料理の始まりである。
まずは、食前酒の梅酒。ミニボンは、アルコールを飲まないので、ジュースに変更。
そして、前菜。んでもって、瓶ビール。
鮑の蒸したものと、松前漬け。
これが、上品というものだろう。
そして、伊勢海老のサラダ中納言風。
上品じゃないか。
これが、サーブされたときに、ビックリした。
1匹の伊勢海老を、2名でシェアするのだが、その伊勢海老が、想像してたより遥かに大きい。
これは、値打ちがある一品である。
普通、伊勢海老とメニューに書いてあっても、小ぶりな伊勢海老しか見たことが無い。
伊勢海老自体が大きいので、サラダに入っている身も、その1個が、大きくて、食べたときに満足感に満たされる。
伊勢海老は、もともと、身が殻の大きさからみて、少ないので、1人当たり、2個か3個だったけど、その1個1個が、ちゃんと大きさがあって、食べ応えありました。
そして、ドレッシングも美味しかったです。
そして、伊勢海老の活造り。
この伊勢海老も、サラダのよりは、小ぶりだったけれども、十分に大きい。
食べ終わって、ミニボンが、「動いてる。」と言った。
見ると、まだ、足が、かすかに動いている。
さすが、活造りである。
次の料理は、伊勢海老の甲羅揚げか、クリームコロッケを選択できる。
見た目から、甲羅揚げと即答した。
しかし、この甲羅揚げなのだが、凡は、写真を見て、伊勢海老を、甲羅のまま、フライにしたものだと思っていた。
だって、そう見えるんだものね。
それに比べて、クリームコロッケは、甲羅がないから、普通のクリームコロッケじゃん、と思っていたのだ。
折角の、伊勢海老のレストランなんだから、伊勢海老を堪能したい。
凡もミニボンも、エビフライが好きだから、そりゃ、伊勢海老のフライも美味しいに違いない。
んでもって、サーブされた伊勢海老の甲羅揚げ。
箸で、崩して持ち上げると、あれ?伊勢海老じゃない。
口に入れると、カボチャのペーストである。
他に何かの具材を混ぜてあるのだが、決して、伊勢海老じゃない。
というか、これは、伊勢海老の料理だろうか。
勿論、伊勢海老の甲羅に、カボチャが入っているので、伊勢海老の甲羅は、間違いなく、眼前の皿の上に鎮座している。
しかし、伊勢海老の身が、不在なのだ。
いや、もしかしたら、細かく刻まれた身が、感じられないぐらいに入っているのかもしれない。
それにしてもだ、これを伊勢海老の甲羅揚げと、そう銘打って良いものだろうか。
凡は、伊勢海老を食べに来たのであって、カボチャのペーストを食べに来たわけじゃない。
いや、ここで、断っておきたいのだが、凡は、カボチャのペーストを否定している訳じゃない。
メニューに、カボチャのペーストと書かれていれば、美味しく頂いていただろう。
ただ、期待が大きすぎたのである。
出来ることなら、このメニューは、「カボチャのペースト伊勢海老の空の甲羅に詰めて揚げたもの」とでも、しておいてほしいものではあります。
店を出てから、あれは、クリームコロッケにした方が良かったねと、ミニボンと話したので、ミニボンも、そう思ったのだろう。
まあ、美味しかったので、良しとすべきなのであるのかもしれない。
んでもって、伊勢海老のお吸い物。
実際は、赤みその味噌汁だったが、濃厚な味噌の味が、凡好みだ。
ただ、これも、それほど、伊勢海老の香りもしないし、ただの飾りの伊勢海老が入っているだけなので、伊勢海老の殻は要らなかったかな。
これもまあ、「伊勢海老の殻いり味噌汁」とでも名前を付けたいところだが、まあ、伊勢海老のお吸い物(味噌汁)と銘打っても、一般的な使用例を考えると、間違いではないだろう。
んでもって、お口直しの氷菓。
ゆずのシャーベットだった。
こういうの嬉しいよね。
そして、コース料理のメインだ。
これは、伊勢海老の中納言焼き、鮑の蒸し焼き、国産牛ヒレ肉の石板焼きから、選ぶことが出来る。
ここでも、やっぱり、伊勢海老の一択になるよね。
スタッフの女の子が、伊勢海老を、甲羅から外してくれる。
この伊勢海老は、やや、小ぶりだった。
2種類のソースが掛かっていて、それに、伊勢海老を焼いたものだから、間違いなく、美味しい。
そして、最後は、伊勢海老の海苔茶漬け、香の物。
出汁茶漬けが最後に出るのは、嬉しいよね。
日本人に生まれて良かったと感じる瞬間だ。
ただ、伊勢海老は、小さな小さな小さな、破片が、数個、出汁の中に泳いでいた。
わざわざ、伊勢海老と書かなくてもね、良さそうな感じではある。
デザートのチーズケーキと、コーヒーが出てきて、コース料理は終了。
最後に、会員登録をしませんかというので、お願いをした。
お会計をしたら、瓶ビール2本と、日本酒1杯で、税込み21415円だった。
いやあ、それにしても、かなりの満足感を味わえる料理でありました。
そして、スタッフも、丁寧な接客で、何一つ悪いところがなかったです。
店を出て、ミニボンと、また来たいねと、そう言い合ったのだが、
そのあとに、「、、、、でも、値段がね。」と、付け加えずにはいられなかった凡とミニボンであります。
凡としては、あの伊勢海老のサラダ中納言風は、ほんと、最高だったな。
ああ、また、来たいなあ。
、、、、でも、金額がね。
とはいうものの、半額なんだよね。
だから、得してるんだよね。
大満足した後も、悩ましい凡なのでありました。
コメント
凡蔵さん、人間だれしも得したいと思うのが当たり前で、損したいなどと考えている人は余程の変わり者ですよ、まぁほぼ居ないでしょうね
自分だってもちろん得したい、何しろお得に旅をしたいしお値段以上の美味しさを求めていますよ
プライオリティパスの会員ですか?
初めて知りましたが、けっこうなお値段ですね
空港のラウンジが使えるのは嬉しいですね
ハノイに行く前に会員になった方が良かったのではないでしょうか?
中納言の伊勢海老コース、これは贅沢ですね
とにかく伊勢海老はお高いですから、滅多に口にできませんしね
伊勢海老サラダや伊勢海老のお造りはとても美味しそうですが、かぼちゃのペーストはいったいどうしちゃったんでしょうね?
伊勢海老の殻にペーストを詰めて揚げる、う~ん、これは微妙です(^^;)
しかしながらこの豪華コース料理がお一人無料になるとは、これまたビックリですね